堅真音神社
(かたまおとじんじゃ)


紀伊国名草郡
和歌山市神前253
(P無し、停め置きできる場所・コインPも近隣に無し)

■延喜式神名帳
(堅真音神社の参考社)

■祭神
木華咲耶媛命


わかやま電鉄貴志川線「神前駅」の西すぐ、住宅密集地内にひっそりと鎮座する社。
式内社 堅真音神社は江戸期には既に廃絶となっていたようですが、鳴神社の境内社 堅真音神社・香都知神社として復社し奉斎されています。同時期に復社された式内社 香都知神社も同様。これらをさらに復社させたのが当社と逆松社。当社はその堅真音神社・香都知神社から分祀されてできた社。
旧社地は鳴神社の北方300mほどのところ。「有馬村」と称されていたとのこと。「三代実録」には「有馬音大神」との記述、「国造舊記」には「音大明神」あるらしく、これらから解されるのは、「音」大明神に地名の「有馬」が冠されたということ。「堅」は「音」の転訛、または木華咲耶媛命が磐長姫命との姉妹のうちの片側からなどと「紀伊國神明帳」は解いています。少々強引なようにも思いますが、適当な理由は他に見当たらないようです。
旧社地のすぐ南側は「鳴神貝塚」。古代から人が住み着いていたことが分かります。また貝塚の隣に「花山温泉」が開業していますが、これは高濃度の炭酸泉が自噴する源泉。古代より霊地と考えられていたのではないでしょうか。
狭い社地にひっそり佇む社ながらも、温かく祀られている様子が窺えます。