神御前神社 (大神神社 境外摂社)
(かみのごぜんじんじゃ)


大和国城上郡
奈良県桜井市茅原字神御前
(北側すぐに大神神社末社 富士神社・厳島神社があり、その駐車場に停めて併せて参拝がおすすめ)

■祭神
倭迹迹日百襲姫命


箸墓古墳に眠るとされる百襲姫神を祀る社、「三輪山」山頂からほぼ西に鎮座します(若干のズレは写真参照)。
◎倭迹迹日百襲姫命(ヤマトトトビモモソヒメノミコト)は第7代孝霊天皇の皇女であり、大物主神との神婚者(巫女)。第10代崇神天皇の御代、疫病が大流行したため八百万の神々を集めて占いました。すると百襲姫に憑依した大物主神が我を祀れと伝えたとあります。
━━(崇神天皇七年二月十五日、崇神天皇は善政が行われていないから神祇が咎を与えているのではないかと思い詔した) 命神龜(うら)へて(=占いをして)以て災を致す所以を極めさらむ 是に於ひて 天皇乃ち神淺茅原に幸(みゆき、=行幸)て 而して八十萬神會ひて 以て卜ひて問ふ 是の時 倭迹迹日百襲姫命に神明憑り(かむがかり、=憑依)て
曰く 天皇 何ぞ國の治まらずを憂ふ也 若し我を能く(よく)敬ひて祭るなら 必ず自ずから平らける矣━━
◎その占った場所「神淺茅原(かんあさぢはら)」が、当社が鎮座する一帯と考えられます。それは当社地であったのかもしれません。「茅原」という地名、またこちらに百襲姫を祀る社が鎮座しているという事実がその所為。
◎さらに崇神天皇七年八月七日の条には、倭迹速神浅茅原目妙姫(ヤマトトハヤカミアサヂハラマクハシヒメ)・大水口宿禰・伊勢麻績君(イセノオミノキミ)が同じ夢を見、大物主神を大田田根子に、倭大國魂神を市磯長尾市(イチシノナガオチ)に、それぞれ神主として祀らせるようにとありました。この倭迹速神浅茅原目妙姫は倭迹迹日百襲姫命のこととされます。
◎「神淺茅原」のもう一つの候補地は「笠」の「浅茅原」。こちらも元伊勢「倭笠縫邑」の候補地の一つである笠山荒神社の辺り。
◎百襲姫は大物主神の一夜妻となります。以降は有名な神話、かいつまんで。人に化身していた大物主神は実は蛇であり、それを見て驚いた百襲姫に大物主は怒り、「三輪山」へ還ります。後悔した百襲姫が尻もちをつくと、箸が陰部に刺さり亡くなった…と。
◎写真通りに当社から望む「三輪山」はとても美しいもの。社名「神御前」とは大物主神の御前であるということかと思います。

*写真は2017年頃、2019年1月、2023年1月撮影のものとが混在しています。




真正面から撮影したもの。「三輪山」とは少しズレがあります。冒頭写真は少し斜めから撮影。

こちらも真正面から撮影。



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