【韓国映画】せつない韓国恋愛映画 10選 | K-POPちょっといい話

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韓国映画と言えば激しいアクションものや韓国社会の闇を扱ったノワール映画が有名ですが、ラブストーリーの名作も少なくありません。

 

ここでは、恋愛映画の中でも見終わった後にちょっとせつない気持ちになる10作品を紹介します。

 

1. ラブストーリー(2003年、原題「クラシック」)

 

ドラマ「愛の不時着」で日本で一気に注目を浴びた女優ソンイェジンの出世作となった。ジュヒ(ソンイェジン)への愛と親友テス(イギウ)との友情の間で苦しむ青年ジュナ(チョスンウ)が意を決してベトナム派兵へ志願するところからせつなさが止まらない。そして、ジュナがベトナムから帰還してジュヒと会うラストシーンは涙なくしては観られない。韓国最高の恋愛映画と言っても過言ではない。

 

 

本作で好きなシーンは、田舎で出会った二人が遠出した際に夕立に逢い雨宿りしながらスイカを食べるところだ。このシーンは韓国では教科書にも登場する代表的な文学作品のひとつ黄順元(ファンスヌォン)の小説「ソナギ(夕立)」(1953年発表)をモチーフにしている。クァクジェヨン監督が本作の前に作った韓国最高のロマンチックコメディ映画「猟奇的な彼女」(2001年)にも夕立へのオマージュシーンが出てくるので注目して欲しい。

 

 

もう一つの好きなシーンは、現在の初恋で、サンミン(チョインソン)とジヘ(ソンイェジンが母娘の2役を演じている)が夕立の中を走る約2分のシーンだ。韓国映画で「雨のシーン」と言えばこのシーンと言われるくらいの名場面である。クァクジェヨン監督

 

 

2. ビューティーインサイド(2015年)

 

18歳のときから寝て起きたら男性、女性、子供、高齢者、外国人まで毎日違う姿に変わる男キムウジン。彼に初めて自分の秘密を告白したい女性イス(ハンヒョジュ)ができた。最終的にウジンは彼女に自分の心を告白する。しかし、イスは「毎日違う男を連れ歩いている」という容赦ない周囲の視線によって混乱し、それを見たウジンは彼女と距離を置くようになる。朝起きて悪い外見に変わったときは彼女と会わないようにするウジンの気持ちがせつない。

 

 

映画の中で一番のシーンは、ウジン(キムジュヒョク)が自分との恋愛に悩むイスに雪降る街角で別れを告げるシーンだ。このシーンは韓国映画史上で最も美しい別離のシーンと言われている。後日談となるが、キムジュヒョクは2017年10月30日交通事故のため45歳の若さでこの世を去った。ハンヒョジュは出棺10分前にこの別れのシーンをインスタにアップしキムジュヒョクを追悼した。現実の世界でもキムジュヒョクと永遠に別れなければならなくなったハンヒョジュの気持ちを込めたシーンである。ペクチョンヨル監督

 

 

 

3. 私の頭の中の消しゴム(2004年)

 

こちらもソンイェジンの代表作だ。社長令嬢スジン(ソンイェジン)と工事現場で働くチョルス(チョンウソン)がコンビニで出会い恋に落ちる。二人は結婚するが、スジンの記憶障害(アルツハイマー)が進行しチョルスのことを思い出せなくなる。これも韓国恋愛映画の最高峰だ。日本でも人気があり、興行収入30億円は2020年「パラサイト」に抜かれるまで日本公開の韓国映画歴代最高興行記録を維持した。イジェハン監督

 

 

4. 建築学概論(2012年)

 

建築学科に通う大学1年のスンミン(イジェフン)は「建築学概論」の授業で音楽科の学生ソヨン(スジ)に出会う。授業の課題を一緒にこなしていくうちに二人の距離は縮まっていくが、恋に奥手なスンミンは自分の想いを告白することができないまま、小さな誤解から二人は疎遠になってしまう。

 

15年後、建築士となったスンミン(オムテウン)のもとに突然ソヨン(ハンガイン)が現れ、自分が建てる家を設計して欲しいと依頼する。家を設計していくうちに、15年前の記憶が蘇り、二人の間に新たな感情が生まれ始める。婚約相手がいながら、初恋の相手との突然の再会で揺れ動くスンミンの気持ちがせつない。イヨンジュ監督

 

 

5. ただ君だけ(2011年)

 

元ボクサーのチョルミン(ソジソプ)は駐車場の料金所で働いている。ある日、目の見えないジョンファ(ハンヒョジュ)と料金所で知り合って親しくなった。ジョンファとの未来を考えボクサーに復帰しようとするチョルミンだが、ジョンファの両親の墓参りに同行した際にジョンファの過去と思いがけない接点を持つことを知ってしまう。彼女の光を見つけようともがく男の純愛を描いた作品で、ラストシーンは(個人的には)韓国映画史上最も感動的だ。ソンイルゴン監督

 

 

6. 純情(2016年)

 

1991年の夏休みを迎え、幼馴染スオク(キムソヒョン)が待つ地元の島に帰るポムシル(EXOドギョンス)。生まれつき足が不自由なスオクに恋心を抱くポムシルは常に隣に寄り添い、島で育った仲間たちと楽しい日々を過ごすが... 。ラジオ生放送中に届いた23年前の過去からの手紙をきっかけに、現在と過去を行き来しながらドギョンスとキムソヒョンの切ない初恋と島で暮らす5人の友情を描いた。イウニ監督

 

 

7. あなた、そこにいてくれますか(2016年)

 

医療ボランティアでカンボジアを訪れた医師スヒョン(キムユンソク)は、子どもの手術をしたお礼として、願いをかなえてくれるという10錠の薬をもらう。スヒョンの願いは30年前にこの世を去った恋人ヨナ(チェソジン)と再会することだった。まさかと思いながら薬を飲んだ彼は1985年にタイムスリップし、若き日の自分(ピョンヨハン)に遭遇する。ヨナとの未来を選べば、彼女の死から10年後に誕生するはずの娘が存在しないことになってしまう。過去と現在、2人のスヒョンは葛藤の末にある決断を下す。

 

本作はタイムスリップ映画の代表作である「バック・トゥ・ザ・フューチャー」と同じく、2015年と1985年を行き来する。変わった歴史によって、新聞や写真などが消失して新しく作り直される手法も「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズに使用された手法と同じであるので注目して欲しい。

 

主演キムユンソクは当時のインタビューで「実際に過去に戻ることができれば何をしたいか」という記者の質問に、「2014年に戻って「乗らないで、その船に乗らないで」と言う」と答えた(2014年には300名以上が亡くなったセウォル号沈没事故が起きた)。ホンジヨン監督

 

 

8. 夏物語(2006年、原題「その年の夏」)

 

1969年軍事政権下の韓国。大学生ソギョン(イビョンホン)は農業奉仕でソウルから田舎へ行き、そこで図書館司書ジョンイン(スエ)に出会う。民主化運動だけでなく反共政策(アカ狩り)に翻弄される二人の恋がせつない。物語はイビョンホンが60代になった2006年の冬と学生時代の1969年の夏を行き来しながら進み、喜怒哀楽の姿を見せる。チョグンシク監督

 

 

9. 八月のクリスマス(1998年)

 

静かな町で写真館を営む不治の病の青年ジョンウォン(ハンソッキュ)と駐車違反取締員の女性タリム(シムウナ)の静かな愛の物語。タリムから好意を寄せられながらも、近づく自分の死を前にしてこの恋が叶わないことを知っているジョンウォンはタリムの愛を受け入れることができない。最後の17分はセリフがなく、映像と音楽だけで進み、タリムの哀しさを如実に表現した。本作は初めてヒットした韓国恋愛映画であり、「韓国恋愛映画を誕生させた」と言われているホジノ監督

 

 

10. イルマーレ(2000年、原題「時越愛」)

 

イルマーレという名の海辺の家を舞台に、郵便受けを通して2年の時を越えた文通を行う男女、ソンヒョン(イジョンジェ)とウンジュ(チョンジヒョン)を描いた恋愛映画。1998年に生きる男性ソンヒョンは女性ウンジュを知っていて、手紙で聞いた場所に女性を探しに行くのだが、98年当時の女性はまだ彼のことを知らずすれ違いになるところが切ない。海の上に建つ家イルマーレが幻想的でロマンティック。チョンジヒョンの出世作であり、翌年「猟奇的な彼女」でブレイクすることになる。イヒョンスン監督

 

 

参考:

 

おすすめ韓国映画100選

 

<終わり>