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ペヤングの「獄激辛やきそば Final」を食べる3連休前夜

3月7日に発売になったペヤングの馬鹿やきそばシリーズ『獄激辛やきそば Final』を買ってきました。

 

 

今回もYoutuberの皆さんが悶絶しながら食されております。

 

前作の「獄激辛やきそば」は辛さの指標スコヴィル値が455,000スコヴィルとハバネロとほぼ同じ辛さなのですが、今回の『獄激辛やきそばFinal』のスコヴィル値は910,000スコヴィルなのだとか。

910,000スコヴィルというとブートジョロキアとほぼ同じ辛さでしょうか。

 

辛いものといえば、昔冗談半分で買った当時世界最凶だったデスソース「ザ・ソース」を試したときは、爪楊枝の先にちょこっと付けたソースをなめただけでしばらく悶絶しましたが、それに比べれば7分の1以下・・・・行けるっしょ?(いや、行く必要はないんですが)

 

もっとも、別に私は辛い物好きとか、辛い物狂というわけではないのです。

でも・・・こういうのが出ると試してみたくなってしまう悪い癖が・・・・

Youtuberでもなく、再生数を稼ぐ必要もないのに・・・

 

 

前回の「獄激辛やきそば」の時は、鼻水が止まらなくなりましたがなんとか完食できました。

今回は果たしてどうなるのか・・・

 

前回は平日の夜に食って翌朝後悔しましたが、さすがに『獄激辛やきそばFinal』を平日の夜に食うのは違うな・・・ということで、4連休(3連休+代休1日で合計4連休)直前の夜であれば、最悪土曜日の1日中具合が悪くなってもリカバリーできるだろうと、朝まで生テレビを見ながら『獄激辛やきそばFinal』にチャレンジです。

 

 

見た目にはわからない凶悪感。

普通のペヤングよりも赤いのですが、もともとソースが茶色なのでそこまで目立ちません。

ですが、鼻孔には刺さるようなカプサイシンの刺激臭が・・・・深呼吸をしちゃダメなやつです。

 

テレビの向こうでは三浦瑠麗さんが田原総一朗氏に発言を遮られながらも「最後まで聞いて!」と話を続けておりますが、そんなことよりも問題は目の前のこいつです。

 

用意した飲むヨーグルトカルピス THE RICHを一口飲んでいったん心を落ち着かせてから実食です。

 

 

 

・・・・あ・・・・これ・・・・・ダメだ。

 

 

 

ひと口目から舌全体に焼けるような痛みが走り、二口目には鼻水が・・・

 

なんだかもう、痛くて戦意喪失状態です。

 

慌てて飲むヨーグルトとカルピスを交互に飲みますが全く無駄。

 

頑張って3口目を頬張りますが、舌に感じる痛みがさらに増してきて・・・・完食無理です。

 

 

なんとか半分までは食べ進めましたが、出てくる涙と鼻水でこれ以上食事不可能に・・・・

 

 

 

いやはや、「いけるんじゃない?」と考えてしまった自分を怒ってやりたい・・・

 

確かに、ザ・ソースを爪楊枝の先につけて舐めたときに感じた「辛さの絶対値」は超えてきていないとは思いますが、1人分の焼きそばとしてこいつを食べきるのは・・・無理でした。

 

これ、絶対に体に悪いやつだ。

食べてから1時間くらいで胃が痛くなってきたもの。

 

 

皆様もどうぞ無理をなさらないよう・・・・(いや、ふつう食わない)

 

 

 

あぁ・・・・今日、このあと墓参りに行かなきゃいけないのか・・・

 

大丈夫かなぁ・・・・・・・・・・・・・

今年も出ました『ジャズ批評 226号 マイ・ベスト・ジャズ・アルバム2021』

何年前から始まった企画だか覚えておりませんが、今年も『ジャズ批評』で新春の名物企画「マイ・ベスト・ジャズ・アルバム」が掲載された226号が発売になりました。

 

 

ジャズ批評 2022年 03 月号 [雑誌]

 

恥ずかしながら今年も2021年に発売されたジャズ作品から5枚ほど、当方の主観のみで素晴らしいと思った作品をチョイスさせていただきました。

どんな作品をチョイスしたのか・・・は、ジャズ批評226号をご覧いただくとして、ジャズ批評では掲載できなかったけれどおススメしたい作品はたくさんあります。

 

そんなわけで、2021年に発売されたジャズ作品のおススメをご紹介。

(ちなみにおススメ順というわけではございませんので予めご了承ください)

 

 

まずは韓国出身の作曲家JIHYE LEE率いるビッグバンドJIHYE LEE ORCHESTRAの『Daring Mind』。

Daring Mind

 

ピンクのジャケット(両方の意味で)が映えてます。

1曲目冒頭からブラス隊とスネアドラムでパララ、パララ・・・と刻まれるリズム、ピアノの1音で訪れる静寂・・・これから始まるストーリーに期待が高まります。

基本的にスウィングではなく非常にクールで抑揚に富んだ曲が多いので、ノリノリで聴くというよりも前のめりで聴き込んでしまう作品。

4ビートジャズ的な作品は7曲目の「Why is That」くらいかな。

軍隊の様に非常に統制された演奏で、一聴して非常に格好良く、聴き込めば聴き込むほどに新しい発見があるので何度でも聴きたくなる秀盤です。

この格好良さは・・・聴いてもらわないと分からないかなぁ。→試聴あり

 

 

次はピアニストHelen Sungの『Quartet+』。

Quartet+

いやはや、この作品もとにかく凄い。

1曲目の「Feed The Fire」はHelen Sungのピアノが疾走する爽快なジャズナンバー。

そうかと思えば2曲目は弦楽四重奏のHarlem Quartetも参加をしてバラードをしっとりと聴かせてくれます。

弦楽四重奏といえば上原ひろみさんの2021年作品「Silver Lining Suite」でもピアノと弦楽四重奏の構成で演奏されていますが、本作はカルテット+カルテットのオクテット構成。弦楽四重奏と演奏をするの、流行ってるのかな・・・?

本作はHelen Sungの表情豊かなピアノ演奏により、どの曲も聴きどころ満載でおススメです。→試聴あり

 

 

次はおススメするまでもないコチラ。TONNY BENNETT & LADY GAGAの『Love For Sale』。

Love For Sale

2014年にリリースされたこの2人の競演作「Cheek to Cheek」には「まさかこの二人が組んで作品を出すなんて!」「ていうか、トニー・ベネット、80歳後半じゃなかたっけ?」とビックリしつつ、現代のアメリカのトップ女性歌手が伝説の老ジャズ歌手とジャズ作品を発表するという、アメリカエンターテイメント界のジャズに対するリスペクトに感動すらしましたが、それから7年、2021年に本作が発表されました。

(2006年にトニー・ベネット80歳記念アルバムとして各方面のミュージシャンとの競演作、2011年にはレディー・ガガ、エイミー・ワインハウスを含む歌手との競演作を出しており、いずれも素晴らしい作品でした。)

トニー・ベネットは2020年にアルツハイマーに罹患したという情報が流れ、本作のレコーディングが罹患後なのかどうかはレコーディングノートがアルバムに無かったためわかりませんが、およそ90歳をとうに超えているトニー・ベネットの歌声にはとにかく驚きです。そしてそれに寄り添うように、尊ぶように歌い上げるレディー・ガガはまるで聖母のよう。

本作もトニー・ベネットが活躍した1950~1960年代のジャズがエンターテイメントの中心だった頃の華やかさが最高です。

そう、これがエンターテイメントとしてのジャズのど真ん中です。

 

 

次は日本のピアノトリオ作品。外山安樹子トリオの『レターズ』。

レターズ

ピアニスト外山安樹子さんの3年ぶりのトリオ作品。

外山さんの作品はいつも安定の高水準作品なので安心して楽しめます。これは10年以上組んでいるベーシスト関口宗之さん、ドラマー秋葉正樹さんとの強い絆、阿吽の呼吸があるからなのでしょう。

軽やかで小気味良く展開していく1曲目の「Yardbird Suite」、どストレートなテーマ演奏からむせ返るような熱帯夜の様に熱く、暑苦しく展開していく「Summertime」、情熱的で力強くスピーディーに展開していく「So In Love」など、聴き応えのあるジャズスタンダードがたっぷりでとにかく楽しめます。

が、個人的に大好きな曲「My One And Only Love」を演ってくれているだけで大満足。あの切なく甘いメロディーを切々と演奏してくれているのがたまりません。→試聴あり

 

 

次は構成がかなり挑戦的で面白い岩崎良子&竹内直の『Meditation for Organ & Tenor Saxophone』。

Meditation for Organ & Tenor Saxophone

テナーサックスの竹内直さんとパイプオルガンの岩崎良子さんのデュオ作品。

果たしてパイプオルガンがジャズになるのか・・・?

なにせ1曲目はバッハの「Goldberg変奏曲」のアリア。しかもパイプオルガンのソロで始まるため、「クラシックのアルバムだったっけ」となるのだけれど、途中で竹内さんのテナーが合流すると、竹内さんのアドリブによって「ジャズ」になってしまう面白さがあります。

クラシック曲も多数演奏されていますが、「My Favorite Things」や「Greensleeves」などがおススメです。

初めて聴いた時、たまたま知っていた本作プロデューサーの坂本さんに興奮気味にメッセージ送ってしまいました。

ちなみにパイプオルガンは聖路加国際病院のチャペルに設置されているものだそうで、そんな環境で録音されているのでテナーサックスのホールトーンも非常に美しいのが本作の聴きどころでもあります。
 

 

次は、1月からTBSの朝の顔(?)になっているピアニスト高木里代子トリオの『Celebrity Standards』。

Celebrity Standards

セクシー過ぎるジャズピアニストとしてテレビなども出演している高木さんのピアノトリオ作品。

本人曰く「本気のジャズアルバム」ということで、1曲目の「When You Wish Upon A Star」、2曲目の「All Of You」とジャズスタンダードを直球のハードバップで演奏を繰り広げ、これがまた心地良いのなんのって。

7曲目の「Take Five」は終始ロック調のリズムで展開され、そのリズムに縦横無尽にメロディー展開をしていく高木さんのピアノは紛れもなくジャズ。

高木さんオリジナル曲の「MIYABI」のメロディーの美しさはため息が出るほどで、胸が熱くなってきます。

でも・・・本作も私が大好きな曲「My One And Only Love」を演奏しているんですよ。もうね、最高です。→試聴あり

 

 

 

お次はちょっと方向性を変えて、スカパラの様なジャズバンドCalmeraの『誰そ彼レゾナンス』。

誰そ彼レゾナンス

お恥ずかしながら結成15年というのにCalmeraの作品、初めて買いました。

そもそもこの作品を初めて知ったのが、お笑いのカンニング竹山さんがこのCalmeraと共演をしたタケヤマカルメラの「ヘイ・ユウ・ブルース~許せ、友よ~」を聴いてからでした。

以前もブログで書きましたが、私、カンニング竹山さんのオンラインサロン(?)『竹山報道局』に参加をしております。

なので竹山さんの活動は頻繁に拝見しているのですが、タケヤマカルメラの「ヘイ・ユウ・ブルース~許せ、友よ~」を聴いて心が震えたわけですよ。天国の友(相方で故人の中島忠幸さん)への叫びがリアルで、力強くて、まじめで、切なくて。

で、そんな竹山さんのトークライブ会場で購入したのがこのアルバムでした。

「エンタメジャズ」と銘打たれた作品で、とにかく楽しい1枚。

でも、やっぱり「ヘイ・ユウ・ブルース~許せ、友よ~」だなぁ。

以下にタケヤマカルメラの「ヘイ・ユウ・ブルース~許せ、友よ~」と、元ネタの左とん平さんの「ヘイ・ユウ・ブルース」を貼っておきます。どちらも格好良くて最高です。

 

 

そして忘れちゃいけない歌手MAYAの『Billie』。

Billie (Blu-spec CD)

MAYAさんとはもう何年のお付き合い(アーティストとファンとして)でしょうか。

コロムビアからメジャーデビューする少し前からだから・・・18年以上?

一時期、のどの調子を悪くして辛そうだった頃は見ていて、聴いていて心配をしていたけれど、それから復調をしてしっかり自分の歌い方を確立してからは、自分が歌いたいものがより明確になったのか作品作りに今まで以上に意欲的になり、アルバムタイトルをオリジナル曲で発表したり、今作では女性ジャズ歌手の道を作り上げたビリー・ホリディに捧げた本作を発表。

個人的にはビリー・ホリディというと非常にブルージーで「奇妙な果実」が頭に浮かんでしまいますが、本作には「奇妙な果実」は収録されていません。直接聞けていませんが、やはりあの曲は黒人による差別を受けた歴史を切実に歌う歌なので、そういうバックボーンのない日本人の自分が歌うべきではないと思ったのかもしれません。

そんなMAYAさんの想いを実現するために支えるのは、ピアノの二村喜一さん、ベースの新岡誠さん、テナーサックスの高橋康廣さん、そしてドラムの松尾明さんという勝手知ったるメンバー。

息の合った5人の演奏が音質にもこだわって収録されており、5人の息遣いをリアルに感じることができる名盤になりました。→試聴あり

 

 

最後はジャズジャイアントのベーシスト、CHARLES MINGUSの『LIVE AT CARNEGIE HALL』。

LIVE AT CARNEGIE HALL (DELUXE EDITION)

この作品、「マイ・ベスト・ジャズ・アルバム」でももっと多くの人やレコード会社の人が挙げると思ってたんだけどなぁ。

ジャズライターの高野雲さんが自身のYoutubeチャンネルで嘆いておりました。

伝説のジャズベーシスト、チャールス・ミンガスの1974年にカーネギーホールで演奏をしたライブ盤。

晩年のチャールス・ミンガスの超名盤だと思います。

とにかく内容が濃い。

50年代、60年代の熱がそのまま74年にカーネギーホールで炸裂しているような、ジャズの黒さ、熱、力を存分に味わえます。

チャールス・ミンガスの演奏は当たり前として、メンバー全員の演奏が熱い!!

CD2枚組で全7曲、うち5曲が演奏時間20分以上という作品なのですが、あまりに濃い内容・熱演なので一気に聴き通せてしまう迫力があります。

リイシュー盤なので敢えてマイ・ベストには挙げていなかったけれど、凄まじい盤であることに変わりはありません。→試聴あり

 

 

「まだ聴いてないよ」、「ちょっと気になったよ」という方は是非聴いてみてくださいませ。

NOBLEの新ワイヤレスイヤホン『FoKus PRO』を買ってみた

仕事からの帰宅時にiPodで音楽を聴きながら帰ってくる事があるのですが、イヤホンはNOBLE Audioの「FALCON」を使用しておりました。

(FALCON購入時のブログはコチラで。)

 

 

で、特に不自由なく使用していたのですが、今月初旬のネットニュースでNOBLE Audioが新しいワイヤレスイヤホンを発売することを知り、思わずポチってしまいました・・・。

 

その新しいワイヤレスイヤホンというのが『FoKus PRO』という製品で、今日のワイヤレスイヤホンでは当たり前となった「ノイズキャンセル」や「防水」機能を搭載せず、とにかく音質のみにこだわったワイヤレスイヤホンという「漢らしさ」に惚れて買ってしまったわけです。

 

 

で、発売日に届きましたので、以前購入をしてFoKusPROが届くまで使っていた「FALCON」との比較をしてみることにしました。

 

 

パッケージのサイズは全く同じです。

 

パッケージ側面の記述を見るとよく分かるのですが、FALCONはBluetooth5.0、IPX7準拠の防水、連続再生10時間に対応している(初代FALCONはノイズキャンセル未搭載)のに対し、FoKusPROはBluetooth5.2に対応しているのものの防水機能、ノイズキャンセル機能などは搭載していないことは分かりますし、連続再生時間も7時間(正確にはボリューム50%で7.5時間らしいですが)と短くなっていることが分かります。

 

それなのに、FALCONが19800円だったのに対し、FoKusPROは55000円とFALCONの2.7倍以上高価なワイヤレスイヤホンになっている訳です。

 

 

さて、そんなFoKusPROを開封してFALCONと並べ比べてみました。

 

 

FALCONは2年以上使っているので多少へたってしまっているのはご愛敬。

 

ケースのサイズが随分大きくなっていますが、イヤホン充電用バッテリーは500mAと、FALCONの400mAよりも容量アップをしていて3~4回はイヤホン自体を充電出来る様です。

 

で、FALCONとFoKusPROとの大きな違いはフォルムと重量でしょう。

 

FoKusPROはかなりズングリとしたサイズで耳に入れたときのフィット感も全然違います。

ただ微妙なのが、このズングリとした大きなFoKusPROの装着感、悪くないんです。

FALCONはイヤーピースが耳にハマっている感じなのに対して、FoKusPROはイヤホン全体が耳にフィットしている感じで安定感が良いのです。

 

 

 

 

と言う訳で、ノイズキャンセル機能も防水機能も捨てて音質にのみこだわったというFoKusPROを何日か使って見て感じた音質について書いてみようと思います。

 

【試聴環境】

 プレイヤー:iPod Touch(第6世代)

 イヤホン1:NOBLE Audio FALCON

 イヤホン2:NOBLE Audio FoKusPRO

 

【試聴アルバム】

  三毒史(初回限定生産盤)  LIVE AT WEMBLEY

 

  マイ・フェイヴァリット・シングス  From the New World

 

  J.S.バッハ ゴルトベルク変奏曲/14のカノン ~いわきアリオス所蔵16フィート弦付チェンバロによる~  フライデイ・ナイト・イン・サンフランシスコ~スーパー・ギター・トリオ・ライヴ!

 

  Spectrum (初回限定盤)(2SHM-CD)  Beethoven: Symphony No. 7 in A Major, Op. 92

 

  ALL TIME BEST

 

他にも色々聴きましたが、書きやすかったので上記でレビューを簡潔に書かせて頂きます。

 

 

まずハッとなったのが低音の量感と深さ。

椎名林檎嬢の『三毒史』の1曲目「鶏と蛇と豚」のお経の声からして声の太さがFALCONよりも全然出ていて、オケが入ってからはただただビックリ。なんなんだ、FALCONもいい音だと思っていたけれど全然別物だ。2曲目の「獣ゆく細道」で少し冷静になってきたのでじっくり聴いてみると、低音の質の高さに改めて驚きます。

イコライザで無理矢理上げたようなモワモワした低音では無く、しっかり制動の効いた低音で、ここからがFALCONとは根本的に違って凄みを感じたのは、BABY METALの『LIVE AT WEMBLEY』の「BABYMETAL DEAH」の怒濤のベースとドラムから繰り出される低音のピーク時でも中~高音が一切濁らず潰れたりしないことです。

低域のユニットの振幅が中~高域に影響していないのが分かります。これは低域用のドライバと中~高域用のユニットを分けて3基ものドライバを搭載した効果でしょう。

辛島文雄さんの『My Favorite Things』1曲目の「My Favorite Things」では左右1台ずつのダブルベースも生々しく、ピアノやトランペットの音を遮らずに演奏全体を解像度高く見渡せます。

そうなってくるともっと沈み込む低音が聴きたい・・・ということで、Hansjörg Albrechtが聖ミヒャエル教会のパイプオルガンで演奏した『From the New World』1曲目のコープランド作曲「Passacaglia」を聴いてみると、冒頭のパイプオルガンの重低音の量感、超低域の再現度は見事で、それら重低音と高域が入り交じる後半も全ての音が団子にならずにしっかりと解像度を保って鳴らしているのには改めてビックリです。

 

低音に度肝を抜かれてうっかり忘れてしまいそうですが、FoKusPROは高域の解像度の高さもFALCONとは桁違いです。

武久源造氏がチェンバロで演奏した『J.S.バッハ ゴルトベルク変奏曲』を聴くと、チェンバロの弦の弾かれる音が非常に細かく描写され、音が消える残響音まで非常に綺麗で空間表現もバッチリです。

Paco De LuciaとAl Di Meolaがギターデュオで聴かせてくれる『Friday Night In SanFrancisco』1曲目の「Mediterranean Sundance」も左右に分かれた2人のギターの弦の振幅が見えるような解像度の高さと生々しさに脱帽。ボリューム上げ気味で聴くと気持ちよくて11分半を超える演奏も時間を忘れて聴き入ってしまいます。

上原ひろみさんの『Spectrum』4曲目のタイトル曲「Spectrum」では冒頭のピアノの力強い低音のアタックも低域の量感と、団子になりやすい怒濤のピアノ演奏もまるで指先が見えるような解像度が秀逸でピアノの実在感があります。

 

そうなってくるとクラシックのオーケストラ演奏はどうか?ということで、Teodor Currentzis指揮MusicAeterna演奏の『ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調 作品92』も2楽章のピアニッシモの演奏でも音の小ささに左右されずにしっかりとそれぞれの楽器の演奏を描写しており、大音量になるシーンでも音が団子にならないのは聴いていて楽しくなります。

 

じゃあ声は?と言うことで、最後に玉置浩二さんのベスト盤『ALL TIME BEST Koji Tamaki』ディスク1枚目5曲目の「行かないで」と10曲目の「メロディー」を聴くと玉置さんの歌声のファルセット部分では美しい声のかすれ、抑揚がFALCONよりもリアルに伝わってきます。そして声がグッと伸びていくところでは鳥肌が立ってきます。これはFALCONでは味わえなかったなぁ。

低域と高域の解像度の高さに感動しっぱなしでしたが、こうやって「声」をしっかり聴いてみると、中域の音の厚みのバランスが良く、人の声の実在感が非常に魅力的に聞こえてくるイヤホンだと感じました。

 

ちなみに・・・美輪明宏さんの『ヨイトマケの唄』を聴いてみたら声の力に余りに説得力があって泣きそうになっちゃいました・・・

 

 

ノイズキャンセル機能や防水機能などの利便性に重きを置く人は圏外になってしまうかもしれませんが、「ワイヤレスイヤホンで本格的なモバイルオーディオを楽しみたい」と言う人はこれ一択では無いかと思うほどの製品でした。

まぁ、55000円という金額なので万が一落としたら・・・と思うとゾッとしますが、その価値はしっかりと実感出来る逸品でした。

 

ちなみに、第6世代のiPod Touchを使っているからか、混雑した場所等ではブッチブチ音が途切れました。

(iPod Touchの新製品、早く出てくれないかなぁ・・・・)