亡くなる1週間ぐらい前に
パパは1人でお風呂に入った
一緒にお風呂に入ろうとしたら
👨
ママ…
ひとりで入りたい
👩
わかったよパパ
何かあるといけないから
脱衣所で見守っていた私
👨
終わったら呼ぶから大丈夫だよ
👩
わかったよ
しかし私は
パパに内緒で脱衣所に待機
しばらくすると…
👨うっ……
パパの嗚咽が聞こえて来た
👨うぅ………
パパは泣いていた
私が
脱衣所にいないと思ってるパパ
👨
こんなに痩せ細ってしまって…
もう…俺はダメだ…
うっ…
うぅ…うっ…うっ…
小さな声でそう言ったパパ
その言葉を聞いて
私はぐっと歯を食いしばった
心の中で
パパ…
パパ…
パパ…
ごめんね…
本当に本当にごめんね…
お風呂なんて
1人で入らせるんじゃなかった
こんなに悲しい思いを
させてしまったなんて
私は何て事をしてしまったんだ
後悔してもしきれない
痩せ細った自分の体を
目の当たりにしてパパは泣いた
この時ほど
日本の医療を恨んだ事はない
食べられないって言ってるのに
食べなきゃ死んじゃうのに
なぜだーーー
医者は何をしてるんだー
日本の医療はどうなってんだー
怒りをどこにぶつけていいのか
悔しくて悔しくて仕方なくて
まだ何かできる事は
本当にないのか
今でも思い出す度に
胸が張り裂けそうになる
よく
自宅で闘病出来て良かったねと
平然とおっしゃる方がいる
うちは病院だったから
一緒にいたくてもいれなかった
そう言われる方も多い
とっても気持ちは分かります
しかし
自宅で闘病するという事は
見なくてもいい事を全て
見る事になります
どんなに苦しくても悲しくても
辛くても泣き叫びたくても
本人の目の前では
絶対そんな姿を見せられません
どちらの方が立派とか
どちらの方が良いとか悪いとか
私の方が苦しかったとか
そんな事は一切ありません
どちらも苦しいし悲しいんです
けして比べる事はしないように
大切な人を亡くした悲しみは
皆同じだという事をけして
忘れないでほしい
今でも
お風呂に入る3回に1回は
あの時のパパの嗚咽を思い出す
パパの苦しみの言葉が
永遠に私の耳に残ってる
最初は思い出すたびに
苦しかったけど
今はパパの苦しみの言葉を
ちゃんと受け入れる事が出来て
心から良かったと思ってる