たまらなく孤独で、熱い街 -345ページ目

『夏の名残りの薔薇』 恩田陸

夏の名残りの薔薇 恩田 陸
夏の名残りの薔薇
(文藝春秋)
初版:2004年9月30日
 
 
 
読後、溜息をつく。
嵐の山荘ですし、鼻持ちならない金持ちが登場するし、舞台設定は申し分ないのですが、著者はありきたりな探偵小説を避けたのか。
 
やたらと文中に映画『去年マリエンバートで』のアラン・ロブ=グリエ脚本が引用される。
この映画は、なかったはずの出来事を、見知らぬ男に繰り返し吹き込まれるうちに、自分に起きた出来事だと信じるようになっていく、という内容らしい(未見です)。
 
本文は6章あり、それぞれに語り部が代わりますが、各章で描かれた「殺人」は、現実だったのか、夢想だったのか。
 
読む人によって、読後感や評価はマチマチになりそうですね。
 
P.S.
ふと思ったのだが、もしかしてこの小説は読者を試しているのか?
読者を選んでいるのか?
選ぶが言いすぎなら、挑戦しているのか?
私が仕掛けた罠がわかりますか?と。
 
恩田作品はみなそうなのか?
だとしたら、私は恩田作品から疎外されているのか。
なんか淋しい。

『恋するA・I探偵』 ドナ・アンドリューズ

恋するA・I探偵 ドナ・アンドリューズ, 島村 浩子
恋するA・I探偵
(ハヤカワ・ミステリ文庫)
初版:2005年8月15日
 
 
 
 
書店でタイトルと表紙を見て、「ヒューマノイド型のロボットにA・I(人工知能)を搭載し、そのA・Iが自我を持ち、人間に恋をするのだな」と単純に思いましたが、違いましたね。
ならば、「安楽椅子探偵」がピッタリかとも思いましたが、いやあ、このAIP(人工知能パーソナリティ)は働く働く。
最初は自分を作った人が3日無断欠勤をしているのを不審に思い(多少、恋に近い感情もあった)、いろいろと調べるのですが、その過程で実はとんでもないことが起きているのに気がついてしまうのです。
AIPならではの苦悩を抱えつつ活躍するチューリング・ホッパーさんに拍手。
 
P.S.
そういえば、どなたもチャットしたり、掲示板への書き込みをした経験はあると思いますが、女のふりをする「ネカマ」がいたり、他にも色々な方もいますが、このようなウィットに富んだAIPとやり取りしていると楽しいでしょうねえ。
知識も足元にも及ばないほど豊富ですし。

『何処へ』(抄) 飯島耕一

陽気にはしゃいでいる人たちがいる
だけどぼくは騒げない
ぼくの心はねじくれてしまったのか
グラスをまえにして
ぼくはたった一人だ
昔の女たち 昔の友だち
みんなどこへ 行ってしまったのか
どこかへ出掛けてしまったのか

わるい時代なのだろう きっと
きみたちの姿がどうしてもよく見えないんだから
理由はわからない いつだって
理由はよくわからないんだ 濃霧のような問題と情勢
そしてねじくれているんだ ぼくの心は
ぼくはだめになってしまったのだ
どこまでも自分をいじめたい気持になる
わるい時代のせいなんだろうか
人々はまわりにいっぱいあふれているのに
そのなかにぼくの友だちはいない
あの青春のはじめの暁の友だちの顔は

ぼくらが思っているより 今は
はるかにわるい時代なのだ
誰ものど元までことばにならない
しぐさや羽毛をつめこんでいる
青空の破片はいつまでも破片のまま

ぼくらはおそらくあまりに似かよっているので
出会っても感じるのはおなじ色
おなじ形のなぎさの砂の
こぼれおちる音ばかりだ 聞えるだろう 聞えるだろう
おそらくぼくらはタチヒを見出すまえの
取引所員ポオル・ゴオガンたちなのだ
やがて冬がやってくる 何処へ 何処へ
という敷石(しきいし)にこだまする冬の声の襲来
そして砂の声 嘴の音。

※詩集『ウィリアム・ブレイクを憶い出す詩』 所収



『空獏』 北野勇作

空獏 北野 勇作
空獏
(早川書房)
初版:2005年8月31日
 
 
 
 
北野作品の感覚にはいつも悩まされる。
うれしい悩みであるのですが。
P・K・ディックならば、それでも最初だけでも確固たる現実(と思われるもの)はある。
しかし、北野は最初からそれがない。
だから読んでいても落ち着かない。
精神的に穏やかな時ならそれなりに読めるが、イライラしてたり不安な時に読むと、イライラや不安が増幅されてしまう気がする。
 
この本は「ひたすらかっこわるくてセコくてアホらしい戦争の話にしようと思った」らしい。
それがこんな話になるわけ?
秀逸だと思ったのは、そのままでは敵が認識できないから変換ソフトを使うということ。
そう、山田正紀の『ジュークボックス』 のようだ。
「そう」と言われても、『ジュークボックス』を読んだ人は少ないだろうから、イメージが湧かないと思うが、「そのままでは相手が認識できない」という発想は好きだなあ。
 
本を読んで、のめりこんで、ふと「現実」に戻った時のギャップが凄いね。
ほっとしたような、夢から覚めて愕然としたような。

ドラフト指名選手


【ドラフト会議で指名された甲子園の星達】


山本浩二らの年度別の成績も見ることができて、いいですねー。

さて、来年は誰がどんな成績を刻むのか。

ただ、山崎浩司のように、トレードで来た選手を探すのは大変だな。

大野豊はドラフト外だから載ってないか?

 

P.S.

ロッテがよもやの4勝0敗で阪神を破りました。

ロッテは昔の広島のようで、好感がもてますね。

さて、この結果が今年の「大学・社会人ドラフト」に、どう影響するか。

梵(そよぎ)は広島が指名することができるか?

希望枠と1順目で10人が指名される(広島とロッテは希望枠を回避したので指名できない)。

2順目は全球団権利なし。

広島は3順目トップだから、トータルで11人目を指名できる。

4順目はラストだから34人目。

5順目は35人目。

4順目以降で期待できる選手は残っているのかいな?

上位指名だから活躍するとは限らないし、下位指名で活躍している選手も当然ながらいるけどね。

『ララピポ』 奥田英朗

ララピポ 奥田 英朗
ララピポ
(幻冬舎)
初版:2005年9月30日
 
 
 
 
「WHAT A FOOL BELIEVES」
「GET UP,STAND UP」
「LIGHT MY FIRE」
「GIMMIE SHELTER」
「I SHALL BE RELEASED」
「GOOD VIBRATIONS」
----------------------------------
ふだん本を読むときは、カバーは外して読むんですけど、これは外したらビックリ(苦笑)。
タイトルは「a lot of people」(2ch風ですと、「人大杉」ですか)が「ララピポ」と聞こえたそうで、著者がどこかで耳にしたのでしょう。
 
内容はSEXがらみの連作ですが、一言で言うならば「おかしゅうて、やがて悲しきでしょうか。
応援したくなる人も、応援したくない人もいますが、みんな必死に生きてるんだよ。
 
そういえば、以前ロス・マクドナルドをよく読んでました。
あるときまで。
 
『動く標的』で探偵のリュー・アーチャーが言う。
「この世には善人も悪人もいない。みな生きるために辛い目にあっているのだ」(言い回しは不正確かも)
ホロッときました。
いっぺんにファンになりました。
 
しかし、
『さむけ』だったかな。
同じくリュー・アーチャーが言う。
「紳士はみな白人だし、白人はみな紳士だ」
あ然としましたね。
てめえは今まで何を見てきたんだよ!
それ以来ロス・マクドナルドは読んでいませんし、本も手元にありません。
 
関係ない話しでしたが、『ララピポ』を読んでて、なぜか思い出しましたので。
 

『未来獣ヴァイブ』 山田正紀

未来獣ヴァイブ 山田 正紀
未来獣ヴァイブ
(ソノラマノベルス)
初版:2005年8月30日
 
 
 
 
いやもう、実に面白かったです。
帯には「怪獣とSFの幸せな融合」と書かれてます。
異議なしです。
 
最初、読んでいる時は「郭済深」が平井和正のアダルト・ウルフガイの犬神明に思えたり、「北条充」がヤング・ウルフガイの犬神明や永井豪の『凄ノ王』の朱紗真悟に思えたものだ。
すると、「潮涼子」は雪代小百合か・・・。
決して、不快ではなく、単純にそう思っただけですが。
 
怪獣が現れるまでの、先が見えない展開とハードさ。
怪獣が現れてからは、定番通りに東京へ進む。
そして自衛隊が迎え撃つ、その過程がたまりませんな。
そして、東京上陸。
新宿に達してからは、意外な展開で、これも魅せます。
 
『機械獣ヴァイブ』を書いていたとき、怪獣がソ連に去ったことが不思議で、しかも話しが袋小路に入ってしまい、筆が止まってしまったと著者が述懐してます。
20年ぶりにその謎が氷解し、こうして『ヴァイブ』が完結され読むことができたことに感謝ですね。

複雑怪奇な、新ドラフト制度

※高校生ドラフト

 

【1巡目】 (回避する球団以外の全球団が参加)
 選択を希望する選手名を用紙に記入し全球団同時に提出、指名が重複した場合は抽選で決定する。 抽選はウエーバー順(今年度の成績下位球団順)で行う。
 抽選に外れた球団はウエーバー順で指名を行い、1巡目に参加するすべての球団の指名選手を決定する。
 また、高校生ドラフトの1巡目を回避した球団は、大学生・社会人ドラフトで、1巡目の選択が終わった後、ウエーバー順で2巡目に(優先的に)指名することができる。

※今年度、10月3日の高校生ドラフトの時点では全球団の最終順位が確定していないため、9月25日時点での暫定順位を採用する。
 広島 → 楽天 → 巨人 → 日本ハム → ヤクルト → オリックス →
 横浜 → 西武 → 中日 → ロッテ → 阪神 → ソフトバンク

【2巡目】 (希望入団枠を回避した球団が参加)
 大学・社会人候補に関して「希望入団枠」を回避した球団が、ウエーバー順で指名を行う。

【3巡目・4巡目以降】 (全球団が参加)
 3巡目は今年度の成績下位球団順で指名を行い、4巡目はその逆の巡で指名を行う。5巡目・6巡目以降はその繰り返し。

 

※大学・社会人ドラフト

 

【希望入団枠】
 希望入団枠を行使した球団は、大学生・社会人ドラフトで1巡目の指名はできない。
 希望入団枠を回避した球団は、高校生ドラフトで、1巡目の選択が終わった後、ウエーバー順で2巡目に(優先的に)指名をすることができる。

【1巡目】 (希望入団枠を使わなかった球団が参加)
 希望入団枠を使用しなかった球団がウエーバー順(今年度の成績下位球団順)で指名を行う。

【2巡目】 (高校生ドラフトの1巡目を回避した球団が参加)
 高校生ドラフトの1巡目を回避した球団がウエーバー順で指名を行う。

【3巡目・4巡目以降】 (全球団が参加)
 3巡目は今年度の成績下位球団順で指名を行い、4巡目はその逆の巡で指名を行う。5巡目・6巡目以降はその繰り返し。

 

うーん、さっぱりわからん。

結局広島は【希望入団枠】を回避してその代わりに、高校生ドラフトの2順目を行使したから、大学社会人ドラフトでは3位指名からなん?

なんか、これじゃ使おうが使うまいが、一応「希望枠を使います」とした方が有利な気がするが。

『99%の誘拐』 岡嶋二人

99%の誘拐 岡嶋 二人
99%の誘拐
(講談社文庫)
初版:2004年6月15日
 
 
 
岡嶋二人に初挑戦。
傑作の噂高い、この本を手に取りましたが、身代金の受け渡しの過程はまさにノンストップの疾走感ですね。
やりすぎじゃないのか?という不安感もありましたが。
どうみても、誘拐犯は絞り込めそうですし。
犯人も遺留品などから限定されそう。
 
しかし、それらを上回る内容の濃さがありました。
しかも20年前にこのハイテクぶり。
今の私でも、何一つ真似できません。
真似できるのはチャット(しかも低速チャット)をやるくらいか・・・・・・。

『ラッシュライフ』 伊坂幸太郎

ラッシュライフ 伊坂 幸太郎
ラッシュライフ
(新潮文庫)
初版:2005年5月1日
 
 
 
 
なるほど、エッシャーですか。
 
読んでいる時は、別々に進行しているかのような登場人物や物語が、ラストで激しく交錯するかと思われ・・・。
 
なるほど、バトンですね。
 
『オーデュボンの祈り』を読んだあとだったので、なんていうか生々しさが鼻につきました。
それだけ『オーデュボンの祈り』に比べて、登場人物に存在感があったってことかな?
ストーリーはリアリティがあるような、ないような。
それでも読んでいるあいだは先がみえなくて、先が気になって、ほぼ一気に読んでしまいました。
2冊続けて一気読みはめずらしい。
 
さて3作目は『陽気なギャグが地球を回す』と、最近までタイトルを勘違いをしていた本ですか。
ま、しばらく伊坂幸太郎は休憩にしますか。
(単に『陽気なギャングが地球を回す』がないだけなんです)