一瞬で読める源氏物語 第一部(3) 本編まとめ | 西陣に住んでます

一瞬で読める源氏物語 第一部(3) 本編まとめ

源氏物語


明日から第二部を始めますがその前に・・・

光源氏がハーレムに住んで准太上天皇になるまで(第22帖~第33帖)

の本編をまとめました。


光源氏のちょっとかわった不規則行動を楽しみましょう(笑)。


参考

[一瞬で読める源氏物語 総合案内]

[一瞬で読める源氏物語 第一部(1) 本編まとめ]
[一瞬で読める源氏物語 第一部(2) 本編まとめ]



No.22 玉鬘(たまかずら) 光源氏35歳の物語(→補足


いまだに夕顔のことが忘れられない光源氏は、せめて現在の内大臣と夕顔との間に生まれた行方不明の娘に会いたいと思うようになりました。この娘、玉鬘(たまかずら)は、乳母のツテがあった筑紫で、求婚者が続出するほどの美女に育っていましたが、肥後の有力者からのストーカー行為に悩んでいました。なんとか京都に逃げのびた玉鬘は、仏にすがろうと奈良の長谷寺にお参りに行ったところ、偶然そこで、今では紫の上に仕えている、かつての夕顔の秘書、右近(うこん)と出会います。そしてはじめて夕顔の死を知り、深く悲しみます。一方、右近から報告を受けた光源氏は、大喜びで玉鬘を養女として六条院に引き取ります。なお、とりあえず内大臣にはこのことは内緒です。さて、年末になると、光源氏は恋人の女性たちに自ら選んだ服をプレゼントします。紫の上はその色や柄から女性たちを想像してはジェラシーを感じますが、最大のライバル、明石の君の服は特にセンスが良かったので深~くヘコむのでした。



No.23 初音(はつね) 光源氏36歳正月の物語(→補足


六条院で迎えるはじめての正月、快晴の極楽状態の中、光源氏は、年末にプレゼントした服のチェックも兼ねて、女性たちのもとを年始まわりします。まず春の町では、紫の上と和歌を詠み交わします。明石の姫を訪ねると、長年会ってない母の明石の君からメールが届いていたので、ちゃんと返信するよう言います。次に夏の町に訪れると、花散里はちょいと老けたもののバツグンの性格の良さを見せてくれます。一方、ニューフェースの玉鬘には恋してしまいそうです。冬の町の明石の君を訪ねると、明石の姫から嬉しい返信メールがもう届いていました。光源氏は明石の君と契りを交わし、正月早々お泊りです。翌日の六条院での新年会では、噂のアイドル玉鬘の存在に若者達がそわそわします。数日後、光源氏は二条東院を訪れますが、末摘花は相変わらずの内気で、尼さん姿の空蝉とは昔話に花を咲かせます。そんな中、正月の宮廷イベントに参加した夕霧は立派な成長ぶりを見せます。



No.24 胡蝶(こちょう) 光源氏36歳春-夏の物語(→補足


三月の六条院の春の町には客の集まるイベントが盛りだくさんです。遊覧船の進水式では、オーケストラを乗せて池を豪華クルーズです。また秋好中宮主催の読経の会では、紫の上が季節の桜と山吹を献花します。その頃になると、貴族の生活になじんでいっそう美しさを増した玉鬘にプロポーズが殺到するようになりました。光源氏は、内心面白がって玉鬘宛てのメールを逐一チェックしては、父親ぶってアドバイスを与えていました。今のところ、玉鬘の結婚相手の有力候補は、光源氏の弟の蛍宮(ほたるのみや)、マッチョの髭黒(ひげくろ)内大臣の長男の柏木(かしわぎ)の3人ですが、このうち柏木にいたっては、実の姉弟であることを知らずにプロポーズをしています。そんなある日、玉鬘のあまりの美しさに我慢ができなくなった光源氏は、ついに恋の告白を始めてしまいました。玉鬘はショックでかいです。



No.25 螢(ほたる) 光源氏36歳夏の物語(→補足


五月、蛍宮から玉鬘宛へのお誘いメールをチェックした光源氏は、デートをOKするよう玉鬘にアドバイスしました。早速、夜に蛍宮が六条院の玉鬘の部屋を訪問すると、パッとライトがあたり、玉鬘の美しい横顔が一瞬丸見えになってしまいました。このライトの正体は、光源氏がここぞとばかりに放した大量のホタルが光ったものでした。そして、玉鬘を見てしまった蛍宮はもうメロメロになっています。さて、六条院夏の町で開かれた子供の日のイベントの後、光源氏は花散里の部屋に泊まります。契は交わさないものの、たっぷりと癒されて休んでいく光源氏でした。この五月雨の季節、物語を読んで楽しんでいる玉鬘に、光源氏は物語なんて所詮はウソの話とさんざんコキオロした後に自分の文学論を語り始めます。明石の姫の遊び相手をする夕霧雲居雁のことを想い出してブルーになります。そんな中、何も知らない内大臣は、夕顔が残した娘を本格的に探そうと決意します。



No.26 常夏(とこなつ) 光源氏36歳夏の物語(→補足


暑い夏の六条院、光源氏夕霧を訪ねてきた内大臣の息子たちと縁側で涼みながら、最近内大臣が引き取った近江の君(おうみのきみ)について雑談しました。近江の君は、内大臣が昔ある女性に産ませた娘で、内大臣が夕顔の娘を探していたところに名乗り出てきました。親孝行なやさしい一面を見せる一方、早口で礼儀作法を知らず、無意識なうちに非常識なトンデモ発言を連発する田舎娘でした。光源氏は夕霧に冗談でこの娘を勧めます。また玉鬘は、夕霧と雲居雁の一件で養父の光源氏と実父の内大臣が対立していることに悩みます。実は光源氏も内大臣も夕霧と雲居雁の仲を認めてもよいと思っているのですが、意地の張り合いで双方言い出せません。さて、内大臣はもてあまし気味の近江の君の教育を長女の弘徽殿に頼みました。弘徽殿がOKを出すと、近江の君は喜んで弘徽殿にお礼のメールを書きました。その文章の支離滅裂さと字の汚さに弘徽殿は先が思いやられるのでした。



No.27 篝火(かがりび) 光源氏36歳秋の物語(→補足


近江の君のおバカキャラが世間に定着してしまったのは内大臣のマネジメント不足という光源氏のコメントに共感する玉鬘は、光源氏に引き取られてラッキーと思い、次第に心を開き始めます。日が短くなってきた秋の初め、光源氏はかがり火をたいて玉鬘に琴のレッスンです。そしてレッスンの後は琴を枕にして添い寝します。ムード満点の演出の中、光源氏はクドキに入りますが、玉鬘はだまされません。そのとき、夕霧と内大臣の息子たちが奏でる音楽が聞こえてきます。光源氏は彼らを前に呼んで演奏させますが、玉鬘にラブラブな柏木は恥ずかしがって歌い出せませんでした。



No.28 野分(のわき) 光源氏36歳秋の物語(→補足


秋の台風の日、心配して六条院春の街の様子を見にきた夕霧は、桜のように美しい紫の上の姿を外から偶然のぞいてしまいます。そしてこの部屋に光源氏が現れると、夕霧はわざとらしく咳払いをして今来たかのように見せかけ、知らんぷりしてその場を立ち去ります。実は光源氏は、絶対に間違いが起らないよう、今まで夕霧には紫の上を一度も見せていなかったのです。翌日やや風がおさまると、光源氏は夕霧を従えて六条院の女性たちの様子を見に行きました。なお、夕霧のソワソワぶりから夕霧が紫の上を見てしまったことはもうバレバレです。秋好中宮明石の君を訪問した後、玉鬘を訪ねた二人ですが、外で控えながら中をのぞき見していた夕霧は、山吹のように美しい玉鬘と光源氏が親子とは思えない濃密なハグをかわすシーンを目撃し、ぶっとびました。最後に妹の明石の姫の様子を見に行った夕霧は、姫も他の女性に負けず劣らず藤の花にようにキレイなことに気がつくのでした。



No.29 行幸(みゆき) 光源氏36歳冬-37歳春の物語(→補足


12月、鷹狩りに大原野を訪れる冷泉帝の行列を見物していた玉鬘は、冷泉帝のイケメンぶりに胸ドキュンです。実の父の内大臣も初めて目にします。早速、冷泉帝の近くで働きたいと思い、光源氏から日頃勧められている冷泉帝の秘書室長をつとめることにしました。ただし、その前に成人式を済ませておかなければなりません。光源氏は、式で成人に礼服を着せる一番重要な役を内大臣にたのみますが、母の大宮の病気を理由になかなか会ってくれません。大宮のはからいでなんとか内大臣と会えた光源氏は、ついに玉鬘の秘密をカミングアウトします。その結果、二人は昔の友情を取り戻し、内大臣は涙を流して役を引き受けました。式が滞りなく済むと、コトの真相が世間にバレます。ここでアンニュイなのは、実は姉弟ではなかった夕霧と実は兄妹だった柏木です。また、同じ境遇の自分も秘書室長になりたいと無謀な高望みをする近江の君はブーイングを浴びるのでした。



No.30 藤袴(ふじばかま) 光源氏37歳秋の物語(→補足


就職の準備をする玉鬘ですが、秘書室長になると冷泉帝から愛されることも十分考えられます。その場合、帝の妻の秋好中宮弘徽殿から恨まれることになるのでイマイチ気が進みません。一方で、実の親子ではないことをカミングアウトした光源氏からのアタックも日々強くなってきています。そんな中、夕霧が光源氏の使いで玉鬘を訪れました。二人とも最近共通の祖母の大宮を亡くしたため喪服を着ています。事務的な用件を済ますと、夕霧はいきなり玉鬘に愛の告白をしますが、軽くあしらわれてしまいました。告白したことを後悔する夕霧は、光源氏に用件を報告をした後、最近悪い噂話が流れていることを知らせます。光源氏は、玉鬘を表向きは宮中で働かせておいて、裏では囲むつもりという噂話です。完璧にコンタンを見抜かれて内心ドッキリする光源氏ですが、そんなわけないと一笑にふすのでした。就職を前にした玉鬘にプロポーズが殺到します。



No.31 真木柱(まきばしら) 光源氏37歳冬-38歳冬の物語(→補足


なんと、玉鬘の召使とツルんでいた髭黒が、玉鬘と強引に契りを交わしてしまいました。光源氏は仕方なく二人の結婚を認めました。最もルックスが嫌いなタイプのマッチョマン髭黒と結ばれることになった玉鬘は、かなりヘコんでいます。さて、髭黒には式部卿宮の娘で紫の上の腹違いの姉妹にあたるノイローゼ気味の本妻がいました。ある日この本妻は、玉鬘だけに夢中な髭黒にブチ切れて灰をブチかけてしまいます。そして、式部卿宮も髭黒にブチ切れて本妻とその子供たちをひきとってしまいました。このとき、家に愛着があった長女の真木柱(まきばしら)はセンチになって柱の割れ目にレターを残して行きます。そんな中、玉鬘は秘書としての初仕事に宮廷に行きますが、冷泉帝に手をつけられるのが心配な髭黒は、病気を理由に玉鬘を強引に退出させ、六条院には帰さずに自宅に連れて行って監禁してしまいます。その年の冬、玉鬘は男の子を生むのでした。



No.32 梅枝(うめがえ) 光源氏39歳春の物語(→補足


11歳になった明石の姫は、一月に成人式を行った後に皇太子に嫁ぐことになっています。光源氏は式の引き出物や嫁入り道具の準備をします。成人式の前日、紅梅が咲く中、光源氏と六条院の女性たちは、それぞれ明石の姫のために調合したお香の出来ばえを競いました。蛍宮に審査を頼みましたが、結局どれも素晴らしい香りで勝負がつきませんでした。翌日、成人式が盛大に行われ、メインの儀式では秋好中宮が明石の姫に礼服を着せてくれました。ただ、身分の低い明石の君は式に出ることができませんでした。また、光源氏は、皇太子への嫁入りを遠慮している他家の姫たちに先を譲り、明石の姫の嫁入りを四月に延期しました。そのころ内大臣は、進展を見せない夕霧雲居雁の関係に悩んでいました。また、夕霧に縁談との噂にショックを受けた涙の雲居雁は、夕霧がくれたラブラブメールにネガティブな返事を書きました。何も知らない夕霧はキョトンとするのでした。



No.33 藤裏葉(ふじのうらば) 光源氏39歳春-冬の物語(→補足


三月、大宮の三回忌の法要で夕霧と打ち解けた内大臣は、四月初旬、自宅で行った藤の花観賞会に夕霧を招き、雲居雁との仲を認めました。その夜のうちに契りを交わした二人は、しばらくして想い出の大宮邸で新婚生活を始めることになります。四月下旬、明石の姫皇太子に嫁ぎました。宮廷で姫と行動をともにする後見人の役をつとめる養母の紫の上は、すぐにその役を実母の明石の君に譲ることにしました。後見人交代の時、紫の上と明石の君は初めて対面し、互いにリスペクトしながら親交を誓います。そして明石の君は、大堰での別れ以来8年ぶりに明石の姫と再会することができました。秋になると、光源氏は准太上天皇という皇位をもらい、皇族と肩を並べます。さらに冷泉帝が前帝の朱雀院とともに秋の紅葉シーズンに六条院を訪れます。太政大臣になった内大臣は、君こそスターだと光源氏を讃えます。こうして光源氏は、栄華の絶頂を迎えるのでした。



この後、源氏物語は、ややしっとりとした物語になります。