一瞬で読める源氏物語No.31 真木柱
No.31 真木柱（まきばしら） 光源氏37歳冬-38歳冬の物語
なんと、玉鬘の召使とツルんでいた髭黒が、玉鬘と強引に契りを交わしてしまいました。光源氏は仕方なく二人の結婚を認めました。最もルックスが嫌いなタイプのマッチョマン髭黒と結ばれることになった玉鬘は、かなりヘコんでいます。さて、髭黒には式部卿宮の娘で紫の上の腹違いの姉妹にあたるノイローゼ気味の本妻がいました。ある日この本妻は、玉鬘だけに夢中な髭黒にブチ切れて灰をブチかけてしまいます。そして、式部卿宮も髭黒にブチ切れて本妻とその子供たちをひきとってしまいました。このとき、家に愛着があった長女の真木柱（まきばしら）はセンチになって柱の割れ目にレターを残して行きます。そんな中、玉鬘は秘書としての初仕事に宮廷に行きますが、冷泉帝に手をつけられるのが心配な髭黒は、病気を理由に玉鬘を強引に退出させ、六条院には帰さずに自宅に連れて行って監禁してしまいます。その年の冬、玉鬘は男の子を生むのでした。
補足：この話で玉鬘十帖はお終いです。いろいろと楽しませてくれた玉鬘騒動でしたが、あっけなく電撃的な髭黒の速攻でケリがつきました。当時は、三夜連続で契りを交わすと結婚が成立するという習慣がありましたが、髭黒はそれを密かに実行しました。召使とツルまれたらどうしようもないですね。求婚者たちは、いろいろメール書いたり、作戦を立てたりしましたが、この髭黒の一撃で全部水の泡です（笑）。また光源氏や内大臣にしたら、せっかく苦労して成人式を行って玉鬘を就職させたわりには、たった1日、しかも早退で職歴が終わってしまいました（笑）。さらに読者にしても、玉鬘は一体誰のところに嫁ぐのだろう？とヤキモキしてる中での何の前触れもない結末でした。クイズ番組でいえば、10問目まで0点対90点で負けてるチームが、最後のボーナスクイズに正解して100点対90点で勝つようなエンディングです（笑）。さて、次回と次々回は第一部のクライマックスの二帖です。