[3]を採点し終わりました。

素点の合計で50点を合格点とし、あとは優3割良3割5部ルールに基づいて相対評価をします。と、言いましたが、実は80点以上が31.85パーセントでしたのでこの辺りは調整なしです。65点以上が70パーセントを超えましたので79点以下でで1点程度の下方調整をしています。

(3)の配点6、というのが多すぎたなぁと思いましたが、サービスですね。これは。もうちょっと何か尋ねればよかったと思います。

(5)では、「ad-bc=1であれば、基本変形によって標準形にすることができて、その形は{{1,0},{0,1}}に決まっているから」という答案がけっこうあったのですが、この場合の基本変形は「実数倍の加算」や「実数定数倍」も使っているので、「整数倍の加算だけでできる」理由としては不十分です。どのくらい違うか、という「基本変形による標準形」と「環上で単因子を求める」というくらい違うのです。

よくみたら(5)に「a,b,c,dは整数」と書かなったのですが「a,b,c,dが整数と書いていないので問題不成立」と書いた人はいなかったので、全員誤解がなかったものとみなします(気が付いている人はいましたが、好意的に解釈してくれていましたww)

(7)まで完答している人が1人いました!!88888888(この人は[1]~[2](3)も完答です。)

成績優秀者(下三桁で書いています。)
077 75点([3](7)に5点配点しました。) 
009 71点
075 71点
072 70点
でした。

プレテストを受けなかった人が2人いましたが、この人は期末試験の点数を10/7倍したのちに点数調整をしました。(2人とも合格しています。)

結局、不合格の人は2人でした。しかし、50点で合格、という人もいますので、そういう人は冬学期もう少し頑張ってください。

facebook,twitter,LINEで個人的に素点の問い合わせを受けます。(ただし、問い合わせが殺到することが予想されるのと、今日(7日)これから外出しますので、返事は遅れます。)問い合わせについては下4桁と名前を必ずお知らせください。
[3]は配点35点ですが、(7)を回答しているひとがいないようなので、(6)までで

(1) 6点
完答のみ正解
(2) 6点
完答のみ正解
(3) 6点
整数倍の加算です。完答のみ正解
(4) 6点
まだ見てないですが、たぶん完答のみ正解
(5) 5点
ユークリッドの互除法のことを指摘していればだいたいOKです。最初にどこかの行か列を全部正にして始めるのがうまいやり方です。
(6) 6点
これはF(i-1)でいえていることを使ってF(i)の場合をいえばいいので、分数の計算が書かれているかどうかを採点します。(1)~(5)とは独立に採点します。

(7)は、「ファレイ列の隣接する2数から作られる行列がad-bc=1を満たす」ことが(6)からわかり、「ファレイ列にファレイ和を追加する」ことが「右からAやBをかけること」に相当することを見破れば、あとは(5)の結果から直ちに結論がでます。(気がつかない?)
期末試験(http://ameblo.jp/kazuaha63/entry-11920219636.html)の採点も山場ですな。さて、やっと[2]の採点が終わりました。

平均点は 12.00 / 20 でした。これもなかなかだと思います。

(2)では回転の方向によっていろいろな軸があり得ます。(4通りありうる)そのどれを書いても正解です。(「1回の回転である。その軸と回転角を求めよ」とかいう問題にすればよかったなぁと思っています。)

(3)を完答しているひとも数名ですがいました。Sがどういう集合なのかを何となくわかることも大切なので、その部分に5点出しているわけですが、本当にSがそのような集合であるか(想定できるもの以外にないこと)をきちんと論証するのは少し手間がかかります。方法は大まかに言って3つあって、

(1)立方体の頂点が立方体の頂点に移ることから、立方体の面は立方体の面へ移される。このことから、回転や面対称の組み合わせで得られる。(ここまでわかっているのなら、(4)もできるのになぁと思ってみていました。)
(2)まず、Sの要素が有限個であることを占める。そうすると、Sの要素を繰り返し行うとどこかで自分に戻らなければいけないので行列式は±1しかありえない。
(3)成分をきちんと調べるとSに属する行列の成分は-1,0,1しかありえず、さらに丁寧に調べると、各行・各列に0が2回あらわれることがわかる。

という感じです。どれも立派な回答です。(4)について意味のある回答をしている人が2人いました。ボーナス点で加点しました。

クラス別の平均点は今回は出しませんが、明らかに5組がいいです。

ここまで採点して、あとは大きな[3]が残っているわけですが、[3]は(1)(2)(3)で18点の予定で、ここは大体の人ができていることを考えると、たぶん不可がつく(素点50点未満)のは5人くらいではないかとおもいます。受講生が135人いることを考えると立派な出来だと思います。
秋の夜長をどのように過ごそうか、とかぼんやり考えならがら8月31日放送の将棋(NHK杯)のビデオで糸谷さんの奇声(http://kishikawa.doorblog.jp/tag/%E7%B3%B8%E8%B0%B7%E5%93%B2%E9%83%8E)を楽しんでいたのですが、少しでも採点を進めておこうという気になりました。

[2] は (1) 6点、
Rx に3点、正則であることに1点、Sを保つことに2点
(2) 6点、 
Ryに2点、RxRy..に2点、「x=y=zに関する120度回転」が想定解ですが、もちろんいくつかの回転写像の合成であるわけなので、そのように答えてもいいわけですが、合成で説明しているものは1点減点しようかと思います。
(3) 8点
「各列・各行に±1が1回ずつあらわれる行列」「回転や面対称の合成」のようなことが書いてあれば5点。(回転だけだとすべてを尽くしていないので4点とします。)その理由が述べられていれば3点とします。
(Sに属する行列は、1辺2の立方体の体積を変えないので、その行列式は±1、という解答はOKです。)
(Sに属する行列の成分が整数になることを自明に用いて説明しているものはダメです。理由が必要です。)
(3)を完投しておりかつ(4)に意味のあることが書いてあれば、ボーナスポイントを付けることにします。

期末試験(http://ameblo.jp/kazuaha63/entry-11920219636.html)を採点中。[1]まで採点終了。残りは明日行います。

平均点は 9.47 / 15 です。そんなに悪くないですね。

(1)は難しい質問のように感じられるかもしれないですが、「対角行列の行列式は対角成分の積である」という定理の証明を講義で丁寧にしていることと、2を法とすれば対角行列となっていることから、これを結び付けられればよかったわけです。これは結構できてました。(2) は余因子行列だと答えを言っているわけですから「0が偶数であること」に気が付くか、(3)は「整数の積が奇数であれば、奇数×奇数しかない」ということを思いつけるかどうかにかかっています。実際に多くの人が思いつけました。このことは「知識やパターンマッチングで解くばかりが数学ではない」ことの表れでもあります。


ところで、ざっと見た感じですが、[2](4) と[3](7)を回答している人はほとんどいないようです。(いても一人か二人?)数学っぽい問題だったんですけどねぇ。この2つを無採点にしようかな、と思います。