おばあちゃん子は怪我をしにくい
親が働いている家庭では、子供の世話を祖父母に任せることで、子供の怪我のリスクを半減できることがわかったと、ジョンホプキンス大学公衆衛生学部のDavid Bishai教授らはPediatrics(2008;122:e980~987)に発表しました。
祖父母による世話が子供の怪我を減らす
この研究は祖父母による子供の世話と幼少期の傷害発生率との関連を調べた初の研究です。教授らはNational Evaluation of the Healthy Step for Young Children Program から収集されたデータを分析しました。
このデータは1996年~97年に米国の15都市で登録され、30~33ヶ月追跡された5,500例以上の新生児に関する情報が含まれています。このうち3,449例を分析対象としました。母親が報告した保育に関するデータは、子供の受診データとリンクされており、治療が行われた傷害を確認することができます。
その結果、デイケア施設での保育または母親か他の家族が行う世話と比較すると、子供の世話を祖母に任せることで、怪我のリスクが減少することがわかりました。
だれが世話をするかだけではなく家族構成とけがの起こりやすさとの関連性についても検討されました。
両親のもとで育った子供は怪我が少ない
その結果、誕生後も親が離婚することなく、両親のもとで育てられた子供に比べて、未婚の母親から生まれた子供では傷害が起こる割合が高く、同様に父親が同居していない家庭の子供でも上昇しました。これらの相関性は家族の収入とは無関係でした。
おばあちゃんにまかせて安心!
教授は「近年、孫の世話をする祖父母が増えていますが、親のなかにはおじいちゃん、おばあさんが最新の保育法に基づいて世話をしていないことを心配するひともいますが、一般の予想に反してこのような憶測を支持する根拠はなく、実際、祖父母に子供の世話を任せる家庭の方が、怪我が少ない」と話しています。
米国では傷害は小児における死因の第1位であり、そのリスクと予防因子の特定を継続的に行うことが必要であり、祖父母の世話が子供のけがの予防につながるのは、祖父母の資質にかかわる可能性もあることから、家族が子供の世話に当る家族をどのように選んでいるのか、また祖父母の世話の仕方が実際はどのようなものなのかを引き続き研究を行うべきだとしています。
やはりおばあちゃんの知恵は人類が発展していく上で大切なものなのですね。 おばあちゃん仮説