私は普段、アジア圏以外の海外ドラマを色々とみています。どの作品を見ても、キャスティングが実に多様で、人種や性別がバランスよく配置されているのが印象的です。
2000年代の海外ドラマは、人種を均等にする配慮が多かった気がしますが、最近の定番は女性の上司か黒人の上司というパターンが多く、部下が男女比率、人種比率が均等になるように配慮されているように思えます。
例えば今見ている「The Rookie」というLAの警察ドラマは、上司黒人男性、他メインキャストは白人、黒人、アジア系、ヒスパニック系と人種のバランスも本当に配慮されており、主人公の同僚にはゲイもいます。
これの前に見ていたドラマも、人種構成は均等で、かつ主人公はレズビアンでした。
これって、いわゆる「ポリコレ」の影響なのかな?と思いつつ、私自身はポリコレに対して中立的な立場です。でも、そもそも「ポリコレ」って一体何なのか、ふと疑問に思い、調べてみました。
ポリコレって本当は何?
私も含め、何となく皆さん「ポリコレ」って言葉、使っていませんでしょうか?LGBTと何が違うんだろうと思ったことありませんか?
そこでまずはポリコレの定義を調べてみました。
「ポリコレ」は「ポリティカル・コレクトネス(Political Correctness)」の略称です。これは、差別や偏見をなくし、すべての人々が平等に尊重される社会を目指すための考え方や言葉遣いを指します。具体的には、人種、性別、年齢、障がいの有無などに基づく差別的な表現を排除し、中立的で公正な表現を用いることを目的としています。
ポリコレとLGBTは何が違うの?
ではLGBTとはどういう提議なんでしょうか?
LGBTは、レズビアン(Lesbian)、ゲイ(Gay)、バイセクシュアル(Bisexual)、トランスジェンダー(Transgender)の頭文字を取った略称で、性的指向や性自認に関する多様性を表現する用語です。LGBTの人々は、性別や性的指向に基づく差別や偏見に直面することが多く、その権利を守るための運動が行われています。
ポリコレとLGBTの違う所
ポリコレは広範な概念であり、人種、性別、年齢、障がいなど、あらゆる差別や偏見を排除するための運動です。対して、LGBTは、性的指向や性自認に関する特定のグループを指し、その権利を守るための運動です。
ポリコレとLGBTの共通点は?
ポリコレの一環として、LGBTの人々に対する差別的な表現や行動を排除することが含まれます。例えば、トランスジェンダーの人々を正しい性別で呼ぶことや、LGBTの人々に対する偏見をなくすための教育や啓発活動が行われています。
このように、ポリコレはLGBTを含む広範な差別や偏見に対する対策を含む概念であり、両者は密接に関連していますが、カバーする範囲が異なる点が特徴です。
ポリコレの歴史 -海外-
ポリコレの概念は1900年代のアメリカで登場しました。アングロ・サクソン系プロテスタントの白人とマイノリティとの衝突が激化する中で、人権意識の高まりとともに、差別的な呼称や表現を見直す動きが始まりました。例えば、先住民族を「インディアン」から「ネイティブ・アメリカン」と呼ぶようになったのもその一環です。
ポリコレの歴史 -日本-
日本でもポリコレの概念は徐々に浸透してきました。例えば、職業における性差別をなくすために「看護婦」が「看護師」に変更されたり、報道において子どもに使う敬称が「くん」や「ちゃん」から「さん」に統一される例が増えました。
日本におけるポリコレの具体例
性別表現
「看護婦」から「看護師」
「スチュワーデス」から「客室乗務員」
「保母」から「保育士」
人種表現
「はだいろ」から「うすだいだい」
ポリコレの影響と問題
ポリコレは社会的な信頼の醸成や企業価値の向上に寄与する一方で、過度に行き過ぎると「ポリコレ棒」として批判されることがあります。これは、過剰なポリコレ意識が言論の自由を制限したり、社会的な息苦しさを生むことがあるためです。
アメリカでは「ポリコレ疲れ」と呼ばれる現象が起き、トランプ大統領のようなポリコレを無視する政治家への支持が高まる結果となりました。
まとめ
何となく使っていたLGBTとポリコレ、定義を調べて、やっとしっかり理解できました。
意外な気づきになったのは、調べている最中にでてきた、トランプ元大統領の台頭の背景です。ポリコレも関係あったんですね。少数派、マイノリティに過剰に配慮するのにアメリカ人は疲れていたんですね。
2024年の次期大統領選の支持率でトランプ元大統領は44%(この日記を書いている時点で)を獲得しており、この支持層に反ポリコレの人たちがいるんですね。
日本でもこのポリコレの流れは確実に強まってきている印象を受けますが、息苦しさを感じることがないように、お互いを尊重できたらいいと思います。