先日、名古屋にある味仙と言う台湾料理屋に訪問した。
WTAファイナルズでの健闘を讃え、大坂なおみを食事に連れて行ったのだが、辛いモノが食べたいと言う彼女。
私行きつけの高級焼鳥「鳥貴族」を押さえていたのだが、あいにく鳥貴族には辛いメニューは不足している。
ならばと味仙まで足を伸ばした次第だ。
賢明なる読者諸氏は御存知の事であろうが、味仙と言うのは名古屋名物の台湾料理屋であり、特に看板メニューの“名古屋名物台湾ラーメンアメリカン”は、出鼻から「名古屋名物じゃねえ!」とラジカルに叫んでしまうグローバルさではある。
名古屋名物、台湾ラーメン↓
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黒人 vs 中国人 vs 私↓
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ご当地ラーメン↓
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韓国料理 vs 名古屋名物↓
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孤高とデタラメの名古屋めし↓
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行きたくない名古屋 vs 勘違いかとぅ↓
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新幹線無差別殺傷事件 vs 決意のかとぅ24↓
https://ameblo.jp/katoo-the-world/entry-12383344565.html
当ブログに於いても味仙はかなりコスられたネタでは有るが、それ程に衝撃的な店である。
先ず、江戸時代後期の長崎は出島を彷彿とさせる治外法権、絶対不可侵の領域であり、店舗内では日本の常識のみならず、日本国憲法すら適応されない。
ソレは是迄幾度と無く来店している私クラスの上客であっても、毎度痛感させられる洗礼である。
台湾料理の名の通り、此処味仙は全ての店員が台湾人であり、日本語もままならないし、日本式の接客サービスなど皆無だ。
映画「少林サッカー」に於けるヒロイン、ムイが働くまんじゅう屋の女店主か、お笑い芸人次長課長河本演ずる「お前に食わせるタンメンはネェ!」が、30人体制で待ち構える伏魔殿。
日本最高峰のババア店員を擁する門前仲町「魚三酒場」に勝るとも劣らない店員力に、さしもの私も入店前よりアウェイ状態。
当たり前だ、私はこれから台湾に行くのだ。
台湾は親日国家と聞いていたが、此方に都合の良い幻想だったのか。
開店前に行列が出来てはいたが、広い店内の為、待つ事無く入店。
しかし、入店後5分経っても店員が来る気配は皆無。
かとぅ「す、すみませ~ん」
女店員「アッ!?ジュンバンネ!」
コレは、もう駄目だ。
凄い勢いで威嚇されてしまった、順番て…。
完全に出鼻を挫かれた。
その後、10分経ってもその店員は私のテーブルに来る事は無かった。
かとぅ「あ、あのぅ...」
女店員「ア!?マダカ?」
「ア!?」止めてもらえませんか、物凄く怖いので…。
そして、マダカ?...。
どうやらこの店員、私が注文するのを待っていた様だ。
さしもの私にも、悪いがこの発想は無かった、ジュンバン言っただろが。
注文に関してだが、辛いモノが食べたいと言うならば、大坂なおみにはやはり、台湾ラーメンにチャレンジして頂きたい。
実はこの台湾ラーメンだが、裏メニュー含め3種類の味が存在する。
名古屋名物台湾ラーメンアメリカン(中辛)
↓
名古屋名物台湾ラーメン(大辛)
↓
名古屋名物台湾ラーメンイタリアン(激辛)
辛さの濃度はコーヒーになぞられているのだろう。
そして、未確認情報によれば、イタリアンのそのまた上を行く、幻の「激辛SSR」が存在するとも聞く。
まあ、そんなSSRは都市伝説的なモノであろうから置いておくとして、「辛いモノが食べたい」とは言っていたモノの、大坂なおみにとって初の味仙である。
余り無茶な事は出来まい。
彼女には通常の名古屋名物台湾ラーメンを。
それでも余りの激辛に彼女が怒りのドライヴサーブを打ち付ける危険性を考慮して、私はチャーハンを注文し、仮に彼女が褐色の肌を真っ赤にして激怒した際、即チャーハンにスイッチ出来る様、万全のスタンバイを整える。
かとぅ「あ、台湾ラーメンの...」
女店員「タイワンラーメン?アメリカン?イタリアン?アフリカン?」
矢継ぎ早に繰り出される店員からの注文確認の中に、謎の言葉が...。
アフリカン。
そうだった...。
幻の激辛SSR、その名も「名古屋名物台湾ラーメンアフリカン(激辛SSR)」であった。
「ヤレンノカ?」とでも言いたげに、顎を上げて此方を伺う女店員。
どう見ても17、8歳の小娘に、舐められて溜まるか!
かとぅ「た、台湾ラーメン普通のと、あと、アフリカン!」
フンッ!と鼻息を鳴らし、去って行く小娘を後目に、私は頭を抱えていた。
やってしまった...。
以前、イタリアンの激辛に轟沈した画像がSNS上に流出し、不能大統領かとぅ、Katoo the お子ちゃマン、トンデモない馬鹿野郎かとぅ、挙句の果てに「馬鹿!不潔!退社して下さい!」と迄、ホワイトハウスの女性スタッフに言われる始末の私であったが、そんな私がアフリカンに挑める権利など無い。
それなのに、たかが17、8歳の小娘に依る挑発行為にまんまと乗せられ、期せずして名古屋名物台湾ラーメンアフリカン(激辛SSR)と対峙する事となってしまった。
「ええい、どうなっても知らんぞ~ッ!」と、一気に超サイヤ人ゴッド超サイヤ人に覚醒し、来るべき決死戦に備える。
はなから勝とうなどとは思っていない。
せめて、前を向いて倒れたいモノだ。
女店員「オマタセ、イタシマシタ。タイワンラーメンフチュノトアフリカン」
おおぅ、コレは...。
激辛ラーメンとして名を馳せた名古屋名物台湾ラーメンの中でも最上級の激辛SSRを誇る「名古屋名物台湾ラーメンアフリカン」が、我が眼前に立ちはだかる。
小ぶりな丼に真っ赤なスープ、赤唐辛子と挽肉と炒めた台湾ミンチに目が痛い。
何とも芳ばしい香りに噎せ返りそうになるが、それ程にソソられるのも事実。
意を決してアフリカンに飛び込むッ!
スープを一口含み、麺をレンゲに纏め口に運ぶ。
「激辛に対峙する時、決してソレを啜ってはならない」
かの哲学者ニーチェの言葉を胸に、激闘は幕を切って落とされた。
ムウッ、辛いッ。
しかし、コレが、美味いッ。
辛味の奥にある醤油のコクとニンニクの風味、ラー油の香ばしさが、混然一体となるッ!
しかし何故だろう?
私の味覚を遥かに超えてしまった辛さなのだろうか?
然程、辛く無いのだ。
辛さを通り越すと、この様な境地に至るのか...。
私はTBS系「クレイジージャーニー」に出演した、金峯山寺1300年の歴史の中で50%の生還率と恐れられる仏教最難関の荒行「千日回峰行」を達成した2人目の大阿闍梨である塩沼亮潤をボンヤリと思い起こしていた。
遂に私も、その領域に来たか...。
「ブホッ!ゲホーッ!ブフォゲホーッ!」
...!!
ニルヴァーナの境地から引き戻され我に返ると、眼前の大坂なおみが褐色の肌を真っ赤に染めて悶え苦しんでいる。
「ガ、ガライィ...」
目は真っ赤に充血し、次第に土気色になり、生気が失われる。
コレは事だ!
思わず彼女の前のラーメンに手を伸ばし、スープを含む。
...!?
殴られたかと思った。
余りの衝撃に周囲の音が聞こえない。
間違いない、此方だ。
此れこそが、「名古屋名物台湾ラーメンアフリカン」であった。
先の店員が間違えたのだ。
私に通常バージョンの台湾ラーメン、大坂なおみにアフリカンを供したのだった。
何たる仕打ちか!
しかし、「た、台湾ラーメン普通のと、あと、アフリカン!」と2品注文したのは私なので、明確に何方が何方と言う判別は付くまい。
こうなってしまうと店員は間違ってはいないと、認めざるを得まい。
ただ、分かるだろ!
激辛SSRたる「アフリカン」を女性に供するかね!?
日本男子たる私であろうが!
小娘店員の采配により、既に大坂なおみのゾンビ化は始まっている。
死後硬直によりピクリとも動かないのであった。
氷を口に含み、何とか冷静を取り戻しつつある私が、纏まらぬ思考の中で思ったのは、「しかし、大坂なおみにアフリカンを提供してしまうのも、無理は無い」と言う事であった。
しかし、大坂なおみはハイチ系アメリカ人と北海道根室市出身の日本人とのハーフである日本人である事は憶えておきたまえ。
彼女は断じてアフリカンでは無いし、何方かと言えばアメリカンである。
まあ、私も初めて大坂なおみを拝見した際、「コイッア、ケンブリッジ飛鳥どころの騒ぎでは無い」と激しく動揺したのだった。
かとぅ