空間求積の基本姿勢(東京大学1987年理系数学第4問) | 受験で実力を得点に変えよう(家庭教師の心がけ)

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家庭教師歴約25年。医学部東大など難関大学受験生中心に教えてきました。ちょっとした工夫でケアレスミスを防ぎ実力が点数に反映させる実践的方法や受験生の質問の多かったポイントや過去問などのブログにする予定です。ご連絡あればkatekyo424-public@yahoo.co.jpまで。

もうすぐ国立の本番ですね。東大は空間求積のキツいの出してくるんでしょうか? こちらのブログで紹介されている現代数学社の「変数と図形表現」からの引用させていただく(大丈夫なのかな?もし問題あればご一報いただければすぐに消します)と、この中に東大で空間求積が頻出する理由のヒントがあります。

 

 

「数学の得意な人は数式をみて頭にイメージできる図が豊か」

 

まあ、そりゃそうだろって感じですよね。ですが、実はその前に含蓄のある表現があります。

 

 

「数式を扱う際に、変数の情報伝達という観点で同値変形している」

 

僕がこの言葉の意味を本当に理解できているかはなんとも言えませんが、それを書くと記事がえらいことになるので、この言葉に興味のわいた受験直前期以外の方は、お時間許す時に是非本書を本屋さんで手にとってみてください。旧課程の行列や線形代数のさわりに踏み込んでいるので、手放しでお勧めしづらいところもありますが、書き手の熱量を感じる良書です。

 

 

そんなわけで、こちらのコメントのリクエストに答えさせていただくのとあわせ、今年の東大受験生、未来の東大受験生への応援のつもりで(大げさかな?)1987年の東大の理系数学の第4問を解いて、空間求積へのアプローチの基本姿勢をまとめてみました。

 

 

入試問題を解くときは、結構適当に手抜きしていますが、少し真面目に解いたつもりです。ベクトルや不等号の略記は学校で習ったやつに読み替えてもらえると助かります。今となっては難問ではないと思いますが、超良問です。

 

 

 注↑( )の部分はΔV(x)をx〜x+Δx区間の最大半径Rmaxと最小半径Rminを用いて、(^2は二乗をあらわす)


πRmin^2≦【ΔV(x)/Δx】≦πRmax^2

Δx→0において

Rmax→r,Rmin→r

からはさみうちの原理を使って

【dV/dx】=πr^2


と書く方がより正確です。


あとは時間とスペースとのバランスでしょうか?「まあこれくらい書けば十分だろう」と個人的に考えているだけのラインですので、気になる方はちゃんとはさみうちの原理使って書く方が良いと思います。この問題はx軸回転なのでやる必要ないですが、難問の時と同じ手順をあえて踏みたかったので一応です。



さて、ここからアプローチの基本姿勢です。最初の問題文を読んで、こちらに書いたことをふまえ、yを文字定数とみるタイミングと変数とみるタイミングを決めます。

 

1.放物線のz軸対称より、xz平面対称のyを選んで回転させるとと同じ回転体になる

2.yを固定すれば回転一葉双曲面の問題

 

の2点から、図形?ベクトル?座標?のうち、直線と放物線を同時に扱いやすいベクトルを選びます。

 

 

あとは直線のベクトル方程式で、tという媒介変数(上ではうっかりパラメーターって書いちゃいました)を利用し、求める立体の微小部分を探します。

 

 

この時に

 

1.t=1-xを代入してr=f(x)で攻める

2.Δtをメインに考えて、r=f(t)のまま攻める

3.Δxを考えてx=1-tで置換積分したふりで解く

 

の3択が定番ですが、この場合

 

1.→計算がだるい(機械的にできるのが長所)

2.→計算は楽だがΔtをイメージしたときにΔtの正負考えたり色々脳の負荷が大きい(状況にもよるが、45度方向の回転とかならこれでやることもある)

3.→1と2の中間(dxのところでr(x),dtのところでr(t)と考えて戻すイメージです)

 

の特色をふまえ、ちょっとでも無駄な計算したくないのと置換積分のやりやすさから3を選びました。(注にも書きましたが、定番の形の場合微小体積の証明部分は不要です。)

 

 

ここまでくれば体積は積分するだけです。冒頭からここまでずっとyは文字定数です(ほぼ数字数字と思ってる)



この後最小値を求めるわけですが、ここまでで計算ミスをしていて最小値を処理すると全て無駄な計算になり悲惨です。僕はこちらに書いたのと同様時間とのバランスを考えて以下の


y→-yにしても同じ値

y=0の時の回転体が円柱というのに目をつけてπになってるか

 

の2点だけ確認して多分大丈夫だろうということで後半にとりかかりました。



範囲を求めよという状況をむかえて、ついにyを変数に戻します。この形なら微分してもいいですし、u≧0に気をつけながら置き換えて二次関数で処理してもいいと思います。微分の場合ちゃんと書くなら増減表書くんですが、スペースの都合もあり後者を選んだだけです。(お勧めはしませんが、こちらにあるようにVを固定してyの存在条件を追求してもできます。)

 

 

いかがでしょうか?逆像法の記事を読んでいただけた方なら伝わるかもしれませんが、誤解を恐れずはっきり書くと

 

 

「数学は文字を変数とみたり定数とみたりできて、いろんな範囲の基本問題が完璧なら、大抵の応用問題は解ける」

 

といっても過言ではないのかもしれません(実は置換積分の時も積分範囲に文字消去の存在条件が反映しています)。少なくともこの状態までいけば、あとは努力しただけ点数になるのは間違いないと思います^_^

 

 

読んでいただけた方の健闘かげながら祈っています!

 

 

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