森羅万象から学ぶ人生羅針盤「やっぱり酒は万病の元」
イギリスの哲学者バートランド・ラッセルは、「酒は一時的な自殺である。飲酒がもたらす幸福は、単に消極的なもので、不幸の一時的な中絶にすぎない」と述べています。
少し前に、「酒席を有効利用する」として、コミュニケーションツールとしてのお酒は有効ですが、生活習慣としての飲酒は、心身の健康面や問題解決手段としては何の意味もなく、むしろ百害あって一利なしかもしれません。
「不幸の一時的な中絶」などは象徴的な言葉です。何か問題に直面して、その辛さから逃れるためにお酒に逃げる人はたくさんいますが、お酒が覚めれば何も物事が解決しているわけではなく、それどころかモタモタしている間に、悪い方向にどんどん向かっているのが現実です。
かの兼好法師も、「酒は百薬の長といえども、万(よろず)の病は酒よりこそ起これ」と指摘しています。よく考えてみれば、お酒ほど様々な内臓に大きな負担を掛ける飲み物はありません。食道からはじまり胃、膵臓、十二指腸、肝臓、胆嚢、小腸、大腸、腎臓、直腸、肛門に大きな負担を掛けます。
さらに酔うという行為自体、間違いなく脳にダメージを与えています。毎日飲酒している人とそうでない人を60歳の時点でその脳を比較してみると、飲酒している人の方が20%も委縮しているというイギリスの研究結果も出ております。
飲酒がもたらす代表的な病気は糖尿病ですが、これは多種多様な余病を併発し決して治るものではなく、一生付き合っていかざるを得ない病気です。毒も少量なら薬になりますが、酒という毒を少量に抑えられる人は少なく、ついつい飲み過ぎてしまうのです。
有名人が病で亡くなった場合、大抵お酒が直接か、もしくは遠因しています。改めて酒は万病の元であることを強く認識してください。