太陽系外縁天体の特性、未知の惑星で説明 | 宇宙とブラックホールのQ&A

宇宙とブラックホールのQ&A

2019年6月6日にYahoo!ブログから引っ越してきました。よろしくお願いします。

 アストロアーツ8月31日付記事、元は近畿大学です。

 太陽系外縁天体の特性、未知の惑星で説明 - アストロアーツ (astroarts.co.jp)

 

 概要>地球よりやや重く、軌道が30度傾いた未知の惑星が、海王星の10倍程度遠くに存在すれば、太陽系外縁天体の軌道の特性を説明できることがシミュレーションで示された。

 

 >現在、太陽系で見つかっている惑星は8個だが、この数が約45億年前の太陽系形成時から同じだったかは定かではない。現在最遠の惑星とされる海王星の外側には、多数の小天体が集まったエッジワース・カイパーベルト(または単にカイパーベルト)と呼ばれる領域があるが、その形成過程に未知の惑星が関わった可能性がある。そして、その惑星は現在もカイパーベルトの彼方に潜んでいるかもしれない。

 

 それまで太陽系第9惑星だった冥王星が「格下げ」になったのは、2006年8月の国際天文学連合(IAU)の決議によるものです。

 冥王星は現在は準惑星(dwarf planet)とされます。

 

 ここでアストロアーツ掲載の上の画像をご覧ください。

 太陽系外縁部に存在する可能性がある未発見の惑星の想像図とのことです。

 私にはブドウかスモモの一種のように見えるのですが、天文より食い気が優っていますね(^^;

 

 >近畿大学のPatryk Sofia Lykawkaさんたちの研究チームは、太陽系の形成直後から未知の惑星が存在すると仮定したシミュレーションにより、太陽系外縁天体の特性を説明しようと試みた。

 

 Patryk Sofia Lykawkaさんのお名前は、パトリック・ソフィア・リカフィカさんとお読みします。

 履歴書は次の通り。

 Patryk-CV_J.pdf - Google ドライブ

 年齢、出身国は不明です。

 大学院修士課程からは日本の神戸大学で学んでこられたようです。

 日本で20年以上研究・生活してこられたので、日本語は堪能でしょう。

 太陽系論の専門家ですね。

 

 >海王星より遠方にある天体(TNO;Trans-Neptunian Objects)は、以下の4つの集団に分けることができる。

 ・その天体と海王星の公転周期が1:2や2:3などの簡単な整数比になる「平均運動共鳴」の位置に捕獲された、始原的であり安定した「共鳴TNO」

 ・海王星の重力の影響が及ばない位置に軌道を持ち、近日点距離(太陽に最も近づいた時の距離)が60億km(40天文単位)を超える「離脱TNO」

 ・45度以上の高い軌道傾斜角を持つTNOの集団

 ・太陽系外縁天体の一つである「セドナ」のように、説明の難しい特異な軌道を持つ極端なTNOの集団

 

 TNO(Trans-Neptunian Objects)は、漢字にすれば「海王星以遠天体」となります。

 でも、日本語の正式名称は「太陽系外縁天体」なのですね。

 それが次の4つのグループに分けられるというわけです。

 「共鳴TNO」、「離脱TNO」、「軌道傾斜角の大きいTNO」、「特異な軌道のTNO」

 

 >シミュレーションの結果、質量が地球の1.5~3倍、太陽からの距離が約300~750億km(または約300~1200億km)で、軌道が30度傾いた惑星があれば、こうした特性が説明できることが示された。

 

 300~750億kmは、天文単位に直すと 200~500 au です。

 海王星が太陽から約 30 au なので、一桁も遠いことになります。

 質量が地球の1.5~3倍とのことですが、海王星の質量は地球の約17倍です。

 冥王星のような準惑星レベルではなく、ちゃんとした惑星ではありますが、距離を考えると発見は相当困難でしょう。

 

 >今回の研究からは、未知の惑星に加え、太陽から150億km以上離れた位置に近日点距離が大きい、もしくは大きな軌道傾斜角を持つ未知のTNOが存在し得ることも示唆される。そのようなTNOの集団は、カイパーベルト惑星の存在を観測的に検証する際の指標となりそうだ。

 

 150億kmは、100 au となります。

 近日点距離が大きいTNOなので、こちらも発見は困難かもしれません。

 

 >「太陽系の惑星数、惑星の定義、太陽系史における地球の位置づけ、そして太陽系内の仮説上新惑星の存在は、常に人類を魅了してきました。今回の研究から、太陽系に未発見の惑星および未知のカイパーベルト天体の存在が予想されたことで、望遠鏡を用いた国内外の観測調査が促進されると期待できます」(Lykawkaさん)。

 

 ここで、アストロアーツ掲載の下の画像をご覧ください。

 遠方に存在するカイパーベルトの軌道構造で、最初が上から見た軌道、次が横から見た軌道です。

 青が離脱TNO、緑が高い軌道傾斜角を持つTNO、黄が極端なTNO、白が海王星との安定した共鳴にあるTNOを含む他のTNO、赤が今回予想された未知の惑星となります。

 クリックしても拡大しません。

 

 最後に、Lykawkaさんについて追加情報を。

 このブログの2008年の記事に彼の名前が登場しています。

 神戸大学チーム、第9惑星を予言! | 宇宙とブラックホールのQ&A (ameblo.jp)

 当時31歳だったので、今は46歳前後のはず。

 ただ、この記事でも出身国は不明です。

 また、今年4月の記事にもお名前が出てきます。

 木星と土星の共鳴で地球型惑星と小惑星帯形成を説明 | 宇宙とブラックホールのQ&A (ameblo.jp)

 

 

 ★ ようやく秋らしい気温に下がってきました。でも、暑がりの私はまだ半そでで過ごしています。

 

 ★★ 今日のロジバン 不思議の国のアリス101

   ni’o .o’o cu’i xamgu fa lo nu cusku «lu ko mi pinxe li’u» .i ku’i la .alis. noi prije cu na ba zi zukte la’e ba’e diu

  [新段落] 「私を飲んでね」はまあいいでしょう。でも、賢いアリスは、そんなことをすぐにするようなことはしません。

 .o’ocu’i : 辛抱。積極的に許容はしないが辛抱はしておくという気持ち。心態詞(純粋感情)UI*1類

 xamgu : 良い/好ましい,x1は x2にとって x3(基準)で。-xag-, -xau-

 prije : 賢い,x1は x2(事)に関して x3(基準)において。-pij-

 zukte : 行為/実行する,x1は x2(行動内容)を x3(目的/目標)のために。-zuk-, -zu’e-

 la’e : ~の指示対象。’sumtiの前に付いてその指示対象を引き出す。限定詞LAhE類

 ba’e : 強調。次に来る語を強調する。BAhE類

 di’u : いま言ったこと。代項詞KOhA2類

 

 .i で分かれる2つの文からなります。

 最初の文の主述語は xamgu で、そのx1は { fa lo nu cusku «lu ko mi pinxe li'u» } です。

 2番目の文の主述語は { cu na ba zi zukte } 「すぐにはしない」で、そのx1は { la .alis } 、x2は { la’e ba’e diu } 「今言ったまさにそのこと」です。

 { la’e di’u } で「今言ったこと」ですが、もし la’e がないと話された内容ではなくその言語音声や文字列を指すことになります。

 出典は、

 lo selfri be la .alis. bei bu'u la selmacygu'e (lojban.org)