先日、たまたま魚に関する英単語の話をしていたんです。
ドイツから見て、北海を挟んで向こうにイギリスがある訳ですが…
英語とドイツ語で共通の名前なんだろうか?という話になったんですね。
と言うことで、まずは英単語を一度リストアップしてみました。
北海やバルト海近海で馴染みのある魚を、川魚も含めて出してみました。
ドイツ語だと…
(e) Makrele:サバ・アジ
(e) Sardine:イワシ
(r) Thunfisch:マグロ
(r) Herring:ニシン
(r) Kabeljau:タラ
(r) Lachs:サケ
(e) Forelle:マス
英語だと…
Mackerel:アジ・マス
Sardine:イワシ
Tuna:マグロ
Herring:ニシン
Cod:タラ
Salmon:サケ
Trout:マス
北海・バルト海で繋がっているから、ゲルマン語系で共通かと言われると、違うんですね。
サケCod・Salmon・Troutというのが、ラテン語からの単語なんです。
ゲルマン系の言語をいくらか調べてみましたが、ドイツ語の単語、(r)Kabeljau・(r)Lachs・(e)Forelleと似た単語が使われています。
英語だとよくある話が、魚でもあるんだな、と思ったんです。
というのが…
ゲルマン系の言語なのに、フランス語由来の単語が英語には多く入ってきているんです。
それもあって、他のゲルマン語系の言語と会話しても通じないという現象が起こるのです。
何故、フランス語の影響を受けているのかというと、11世紀半ばににノルマン人がやってきて宮廷内ではフランス語が使われるようになります。しかも、その後が、フランス出身のプランタジネット朝が統治する時代が続きます。
そのため、11世紀半ばから14世紀までの約250年間、宮廷でフランス語が使われることが多くなり、フランス語由来の単語が英語に入ってきているのです。
身近な例で行くと、英語は肉と動物とで単語が違います。
肉は、beef/pork/muttonと、いうフランス語由来の単語が、
動物は、cattle/pig/sheepと、イングランドの言葉が残っている状態なんですね。
貴族連中は、宮廷内ではフランス語を使い続ける訳です。肉の状態のものをフランス語で呼び続けます。
しかし、家畜の状態はほぼ見ることはありません。(笑)
そのため、宮廷では同じ動物でも肉を表すの単語が残り、その単語が使い続けられることになるのです。
ゲルマン語系にない言語が入ってきているから、ドイツ語をやる時に苦戦する人がどうしても出てきてしまう部分はありますね。
ただ、これだけだったのであれば、まあ、英語ならよくあることですね、で終わる話だったんです。
しかし、「ニシン」を調べてみると、びっくりしたんですね。
英国:herring
ドイツ:(r) Herring
オランダ:harring
デンマーク:Sild
スウェーデン:Sill
アイスランド:Sild
これは流石に驚きました。
スカンジナビア方面の北ゲルマン系の言語と、ドイツ語・オランダ語の西ゲルマン系で単語が違っていることに。
しかも、北海・バルト海を挟んでニシンの交易は、歴史的にしていたはずなのに、単語が違っているんです。
こういうことがあるから、外国語の世界って面白んですけどね。
※こちらのブログ・SNSで情報発信しています。
よかったら気軽にフォローなどどうぞ。
<電子書籍作家 山内一輝の外国関係の作品>
Amazon Kindleで電子書籍を出しています。
いずれも、Kindle Unlimitedの対象で、会員の方は無料で読み放題になっています。
ドイツを初めて旅行する人にとって、ドイツの魅力をまとめた一冊。
○ ドイツのオススメの街
○ ドイツの風土
○ 旅行の際に気を付けること
○ 旅行の際の「外国語」
といった内容で書いています。ブログ内で語ってきた内容はもちろん、書き下ろしの内容もあり。
ドイツの定番の観光地から、なかなか日本人が行かない街まで紹介しています。
<ライター 山内の仕事内容>
トラベルライター 活動内容&メニュー
マルチリンガルで歴史に強い元旅行手配人のトラベルライター。
国内外の現地情報、旅行手配、歴史、外国語を軸に、
記事執筆&講演活動をしています。
執筆&講演のお問い合わせ・ご依頼はコチラ
○ プロフィール作成
○ 仕事・商品紹介文の作成
○ 文章のリライト(添削)
自分の活動をアピールしたいけど、まとまらない。
アイディアはあるけど、どう伝えていいのか分からない。
そんな悩みをお持ちの方、お客様の心に届く文章にまとめます。