Issay's Essay -16ページ目

バスを待つ間のひと時に

700 新装開店したペットショップの子犬

 昨年(2021)10月のバス時刻改正で、下関駅から自宅方面のバスは日中1時間に1便と減便され、乗り継ぎ具合で〝今出てしまった″というのはしばしばで、手荷物があるときなどは、何処で時間を費やせばいいのか戸惑っている。
 下関駅前にはシーモールとの間に、東口駅ビル(リピエ下関)があって、その通路に幾らかの椅子があり、時間待ちの人がこれを利用されているのかも知れない。
 かれこれ1月前のことだが、唐戸方面で用事を済ませ少しばかりの買い物をして唐戸バス停で、時間どうりには来ないと思いながら、それを承知で少し早めに待っていたのだが、その日も10数分遅れのバスがやって来て、案の定下関駅に着いたときには、あの向うで予定していたバスが出て行った。
 その日は、少々疲れ気味だったのでリピエ内の椅子にと思ったが1Fには先客があって2Fに上がってその一か所に腰を下ろした。もう一度荷物を整え手帳などのメモ整理を終えても10分ばかりでことは終わった。
 そのリピエ下関は、一部のお店は別にしてテナントはしばしば変わっているし、空白の場所も目立っている。
 時間待ちで過ごしている椅子の前には、以前100円ショップのお店があったような気もするが、目の前にある陳列は可愛い着物やセーターなどがあるが、どうもサイズがおかしい、陳列の瓶も化粧品にしては?と思っていたら、突然犬の鳴き声が聞こえた。アッ!ペットショップだったのか。我が家の近所を散歩したり神社の境内などでも、着物を着せた犬に出くわしたことがあるのに、ペットと縁のなかった私としては、それがなんだか気が付かなかったのである。
 まだまだ時間にゆとりがあるので、犬のケージが見える椅子に移動した。
 私は、犬の種類さえ分からないが、そのケージの子犬には40数万円位の値札がみえた「血統書付きの犬であろうか?」店にはほかに3匹位いるような気がした。
 犬や猫、ウサギ、小鳥、金魚などと、ペットを飼うということは、人の心を和ませ楽しませ、それが人を癒し孤独感を解消することにつながることで、学校でも動物などを飼育観察しているが、思いやりの心とか情操教育の効果もあるのだろう。
 だが私に出来なかったのは、飼育するにはそれだけの責任が伴うということ。写真をする者は、家を飛び出すことがある。つまりその飼育が途絶える瞬間が発生する。
 その責任を理解しないで、動物(あるいは植物)に害を及ぼすことは、動物愛護でなく虐待であり、近隣にも迷惑を及ぼすことにもつながる。時々「ニシキヘビが逃げました」などと騒がせるのもそれである。もちろん盲導犬や捜索犬などと社会に貢献をする犬もいる。
 結局は、飼い主から捨てられる動物が問題なのである。町なかを徘徊する野良猫は何とかならないものか。しかも、それを叩いたり蹴っても動物愛護の立場から虐待として犯罪になるというのである。野犬は少なくなっているとはいえ、まだまだ犬や猫の殺処分数は多いと聞く。バスを待つ間、ふとペットのことを思っていた。
 あのケージ内にいる子犬、この小さな命が、誰に幸せな気分をもたらせるのであろうか?そしてその運命は?新しい良い家族と巡り会えることを願うばかりである。
 写真は新装開店したペットショップの子犬

メダカ事情

699 店頭で見かけた石臼の中のメダカ

 町なかを歩いていて、ふと北向きのお店のまえに、小さな可憐な花?が群がっている石臼があった。それは石臼の中の鉢に植えた水性植物のシラサギカヤツリグサというらしい。如何にも優雅で楚々とした美しさがあるが、これは花ではなく苞だと聞いた。
 石臼は満水で、ほかに布袋草が水面を覆い、その隙間にメダカが見えたのである。
 私の子供のころは、田んぼ近くの溝などでメダカを見ていたが、何時しか「道の駅」などで瓶に入れて売られているのを見たことがある。もちろん金魚と同様、古くから観賞用として飼われてはいるが、最近はあまり意識することも無かった。
 戦後の日本では、無秩序な農薬の使用、生活排水や農地改良による小川の減少などと、生物の生存に影響する様々な環境変化で、メダカまでも絶滅危惧種Ⅱ類に指定されているという。
 折角だから写真を撮らせて頂いた。臼の中で、誰が生徒か先生かも知れず、みんな元気に遊んでいた?それが川の流れにそってではなく、狭い臼の中での思い思いの方向である。「めだかの学校」のフレーズを口ずさみながら数枚を撮影した。
 聞き覚えの童謡「めだかの学校」の誕生を調べてみると、作詞・茶木滋、作曲・中田喜直で、昭和26年(1951)3月、NHK幼児の時間で発表されている。私が聞いたことがあるのは子どもたちの幼稚園のころであろうか。
 今回、シャッターを切りながら、改めて泳ぎを追った感じでは、まさに歌詞に読まれた「つ―いつい」であって「すーいすい」ではなかった。たしかに動き始めが敏捷で、童謡作家たちの観察力に敬服である。
 それにしても、私の記憶にあるメダカは淡い褐色か透明な感じで、あまり目立たないと思っていたが、ヒメダカはともかく、妙に青白く輝くようなメダカがいたのが不思議だった。これらはやはり観賞用に出回っているものであろうが、あのメタリックな輝きは、なんだかメダカアニメ世界のヒーローという気分ではないか。
 思えば、石臼の中では田んぼの中のように水生昆虫(タガメやヤゴ)や鳥(サギやカワセミ)に襲われることもなくヒーローの必要もなさそうだが、店の方は「このメダカたち、自分たちが産んだ卵や生れたばかりの小さなメダカさえ食べちゃうんですよ、だから卵を見つけると、そっと隔離するようにしていますがね」と話されていた。適当に水の補給さえできていればこれほどの楽園もあるまい・・と思ったが。そういえば「目敏いカラスもいるし徘徊している猫もいるんじゃないですか?」と尋ねたが「今のところ、それはないようです」と、そこには特別な防御も無かった。余分な心配でした。
 絶滅危惧種とはいわれても、石臼の中で育ったメダカは果たして自然界に順応することが出来るのだろうかと他愛なことまで思ってしまったが「これらのメダカは自然に放ってはいけないことになっています」とも教えられた。
 写真は店頭で見かけた石臼の中のメダカ

中学生の体験学習②-2 —学習内容—

698 自動車駆動部の模型を使用しての講座と車体の解体組み立て実習の生徒さん

 K社の体験学習としては座学と実習がある(2日間の内容をまとめた)。
 先ずは座学だが、その冒頭に、早口言葉「東京特許許可局」「隣の客はよく柿食う客だ」など20の発音練習が書かれている1枚の紙を渡された。「これがすらすらと読めなければ、体験学習が終わったと言えんぞ!」と、ここでは、早口を求めるのではなく、様々な人にお会いしたとき、よどみなく日本語が話せるかの問題として最終時間に読んでもらう宿題を与えたのである。
 それから、模型を使用して自動車のエンジン回りから車輪への動力伝達と差動歯車やクラッチなどの説明、映像では自動車の大まかな構造とエンジンの仕組み、さらに現在の燃料転換(水素や太陽光)の問題、電気(モーターと乾電池)自動車のことなど、それにNHKの収録「その時歴史が動いた『高杉晋作挙兵の時』」を流していた。これは、講師を務める友人の信念「人間に生まれて人間の使命を果たさないのは一種の罪悪である」から来ているのだろうか、高杉の松陰からの教え「死して不朽の見込みあらば、いつでも死すべし」に対する「チャンスは今」高杉の功山寺決起はまさに長州存亡危急の時であった。
 実習は、15万キロも走っていながら外見は新品同様の輝きを持つK社所有の軽自動車の一部(ボンネット部のライト、ワイパーまでと内部のシート2席)を、前の日に分解して、翌日組み立てる作業である。
 生徒間の共同作業で、用具の出し入れ管理、作業の段取りなどお互いに話し合って進めるのだが、安全に関しての注意と作業上必要な段取り意外は口出しすることも無く、生徒間の創意工夫を尊重しての実習だった。
 平素、自宅の車である程度何処をどうすればという知識を持っているのか、あまり社員にアドバイスされることも無く、かなりの作業は進められた。私も驚いたのだが、車の外装は、数本のボルトで固定してはあるが、プラスチック製の為にその弾性を利用した嵌め込みが利用され、ひねりや押し込みなどが必要だった。それらはピン状のものが差し込まれ固定してあった。
 友人の講師は「自動車を構成している物に、何一つ不要なものはない。その一つ一つがきちんと取り付けられていないと、自動車を安全に動かすことが出来ない。まかり間違えば、それは事故になり、人の命に係わる問題、ボルト一本余っていても、これで良いでは済まされない問題だ」と、しきりに言っていた。事実、この実習でもボルト2本が余っていて、その現実が発生、もう一度各所の点検が始まった、可なりの時間は要したが解決。
 最終的には。取り付けにねじれがやボルトの締め付けが緩いものなどがあったことなども指摘されていたが、事務所に戻って、あの発音訓練発表は意外とスムースだった。
 講師は「美しく、確実に整備完了してこそお客さんに信頼され、ましてや命に係わる自覚を、皆ンナが持っていることが分かって貰えたかな、これが職場なんです。皆ンナ思ったより頑張ったな!すごい。これからどんな夢をもって、どの様な方向に進むか知れないが、今回のことが少しでも役に立って頂けたら有難いよ!」」と締めくくった。
 私は、思わず「皆ンナの眼は綺麗じゃねぇ」といった。その時、隣の部屋から女性社員が笑顔で現れて学習のご褒美にショートケーキが贈られた。
 写真は自動車駆動部の模型を使用しての講座と車体の解体組み立て実習の生徒さん