映画【さびしんぼう】富田靖子×尾美としのり | ∠かなめまよの胸はって行け〜!自信持って行け〜!

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おはようございます🌅今日は故·大林宣彦監督尾道三部作の最後を飾った映画、【さびしんぼう】の紹介です🚴‍♀️
以前、【尾道三部作ブログ】と【時をかける少女ブログ】は書いたんですが【さびしんぼう】をもう少し単体で掘り下げてみたいと思い、再視聴しました🎥
【さびしんぼう】予告編です🤡


映画の概要です🎥
さびしんぼう】は1985年公開の日本映画でした。瀬戸内の尾道を舞台に少年の恋をノスタルジックに描いた作品です。主人公を監督の分身として描き、監督の自伝的色彩が強いといわれる。全編にショパンの《別れの曲》が流れます。“尾道三部作”のひとつでも有名な映画です。ポスターには「尾道三部作 完結編」と記されました
松田聖子ちゃんの【カリブ・愛のシンフォニー】と同時上映でした。

『さびしんぼう』という言葉は大林監督の造語なんだそうです。広島弁で腕白小僧、悪ガキを意味する"がんぼう"に対する女の子の呼び名がないので『さびしんぼう』というのを考えたという話みたいです。子供の頃から使っている言葉で8ミリ映画にもシナリオにも『さびしんぼう』を題名にしたのが何本かある。"がんぼう"が女の子を思うと"さびしんぼう"になる。"さびしんぼう"は両性具有のコンセプトで人を愛することは淋しいことだという大林監督の感性が育んだ造語なのです。大林監督は「ぼくの映画は全部"さびしんぼう"という題をつけてもいいと話している。『さびしんぼう』は、大林監督がずっと暖めていた企画でかつては山口百恵さんや小林聡美さん、ハニー·レーヌさんで撮影しようと考えたり、【廃市】を【さびしんぼう】の題名にしようとしたこともあったそうです。

映画のキャスト紹介です🤡

🤡井上ヒロキ(尾美としのり)寺の跡取り息子。普段友人たちとふざけながらも楽しく高校生活を送っている。小学生の頃にチョコレートを食べて鼻血が出てしまったためチョコレートが苦手。趣味はズームレンズのカメラのファインダー越しに人や風景を見ること(本当は写真を撮りたいが高いカメラを買ったため金欠でフィルムまで手が回らない)。自室で女性の裸の写真集を見ているが本人は芸術と言っている。勉強はあまり得意ではなく通知表は5段階評価中2がほとんどである。ピアノで『別れの曲』を練習しているがなかなか上達しない。

🤡さびしんぼう(富田靖子)上矢印(本作では橘百合子役を含めて一人四役)ショートヘアに顔が白く風変わりな格好をした少女。16歳。ある時からヒロキたちの前に現れるようになる。不思議な存在だが幽霊ではなく他人が触れることができる。いたずら好きでタツ子に「ヒステリーババァ」などと言ったりテルエに悪口を言うこともある。本人によると「水に濡れると死んでしまう」とのこと。

🤡橘百合子(富田靖子)下矢印女子高校に通う女生徒。ストレートヘアのおしとやかな女の子。放課後に一人で高校の音楽室のピアノを弾くのが日課。ヒロキがカメラのズームレンズで彼女の高校を見ている時に見かけて好意を持つようになる。その後自転車のチェーンが外れて困っていたところ偶然通りかかったヒロキと出会う。

🤡井上タツ子(藤田弓子)上矢印ヒロキの母親。ヒロキによると「勉強しろと口うるさく女性らしい麗しさのかけらもない」とのこと。ヒロキの部屋にノックせずいきなり入ってくるなどややデリカシーにかける。ショパンの『別れの曲』が思い出の曲でヒロキにピアノで弾ける様になって欲しいと願っている。

🤡井上道了(小林稔侍)下矢印

ヒロキの父親で寺の住職。ヒロキによると「無表情で(仕事以外では)ほとんど喋らず僕にとっては得体の知れない大人という生き物の代表」と言っている。作中では出演シーンのほとんどがお経を上げているシーンである。タツ子とは見合い結婚。ヒロキに人を好きになることの重要性を伝える。

🤡井上フキ(浦辺粂子)上矢印ヒロキの祖母。少々もうろくしておりヒロキの名前を道了と間違えることがしばしば。小さい頃はすばしっこくて「ましら(猿のこと)のフキちゃん」と呼ばれていた。悠々自適に暮らしており普段は墓地を掃き掃除したり正月にはカルタ遊び、節分には豆まきを一人で楽しんでいる。

🤡吉田徹(岸部一徳)下矢印

ヒロキが通う高校の理科の担当教師。ヒロキたちが理科実験室の器具を使ってすき焼きをした時に没収と称して具材を食べるなどちゃっかりした性格。ヒロキの家でちょっとした騒動が起こった時は嬉々として「救急車を呼べー!一度救急車を呼んでみたかった!」などと言って興奮するなどあまり真面目な人物ではない。カズコに好意を持っている。

🤡大村カズコ(秋川リサ)上矢印

ヒロキが通う高校の英語の担当教師。作中ではコミカルな演出でなぜかスカートが下がってしまい下着が見えてしまうシーンが何度かある。『若草物語』が大好きで話の中の登場人物が鼻を高くするために自分の鼻を洗濯ばさみで挟んで寝るという事を真似ている。

🤡マコトの母(根岸季衣)下矢印

息子たちが校長室のオウムに下品な言葉を教えたため校長に呼び出され注意を受けるはずがオウムが話す下品な言葉につい吹き出してしまう。

🤡雨野テルエ(樹木希林)左矢印タツ子の同級生で旧友。正月に何年ぶりかでタツ子を訪ねてきた。学生時代は「デベソのおテル」というアダ名で呼ばれていた。ユキミには成績はクラスで一番と言っていたが実際はよく立たされたり「0点おテル」とも呼ばれていたことを隠していた。

🤡雨野ユキミ(小林聡美)右矢印

テルエの娘。正月に母に連れられてヒロキの家を訪ねてきた。母親と同じ髪型に結って貰っている。母親が学生時代に優秀だと思ってたが色々とボロが出てしまった事にショックを受ける。


映画のあらすじは、

【起】

カメラのファインダーが尾道の景色を捕らえている。そのカメラはやがて一人の少女にフォーカスを合わせる。放課後の音楽室でピアノ弾く彼女がヒロキのさびしんぼうだ。ヒロキはフィルムの入ってないカメラを構えて毎日憧れの君、さびしんぼうを眺めていた。

年末が近づきヒロキは肉を餌にマコトとカズオに寺の大掃除を手伝わせる。その大掃除の最中にヒロキはタツ子のアルバムにあった写真を派手にばら撒いてしまう。数日後、ヒロキは大掃除のお礼に肉を買い野菜を持ち寄り、理科実験室で実験器具を使ってすき焼きを二人に振る舞う。しかし理科の先生に見つかってしまいすき焼きは没収。加えて校長室の掃除を言いつけられる。渋々掃除をする3人だったが憂さ晴らしに校長室で飼育されているオウムに「たぬきのキンタマ」の歌を教え込んでしまう。その日の帰り道、ヒロキは憧れのさびしんぼう、橘百合子とすれ違い軽く会釈をされる。たったそれだけのことだがヒロキには心踊る出来事だった。ニヤニヤしながら部屋でファインダーを覗いていると白塗りの少女が現れる。「誰だ?」とヒロキが問うと少女は「さびしんぼう」と答えるのだった。

【承】

3人は校長室のオウムに「たぬきのキンタマ」を教えた件で謹慎処分になる。しかしヒロキはマコトとカズオに会い謹慎そっちのけでいつものように3人で悪ふざけをしていた。そんな時ヒロキは自転車で通り過ぎる橘百合子の姿を見つける。ヒロキは一人、その場を離れ彼女を追いかけ連絡船に乗り込む姿を見送るのだった。翌朝いつもより早く家を出たヒロキは船着場で百合子の姿を探していた。下校時も同じように船着場で百合子の姿を見つめるヒロキ。四六時中、百合子のことを考えるヒロキは部屋でファインダーを覗きながら「おーい、さびしんぼう」と呟く。すると白塗りのさびしんぼうが現れる。神出鬼没なさびしんぼうはヒロキに「あんたのお母さんもっと大らかだったんだけどなぁ」と告げ消える。冬休みに入りヒロキは張り合いのない日々を過ごしていた。3人でつるむこともなく船着場にも百合子の姿はない。さびしんぼうも姿もしばらく見ていなかった。クリスマス、タツ子の依頼でヒロキに勉強を教えに幼馴染みのマスコがやって来る。しかしさびしんぼうが現れタツ子に「あんたの若い頃の理想ってもっと大らかじゃなかったの?」とつめ寄る。突然現れたさびしんぼうに驚くタツ子。追い払おうとさびしんぼうのお尻を叩くと自分の尻が痛い。さびしんぼうの頭を叩くと自分の頭が痛くなる。そんな姿を見たマスコはタツ子がノイローゼになっていると思うのだった。

【転】

新学期、タツ子に関して変な噂が広がっていた。放課後家庭訪問が行われるがさびしんぼうの登場でまた大騒ぎとなる。ヒロキはさびしんぼうに「お前、余り出てくるなよ」と言う。そしてさびしんぼうに顔を洗って白塗りのメイクを落としたらと桶の水をかけようとする。さびしんぼうは怯え「あたし水がかかると死んじゃうんだよ」と言って消える。節分の日、ヒロキは寺の前で自転車のチェーンが外れ困っている百合子と出会い一緒に船に乗って彼女の家の近くまで送ることになる。その道中のおしゃべりでヒロキは彼女の名前が橘百合子ということ、彼女の夢がピアニストだということを聞く。翌朝、ヒロキは船着場で百合子を待ち声をかけるが無視をされる。下校時も彼女の姿はなかった。訳の解らぬまま家に帰ると部屋でさびしんぼうがプレゼントを持って待っていた。包みを開けると中からはチョコレートがチョコレートアレルギーのヒロキは思わずそれを放り投げる。しかしプレゼントは百合子からのものだった。手紙には「ありがとう。一晩中ニコニコして過ごしました。でもこれっきりにしてくださいね。ごめんさいさようなら」と書かれていた。「一人にしてくれないか」と言うヒロキにさびしんぼうは言う「もうすぐいなくなる。明日、誕生日で17歳になるから。16歳のあたしは17歳のあたしにはなれない」と。そして自分で書いた創作劇「さびしんぼう」について話す。「人を恋することはとても寂しいからあたしはさびしんぼう。でも寂しくない人よりずっと幸せよ」そう言ってさびしんぼうは消えるのだった。

【結】

百合子からもう会えないと言われたヒロキだったがクリスマスに渡したいと思って買ったプレゼントを持って彼女に会いに行く。プレゼントは別れの曲のピアノ型オルゴール。百合子はそれを受け取り「あなたが好きになっていただいたのはこっち側の顔でしょ。反対側の顔は見ないでください」と言い別れる。帰り道、雨が降ってくる。ずぶ濡れになるヒロキ。その雨の中ヒロキの帰りを待っていたのはさびしんぼうだった。「もう一度さよならを言いたかった」そう伝えるさびしんぼうを抱きしめるヒロキ。


雨の中ヒロキに抱かれながら「あたしヒロキさん大好き」そう言ってさびしんぼうは本当に消えてしまうのだった。翌朝、掃除する母は「田中タツ子16歳」と書かれたさびしんぼうが写った写真を拾っていた。それを見たヒロキは今度は母が17歳の時の写真を風に舞い上がらせたらどうなるだろうか?と考える。しかしいつしかそんなことも忘れて時が経ちヒロキは大人になっていた。お経をあげるヒロキの横には百合子そっくりの女性が座っており奥では娘が別れの曲を流暢に弾いているのだった。そしてピアノ上にはあの時のオルゴールがあるのだった。

【尾道三部作】は昭和のファンタジーですね。

昭和だったからこその共感を呼ぶ切ないストーリーです。時代が違うから現代の子達には❓❓❓かも知れないかな。三部作全てにおいて尾道の美しい風景は癒されます。最近は【尾道三部作】はTVの再放送なども見かけないですがぜひ見て欲しい3作品です。

アニメの【時をかける少女】はオシャレ感満載の映画でしたが大林宣彦監督作品は昭和ならではの監督特有の色をどの作品にも出してましたね〜。

1番分かりやすいのはモノクロやセピア色やカラーの使い分けはファンタジーそのものだな。後半で百合子のセリフ。「こっち側の私だけを見ていてください」男の子から一方的に好意を寄せられても現実の百合子は今日食べるご飯にも不自由するほどの極貧生活の様なんです。それを百合子が短いセリフで端的に表現した切ないシーンです。ヒロキが百合子の現状を分かっていて何も気づいていないようなキョトンとした演技も秀逸で20歳すぎの男の子がごく自然に出来たのか、偶然あのような展開になったのか、それとも狙って演技をしたのかわかりませんが百合子も家庭に余裕があればヒロキと友達になりたかったと思います。本当に嫌な相手なら避けるだろうし、あんなに何度も話をしませんよね。

時は過ぎ、大人になり僧侶となったヒロキが木魚をたたきお経を読む横に彼の初恋の人・橘百合子にそっくりな女性が佇んで見えました。彼女は百合子なのか、ヒロキ達の二人の娘と思われる女子高生が弾くピアノの上に置かれたズームインされたオルゴールはヒロキが高校時代に渡したプレゼントと同じ物にしか見えないので奥さんは百合子と考えるのは間違いないかな。ただ映画内では百合子はヒロキの好意には応じていないですよね。百合子は母を亡くしており父も病気で経済的に苦しいことが読みとれます。だから地元では大きなお寺の跡取り息子ヒロキに自分は相応しくないと引け目を感じていてヒロキの好意に応えたくてもおこがましいと想像したりしました。ラストシーンがヒロキと百合子なんだったらヒロキの愛情が百合子一筋でゆるぎないものでラストのようなハッピーエンド状態に至るまでに映画では描かれなかったドラマがあったことを視聴した人がそれぞれ想像するのも楽しいもんです。お客様に委ねるよ‹‹\(´ω` )/››のラストが好きなので。


富田靖子さんの《さびしんぼう》動画と、


ショパンの【別れの曲】です。

過去ブログの【時をかける少女】と【尾道三部作】も付けておきますね🗒


今日も最後まで読んで下さってありがとうございました💖次回はドラマの予定です。暑い毎日になって来たので倒れないように水分しっかり摂取してね。