ジャン=クロード・ヴァン・ダム/ファイナル・ブラッド(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

ジャン=クロード・ヴァン・ダム/ファイナル・ブラッド(ネタバレ)

※本作は、それほどオススメではないものの、ネタバレを知らないで観た方が良いのは間違いない作品なので、未見の方は観てから読んで!








ジャン=クロード・ヴァン・ダム/ファイナル・ブラッド



原題:KILL 'EM ALL
2017/アメリカ 上映時間95分
監督:ピーター・マロタ
製作:ラファエル・プリモラック、リチャード・サルヴァトーレ
製作総指揮:スチュアート・アルソン、アンドレ・レリス
脚本:ジェシー・シリオ、ブライアン・スモレンスキー、クレイグ・スチュワート
撮影:マーク・ラトリッジ
編集:イヴァン・ゴティエ
音楽:アルド・シュラク
出演:ジャン=クロード・ヴァン・ダム、ピーター・ストーメア、オータム・リーサー、ダニエル・バーンハード、クリス・ヴァン・ダム、マリア・コンチータ・アロンゾ
声の出演:大塚芳忠、斎藤志郎、うえだ星子、志賀麻登佳、稲垣拓哉、瑚海みどり
(あらすじ)
ある朝、ロサンゼルスのERに瀕死の状態の負傷者達が運び込まれた。その中の一人、フィリップ(ジャン=クロード・ヴァン・ダム)が、看護師スザンヌ(オータム・リーサー)の手当てを受けていると、黒ずくめの男達が彼を殺そうと現れ、病院内は激しい乱闘状態に。スザンヌは巻き込まれるも、たった一人生き残った。一体、病院内で何が起こったのか?なぜ彼は奴らに追われ、闘っていたのか? FBI庁舎取調室。CIAのホルマン捜査官(ピーター・ストーメア)は、唯一の生存者スザンヌに疑いをかけ、尋問を始める…。(以上、メーカー公式サイトより)

予告編はこんな感じ↓




70点


※今回の記事は、「ユージュアル・サスペクツ」のネタバレに触れているので、未見の方は絶対観てから読んで!
※今回の記事は、映画自体とはあまり関係のない文章もダラッと書かれているので、読まなくても良いんじゃないかな。


基本的にDVDスルー作品や配信で観た映画などは感想をまとめてアップしているんですが、しかし。待望のジャン=クロード・ヴァン・ダム主演作ということでね、単独の記事をアップしておきますよ。9月6日に発売されると知ってからamazonで即予約→前日の5日に届いたので、即鑑賞しまして(最初に字幕→翌々日に吹替)。で、9月9日に同ソフトの勝手な宣伝として、愛聴している「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」に出演しましてね…(遠い目)。その後、さらに2回観てからこの駄文を書いているワケですけど、「僕はもう十分です… (ノω・、)」って感じでございます。


フラゲしたDVD。本作は劇場公開されなかったのです(他の国でも)。
フライングゲットしたDVD

番組に出演した時の画像を貼っておきますね(タマフルHPより)。
宇多丸師匠と藤井隆さんと僕


最初にお話をダラッと雑に書くと、映画は「ユーゴスラビア崩壊後の戦犯云々」的なテロップが流れる→アクションのダイジェスト的な映像が流れてからスタート。看護師のスザンヌ(オータム・リーサー)がFBI庁舎の取調室にて、サンダース(マリア・コンチータ・アロンゾ)とホルマン(ピーター・ストーメア)に尋問されてましてね。彼女の話曰く、救急救命室(ER)に負傷者たちが運び込まれて、その中の1人であるフィリップ(ジャン=クロード・ヴァン・ダム)を手当てしていたら、黒ずくめの殺し屋集団がやってきて、病院で無差別殺戮を始めるから、さぁ大変!Σ(゚д゚;し タイヘーン ってな調子で、捜査官たちによる「スザンヌの事情聴取シーン」と、スザンヌが語る「フィリップとの病院サバイバルシーン」が交互に流れる構成で、映画は進みまして。最終的には「回想シーンはほぼスザンヌの作り話であり、彼女ったらフィリップ&ホルマンと組んで“正義の暗殺者”として戦犯狩りをしていたみたい」ってな感じの「ユージュアル・サスペクツ」風味エンディングなのでした〜 (´∀`) アラアラ


オチを知っちゃうと結構台無しな映画「ユージュアル・サスペクツ」の日本版予告を貼っておきますね↓




もうね、「ジョン・ウィック」のようなレベルのアクションを求めたら、間違いなく不満を感じるクオリティですよ。脚本だって「ユージュアル・サスペクツ」の劣化コピーというか、「なにこの話 ( ゚д゚)、ペッ」感がスゲー強い。回想シーンの中に回想シーンがあったりするのもイラッとするし、ハッキリ言って、1回目を観終わった瞬間は大きな舌打ちが出たし、「僕は番組でこれをプッシュしなければならないのか… (`Δ´;) ヌゥ」と冷や汗が流れたほどだったのです。ううむ、同じ「作り話エンディング」だとしてもさ、例えば「あの女がヴァン・ダムも含めて全員殺していた」なんてオチだったらまだ良かったかなぁ…なんて思いつつも、それはそれで「ヴァン・ダムを殺しやがって!ヽ(`Д´)ノ キィィィ!」って超激怒しそうな面倒くさいアタシ。


ラスト、カイザー・ソゼ気取りのフフン顔。ごめんなさい、ちょっとムカつきました。
フフン顔のスザンヌ


だがしかし。最近は、三宅隆太監督の本とか読むようになったせいか、作り手の立場になって考えることが増えていて。まず、いくら「ダブル・インパクト」「クエスト」などでお世話になった盟友ピーター・マロタの初監督作と言えど、ヴァン・ダムの拘束時間は限られていたのだろうよ。だから、スザンヌと捜査官たちの1ミリも気が利いていない会話劇をダラダラダラダラダラダラダラダラダラダラダラダラダラダラダラダラダラダラダラ続けて、時間を稼ぐしかなかったんだろうなぁ…なんて思ったりしてね。ちなみに上記の「ダラダラ」については、あの場面に対する苛立ちを文章に込めるべく、コピペすることなく1文字ずつちゃんとキーボード入力したことは記録として残しておきましょう(偉そうに)。


若いころのピーター・マロタ監督の動画を貼っておきますね(「クエスト」より)。スペインの格闘家の方です。




つーか、「監督デビュー作に『KILL 'EM ALL(皆殺し)』なんてタイトルを付けるなんて、悪い人じゃないよね」とか「エンドクレジットに流れる『KILL 'EM ALL』って曲をラップしてるマーティン・マロタって、仲良しな兄弟なのかな」とか「ダニエル・バーンハードとか、アクション畑の人たちは、みんな手弁当で手伝ってくれたのかな」とか「ピーター・ストーメアなどの意外な大物が出ていたりするのは、監督が良い人だからなのかな」とかとか、監督の状況を勝手に忖度していると、何だか優しい気持ちになってきて。いきなりビンタしてきた見知らぬ人に「どうしてそんなことするんだい?(´∀`) ダメダヨー」と微笑み返しができるほどの心の広さで、2回目を吹替版で観てみれば、意外と面白いというミラクルLOVEだったのでした。


ピーター・ストーメアとかマリア・コンチータ・アロンゾって結構な大物…ですよね、確か、たぶん。
豪華キャスト


エンドクレジットで流れる曲「KILL 'EM ALL」を貼っておきますね↓




確かにアクションの見せ方は上手くない。宇多丸師匠は「その男、凶暴につき」のオープニングを観ただけで北野武監督の天才性を確信したそうですが、僕も本作冒頭のアクションシークエンスを観ただけで、ピーター・マロタ監督に才能がないのがよくわかったというか。予算がないとかそういうことだけではなくて、例えばクライマックスのヴァン・ダムvsバーンハードですよ。「ブラッドスポーツ」1作目の主演俳優と2〜4作目の主演俳優が戦うという、一部のアクションファンにとっては超楽しみな対決だったのに、バーンハードの見せ場が全然ないの。反撃っぽい場面は、ヴァン・ダムの蹴り足をキャッチして「親父のように死ね」なんて言う程度で(しかも即反撃される意味のなさ)、あとは攻撃を避けられまくって、ほぼ一方的に嬲られるだけなんですよ。バーンハードについて少し検索してみれば、「ジョン・ウィック」でもキアヌ・リーブスと良い勝負をしてたりして、今も現役でバリバリできる人なのにさぁ…。ラストのタイマンに燃える攻防がないのはスゲーもったいなかったです (´・ω・`) ウーン


窮地に追い込んだのならともかく、蹴り足を掴んだぐらいでこんな台詞を吐いてもなぁ。
親父のように死ね

バーンハード、「ジョン・ウィック」に出てたの、全然気付いてなかったです… (´∀`;) エヘヘ
「ジョン・ウィック」のバーンハード


ただ、それでもこんなによく蹴るヴァン・ダムを観るのは久しぶりだったから、まぁ、いいや (´∀`) チョウドイイー クリストファー・ヴァン・ヴァレンバーグから改名した息子クリス・ヴァン・ダムとのタイマンも編集がイマイチだったけど、30歳になって「ヴァン・ダム」の名前を背負って、父親の公式サイトに「KVD」なんてコーナーを作った覚悟を考えると応援したい気持ちでいっぱいなので、まぁ、いいや (´∀`) チョウドイイー オータム・リーサー演じるスザンヌの取り調べシーンはイライラして仕方ありませんでしたが、「ハプキドーを習ってた(作り話かもしれませんけど)」という設定がグッときたので、まぁ、いいや (´∀`) チョウドイイー 極上のアクション映画を期待して観たら激怒する人もいる作品なのは間違いありませんが、僕にとっては、なんとなく、ちょうどよく70点…てな着地だった次第。


ヴァン・ダムのソバットなんて、スゲー久しぶり。これだけでも観た甲斐があった気がします。
ソバット!

クリスとの親子対決も、優しい目で観れば全然悪くなかった。ちなみに娘とは「UFO 侵略」でタイマンしてます。
親子対決

クリス・ヴァン・ダム、改名を機に「クリス四天王」に食い込んでほしい…というのは無理な望みでしょうか。
クリス・ヴァン・ダム


ライムスターの名曲「ちょうどいい Piano session with SWING-O」を貼っておきますね↓




そんなワケで、「文句は多いし、普通の人にはオススメしないけど、意外と好き (^ε^) ウッフン」ぐらいの評価に落ち着きつつも、9月9日のヴァン・ダム特集の時に宇多丸師匠がどんなジャッジを下すのか、スゲー不安でして。あの方の目線で観れば、どこを切り取っても「愛少女ポリアンナ物語」第23話「よかったが探せない!」状態の作品ではないか。ただ、もし目の前でヴァン・ダム主演作をディスられたら、ラジオの生放送中だろうと、最悪、暴力を行使するしかない(確実に出入り禁止になる文章)。そんな覚悟を持って臨んだ放送当日、宇多丸師匠ったら「面白かったですYO!(▼∀▼)」なんて優しさで包んでくれてね…(しみじみ)。僕はもう十分です。あのひと言だけで十分です… (ノω・、) ヤサシイ


宇多丸師匠の発言を聴いた僕の心境を代弁する範馬刃牙を貼っておきますね。
あの一言だけで十分です


おしまい (ノω・、) ヤサシイ




ピーター・マロタがスペイン人格闘家役で出ているジャン=クロード・ヴァン・ダム監督主演作。



クリス・ヴァン・ダムがなかなかカッコ良かったヴァン・ダム主演作。僕の感想はこんな感じ



モロに連想するブライアン・シンガー監督作。ネタバレを知ってから観るとどうなんですかね。