今後、このようなお店が増えるのだろうなあ。
美味しいつまみと寿司をパクつきながら、そんなことを考えました。

店内は、若いサラリーマンでいっぱい。

コスパの良い美味しい寿司店として快進撃を続ける〝板前寿司〟グループ。都内に7店舗。出店スピードは加速するばかりです。
この板前寿司の経営は、〝板前寿司ジャパン〟が携わり、その本社は、香港にあります。寿司店の〝逆上陸〟です。〝寿司王〟と呼ばれる〝リッキー・チェン〟氏がグループの総帥。子供の頃から、日本食に憧れ、日本留学中に新宿歌舞伎町の寿司店で皿洗いのアルバイト。香港に戻り、クレープ屋を開業。熊本の熊本ラーメン〝味千〟の香港誘致で成果。その資金を元に、香港、九龍、北京、上海などに40店舗を超える寿司店を出店しています。
〝リッキー・チェン〟氏の名前が日本のメディアに登場するきっかけは、築地市場の〝まぐろの初セリ〟。2008年から連続4年間最高値でせり落としました。 〝銀座 久兵衛〟とリッキーの香港グループの提携は〝黒船襲来〟と揶揄されました。2012年からは〝つきじ喜代村 すしざんまい〟が攻防の為、破格な高値でせり落としたのは皆さんの記憶にも新しいと思います。
〝大間のまぐろ〟の名前を有名にしたのが〝板前寿司〟。〝板前寿司〟のお料理をご紹介します。
突き出しは、〝蒸かしじゃがいもと牛肉のしぐれ〟で生ビール。

〝玉子焼き〟

〝まぐろ骨付きカルビ〟
巨大な骨付きカルビ。ナイフとフォークはありますが、かぶりつくしかありません。
豪快な食べ方です。


〝鮪のど肉串焼き〟
ジューシーなのど肉。レモンでさっぱり。


〝白州ハイボール〟

〝まぐろとアボガドのタルタルサラダ〟
中にたっぷりの鮪とアボガド。若者向きです。

〝多門辛口本醸造〟
やはり、寿司にはこれ。

〝佐賀牛A5大とろ〟
佐賀牛を寿司に・・・。大とろに納得。口溶けします。

〝本まぐろ中とろ〟
まぐろの中とろはやはり旨い。

〝うに軍艦〟

〝のどぐろ〟
表面を少し炙って塩降ってます。

〝小肌〟
寿司の王様。

〝真鯛〟
脂が乗って美味しい。

〝こぼれいくら〟
贅沢な・・・。

都内の高級すし店が仕入れる築地場内の同じ仲買人から同じネタを毎日仕入れ。それをリーズナブルな値段で提供。これで人気が出ない筈がありません。
日本の和食店は厳しい時代に突入しました。今後増加する〝板前寿司〟のような〝逆上陸組〟と厳しい戦いをしなければならないからです。
味だけではありません。〝板前寿司〟の接客ぶりは、実に見事。日本語が必ずしも得意でない接客係もいますが、それをカバーする気遣いは、他の日本の大衆寿司店には見られないほどきめ細やか。本気でメジャーになろうとする意気込みをヒシヒシと感じます。
消費者にとっては、安くて美味しい寿司は大歓迎。でも伝統的な〝江戸前寿司〟には、大衆寿司店には真似の絶対出来ない伝統的な技術があります。それは、時間と費用というコストが掛り、収益を圧迫するからです。その技術を細々と受け継いで来た個人商店が外資や大手資本の寿司店の隆盛で潰れるのは悲しいです。同時に、画一な料理で繊細な日本人味覚の訓練が削がれて行くのも心配です。
寿司の大好きなオバマ大統領が〝すきやばし次郎〟の寿司を半分以上残したのは、〝銀座 久兵衛〟の出前を直前に食べたからという噂が流れました。これってリッキー・チェンと親しい久兵衛の名前をリークすることがオバマの中国に対する配慮かなって思うのは、考え過ぎ

それにしても、〝板前寿司〟は安くて美味しい。それは間違いありません。