【極上の相場格言】― カネがなくても知恵がある!― -15ページ目

…相場格言…「一犬虚を吠ゆれば万犬実に伝う」(ことわざ)

…相場格言…

「一犬虚を吠ゆれば万犬実に伝う」(ことわざ)

一匹の犬が幻に慄き吠えるとそれを聞いた犬たちがつぎつぎに吠え出すこと。相場格言として用いる場合は、ひとつ材料がでると、それを聞いた人々に瞬く間伝わる状態を指す。

ワン!ワン、ワン、ワン・・・・・聞けば誰かに喋りたい、わからなければ訊きたくなる。「早耳は早損」でこうした話しに乗ると、ほとんどの場合は失敗する。

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ハウリン・ウルフ
モーニン・イン・ザ・ムーンライト

…相場格言…「自らを知らざれば株式投資は高くつく」(ジョージ・グッドマン)

…相場格言…

「自分の癖を知らなければ株は高くつく」(相場格言)

 

投資というものは経験を重ねるうちに自分なりの投資法が出来てくるものですが、途中で妙な癖がつくとなかなか治らないもの。「投資に失敗する人」の悪い癖とは…


★相場の大小に関係なく小さな儲けに甘んじる「小掬い型」。

★ただ高くなれば買い、安くなれば売る「付和雷同型」。

★すべて逆張りすれば儲かると信じている「天邪鬼型」。

★罫線しか信じない「憲法依存型」

★市場の雰囲気に酔う「泥酔型」

★人の助言で相場を張る「人生相談型」

などがあります。無くて七癖なんですが・・・あとひとつが思い出せない(;^_^A
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↓超大物が勢ぞろい、読み応え十分。

ジョン トレイン, John Train, 坐古 義之, 臼杵 元春
マネーマスターズ列伝―大投資家たちはこうして生まれた

…相場格言…「罫線に明るくなって家は闇」(相場川柳)

…相場格言…

「罫線に明るくなって家は闇」(相場川柳)


kabuhon_23j ごく初期の罫線ブームでつくられた相場川柳です。相庭高下傳という本には「昔は昔、今は今。宿老巧者の言うことは、とんと当てにならぬ。相場を死モノにすべからず、活物にすべし」(相庭高下傳)とあります。またべつの手引書には、「罫線は参考に資すべく、これに囚るることなかれ。相場の見方がわかっても結果がいいとは限らない。」とあります。

ひとつの憲法をマスターするためにはそれなりの授業料を覚悟しなければいけません。

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◆「牛乳は、飲む人よりも、配達する人が健康になる」(ことわざ)


…相場格言…「相場は運・根・鈍」(古川市兵衛)

…相場格言…
「相場は運・根・鈍」(古川市兵衛)

kabuIM000031 古川市兵衛、没落した庄屋の家に生まれ、新聞も読めない無学だったが、辛抱強さで相場と銅山で鉱山王になった。運が強く、根気があり、鈍重であれば どんな勝負事に勝てる。 鈍重とはものごとに動じない肝の太さのこと。 「人間はほんとうに利口で、ほんとうに精を出し、ほんとうに辛抱強ければ必ず運が開けてくるものだ。わしはこれをバカのひとつ覚えで、運鈍根とお題目のように唱え続けている。人間にもっとも大切な運は鈍でなければつかめない。利口ぶってチョコマカすると運のほうでツルツルすべって逃げてしまう。鈍を守りきるにはどうしても根がなければならない」(古河市兵衛)
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…相場格言…「相場は一眼、二足、三胆、四力」(相場格言)

…相場格言…

「相場は一眼、二足、三胆、四力」(相場格言)


「一眼・二足・三胆・四力」とは、もともと武道の世界でつかわれる真剣勝負の極意で、これが備わると、最強の相場人間になることができるのですがね。

★一眼…相場の大局をみる眼であり、人間の第三の眼といわれる“心眼”のこと。

★二足…一眼で捕えた相場に信念を持ち立ち向かう“踏み出し”のこと。

★三胆…二足で生じる駆け引きに対して慌てず騒がずの器量。俗にいう“胆”太さ。

★四力…三胆を支える、ゆとりある“資金”を指す。

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…相場格言…「山高ければ谷深し」(相場格言)

…相場格言…

「山高ければ谷深し」(相場格言)


急騰した相場は反動もまた激しく、いちど狼狽した相場は谷底へと転がり落ちてゆきます。暴落は感情の転換によるもので、逃げおくれた玉が消化されるまで傍観するしかありません。熱狂相場の転換は、逃げまどう投資家の混乱が拍車をかけることがおおいので、ひとたび暴落があれば主要銘柄のほとんどが、この洗礼をうけることになります。しかし、なかには大きく売りこまれたあと猛反発して「谷深ければ山高し」する銘柄が出現することもあり、短期戦の突っ込み買いはこの習性を利用するものです。
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吸い込まれるように奈落の底に転がり落ちる!


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■『六甲伝」② 六甲伝―未来高下の考え方―

■先ず踏み出しから…

売買は踏み出しつまり仕掛けが大切である。出発点が悪いと手違いになることが多い。また商いを決して急いではならぬ。売買とも思いついてから、仕掛け三日待つ事。これが伝である。相場の節と通いを考え、天井か底かの位取りをも研究して徐々に売買すること。底値の出ないときは幾月でも見送ること。肚に据わったところからしかけるところから仕掛けることである。見送るのは底か天井かを見極めるためである。踏み出しが大切というのは考えの外のこと。つまり不時の材料が出ることがあるかもしれないからである。                                                                         


■人気の逆を考える…

相場が日々安値をつけ、この上どこまで下げるか判らぬという人気となり、自分も弱く、一般も総弱気となって売り込む時は心を転じて買い方にまわる事。こうした時、すべて自分の考え通りになるのならば相場の道は簡単であるが、皮肉にも人気が片寄る時は逆行するものである。                                                          


■行過ぎの反動…

天井売らず、底買わず、これ心得の一つ。上げる時の天井、下げる時の底は判らぬものである。上げ下げとも天井不知、底不知の人気となり高値飛びつき、安値突っ込むことになる。またこれらの天底の場合は大抵自分の目標よりも上げ過ぎ、下げ過ぎるものである。従って行過ぎた相場は人気を出し切ると必ず反動を起こすものである。この反動を忘れてはいけない。                                                                                                        


■休むことが肝要…

相場には売りと買いのほかに休むという手がある。資金のつづく間は売りでも買いでもつねに建玉を持ち、休むことを知らぬようでは決して大きな利運を得ることは出来ぬ。利喰いしたとき、見込みのつかぬ時は必ず休むこと。仕掛けたいが相場の動きを見定めるまで待つという心の余裕をもって、休むようになれば相場の道がやや判りかけたと言ってよい。この休むということをくれぐれも忘れぬこと。                                                                                                      


■二種類の後悔…

相場に親しんでいると後悔することがある。後悔にはふたつあり、その一つは利喰いした後ほど大きく、もう少し待てばよかったという後悔。もう一つはせっかく利が乗っていながら、まだ早いと考えて利食いを逃し、そのうちに相場が逆転して結局は利喰いが損に変わるという後悔である。前者は用心が過ぎ、後者は欲の間違いである。                                                                                                                                                                     


■うかつの商い…

相場の高下は天性自然の理によって生じるものであるから、どんな場合でも見通しのつかぬのが当然である。判らぬ相場に不案内の人が無鉄砲に商いを仕掛けるのは危険である。迂闊に商いをしてはならぬ。失敗の基は多くはここにある。                                                                                                      


■算用不用…

相場は材料を無視することは出来ない。周囲の事情を考えなければならぬ。また採算も場合よっては必要であるが、多くは目先であるから、これらにあまり捉われすぎると相場の実体が掴めなくなる。それは「知ったら終い」ともいい、相場が先見性を持つからである。材料を噂しているときは既に値のうえに織り込んでいる。相場は現実より絶えず一歩進んでいるということを忘れてはならぬ。

あまりに材料本位に考えて売買するとかえって近視眼的になり損することが多い。相場に算用はいらない。大勢の動向を掴み、人気の消長を考えていればよい。「理外の理」によって動くものと知らねばならぬ。相場は天性自然の理によって高下するものである。極意は天井と底を考えて、毎日の動きを計っておればよいのである。                                                                          

■『六甲伝』①

『六甲伝』とは、江戸時代の米相場でつくられた本間宗久遺訓、八木虎、龍、豹の三部作、

三猿金線秘録、商家秘録などの相場指南書を幕末から明治期の相場師がその要諦を再編したものです。現存する『六甲伝』のは、国会図書館に所蔵されている

下記の版があり、これらの版元の所在地が東京、横浜、大阪ということから、米相場のみならず、株式・為替・先物など他の市場関係者に珍重されていたことが伺えます。


『六甲伝』の六甲とは十千十二支による六十甲のうち、甲がつく甲子・甲戌・甲申・甲午・甲辰・甲寅を指し、ひと回り六旬のうち各一句の首座にあり他を束ねる役を担うのでこれを六甲といいます。


六甲月は、七月甲、五月甲、三月甲、正月甲、十一月甲、九月甲があり、例えば七月甲に当たる年は四、五、六月に下がることが多くこの年は天災地殀が多く六月以降に高騰する傾向にあるなど、それぞれの甲月を基準に相場の展開を予測します。


遠藤自疆版の『六甲伝』に収録されている『商律の伝』は景気循環を十千十二支で予測するもので、

十干()は甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸、十二支は子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥。相場は、中高回り三年、中安回り三年、大高回り三年の順に転換、千日を一節として高値もしくは安値が出現し他は通い高下と考えます。

いずれも古代中国で考えられ日本には暦、五行、八専()

と共に運勢から相場まで幅広く使われてきました。

『陰陽活物農商必携米価高低六甲伝』遠藤自疆著/南中舎/明治二十六年

『米価高低六甲伝』遠藤自疆著/東京毎夕新聞社/大正元年

『米界秘法六甲伝』平松機堂編/大阪毎夕新聞社/大正二年

『米界秘書六甲伝』小椋弁二郎商店/大正九年                                                                                 『売買秘法米界六甲伝』大阪商要新報社編/大阪商要新報社出版社/大正十四年


↓はその解説書。六甲伝を教材に

独自のテクニカル分析を展開している労作です。

武田 惟精
「六甲伝」と「二段波動理論」で読み解く投資の極意

■『富致録・中源線』

『富致録・中源線』は中国の銀相場で巨富を築いた陳雅山が記した相場の秘伝書です。本文の「中源線」は、棒線の色変わり…赤棒線(陽線)の立つ時は人気良き時にして売りに用い、黒棒線(陰線)は人気悪しき時なれば買いに用いる。秘線算出法…富数に致数を山し、録数を山したもの、天地人にて川なす時は棒線の山となり、又棒線の川となる。天地人用いる時は中出ずれば源となれば山なし、若しも川なれば芎となす。中間に棒線入りたる時陽線なれば売法示線、陽線の場合は買法示となる。日足線も同線なりなど、罫線についての記述が主体になり、数ある相場図書のなかでも難解な奥義とされます。

『富致録・中源線‐売買の心得‐』
世に男ありて女あり、冬去りならば夏来る。昼ありて夜となる。高き山あれば谷深し。総て陰陽の配置をもって世の中となる。寒さと涼しさの違うなり。暑さと暖かさは違うなり。上げ相場と戻りとは違う如く、下げ相場と押目は違うなり。気迷いするのは信念なき故なり。凡そ生を世に受け幼少より食欲を覚え、壮年にして性欲を感じ、中年より物欲、年老いてはなお歳寿の欲あり。世人分相応なる大欲を望み、美食多ければ短命となり多情にして身を亡ぼす事あり。金銭に無理蓄財なせば人を泣かすか、人より憎しみをうける。天命、天寿を知らねば悟りを得ず。大欲は無欲に似たり。さればとて無欲者となり、食を断つれば命なし。色を嫌わば人類を滅す。財宝に無心なれば向上なく、この恩恵を知らず、禽獣に等しき生活を常とし無意味なる一生を暮らすものなり。分相応なる望みあれば日一日として楽しみあり。人生を有意義ならしむ。世には多くの人を従へ、なに不自由なく生活する人あれば朝は朝星、夜は夜星を頂き一生懸命に働きてより生活に余裕なしといふ人あり。前者も後者も手あり、足あり目、耳、五体とても皆おなじ。なお頭脳と金銭は世に数多くある。これを永年にして集めるか、短い年月日にして集めるかにあり。富至録は物価高低を一週間以前に予知する算数を解説するものなれば、銀、米、生糸、綿布、小豆、株式等に不幸たらしめん。依って左記九ヶ条鉄則を守り、向こう五ヵ年後に得たる財宝は其の人一代の運勢なりと定め、より以上の慾心は禁じるべし。

心は広く、食細く、朝は早く、夜は早く、気品は高く、頭は低く、色は薄く、情けは深く、仕掛け手早く常に修養なし富致の算数により売買なすなれば大成する事間違いなし。(『富致録・中源線』)



                    

■『三猿金泉秘録』

三猿金泉秘録 『三猿金泉秘録』は牛田権三郎が六十年もの歳月を費やし宝暦五年九月に脱稿した相場指南書です。


牛田権三郎なる人物については本間宗久ほど詳細な記録はなく、伊勢の人で慈雲斎と称した程度の記述しかない謎の多い人物ですが、この本の内容から察するに牛田権三郎という人は、かなり知的水準が高く、儒教から自然科学まで精通した知識人であったことがうかがえます。


『三猿金泉秘録』は相場の真理を三十一文字に

集約した「極意九体歌」をはじめ、定式大網百三十七首によって構成されています。


現存する写本はいずれも嘉永四年(一八五一)に

鳴川猛之助により出版された、いわゆる「鳴川本」を底本としています。



《三猿金泉秘録‐序文‐》

太極動き二陽を生じ、動くこと極まりて静なり。静にして陰を生ず。静なること極まり又動く。一動一静、皆天地陰陽の廻るが如く強気の理を含む、弱気の功あらはれて、はなは万人の気弱き時は、米上がるべきの理なり。諸人気強き時は、米下がるべきの種なり、是みな天性理外の理なり。予荘年の頃より米商に心を寄せ、昼夜工夫をめぐらし、六十年来月日をおくりて、

漸く米強弱の悟を聞きて米商の定法をたてて一巻の秘書を作り、名づけて三猿金泉録という。

米穀の形象は中まるく上下尖る。まるは陽、尖りは陰なり。天地陰陽の気と士農工商を養う第一の宝なり。                                                                                      

三猿とは見猿、言猿、聞猿の三なり。

眼に強変を見て、心に強変の淵に沈むことなかれ、只心に売を含むべし。

耳に弱変を聞きて心に弱変の淵に沈むことなかれ、只心に買いを含むべし。

強変を見聞くとも、人に語ることなかれ、言へば人の心を迷はす。是三猿の秘密なり。                                                                                         


相場の高下は、売買により高下するといえども、これを試すは人力の及ぶところにあらず、

天然自然の道理ならざるはなし。故に大富なる人、金銀の力をもって買占め、あるいは売り叩くとも、いったんその米の高下ある様に見ゆるといえども終始にその効ある事なし。


全国中の人気集まりて試す高下なれば一人の力を以て試すとも、仮令いか程の金満家として高下は自由にならざる道理を弁ふべし。商い始まれば、米商人多人数集まり,石数と値段を指先にて始め、数万石の商いをなし、いかほど高下あるとも一石一銭も違うことなく、又邪を言う人もなく、誠に産業中、正直の商是に勝りたる事なし。


仮令善意の人立交わりたるとも商いに偽りを以て、立身出世のならざる理を知るによって、

自然と邪を言う者なく正直が風習とはなりたり。

諸万物の値段は、米価を先とし、位を定むるものなれば、米商いに従事なす人は正直を先とし、

謀る所邪心を捨てて相場に贔屓をつけず、掛引きの法を以て溜めさざれば大攻を得ることなし。                                            

極意に曰く「高安の理は空理にて眼に見えず、かげも形もなき物が体」上の句の心を考ふるに法をもて上るとか、いつ下がるとも定らざるが空理なり。空理と見れば千年に一度も売り買する時節はなし。下の句の心を考ふるに、かげも形も無き物が体とあり。体あれば定式あり、定式あれば売買あり。


仏道の定式は五戒、儒道の定式は五常、神道の定式は智仁勇の三猿、みなそれぞれに定めあり。高安の定式、古米多く安き値段を新米へうつしたる歳は、空腹下がりある年なり。

是を順乗の年といふ。古米少なくして高き値段を新米へうつしうる歳は、空腹下りのある歳なり。

六、七、八月に変出ずれば、まさしく空腹下がりの歳なり、是を変乗の歳といふ。

売買の定式は逆平、順乗のふたつなり。逆平にて平買にこれを買ふ。順乗とは、上る道理を正しく見つけ、乗買に買ふを順乗といふなり。


順乗変乗、難平商内、家伝高安鑑、三十八乗商内、十五禁制、万暦運気、豊凶、諺等、

これを考ふる時は、千度に千度負けざるの妙の術なり。誠に家伝秘蔵の宝なり。

秘すべし、秘すべし


宝暦五年秋九月下旬  慈雲斎 牛田権三郎

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喜多村 政一
三猿金泉秘録-和歌で相場道を極める-
浅井 まさのぶ, 広岡 球志
マンガ 三猿金泉秘録~日本相場の聖典