■『富致録・中源線』 | 【極上の相場格言】― カネがなくても知恵がある!―

■『富致録・中源線』

『富致録・中源線』は中国の銀相場で巨富を築いた陳雅山が記した相場の秘伝書です。本文の「中源線」は、棒線の色変わり…赤棒線(陽線)の立つ時は人気良き時にして売りに用い、黒棒線(陰線)は人気悪しき時なれば買いに用いる。秘線算出法…富数に致数を山し、録数を山したもの、天地人にて川なす時は棒線の山となり、又棒線の川となる。天地人用いる時は中出ずれば源となれば山なし、若しも川なれば芎となす。中間に棒線入りたる時陽線なれば売法示線、陽線の場合は買法示となる。日足線も同線なりなど、罫線についての記述が主体になり、数ある相場図書のなかでも難解な奥義とされます。

『富致録・中源線‐売買の心得‐』
世に男ありて女あり、冬去りならば夏来る。昼ありて夜となる。高き山あれば谷深し。総て陰陽の配置をもって世の中となる。寒さと涼しさの違うなり。暑さと暖かさは違うなり。上げ相場と戻りとは違う如く、下げ相場と押目は違うなり。気迷いするのは信念なき故なり。凡そ生を世に受け幼少より食欲を覚え、壮年にして性欲を感じ、中年より物欲、年老いてはなお歳寿の欲あり。世人分相応なる大欲を望み、美食多ければ短命となり多情にして身を亡ぼす事あり。金銭に無理蓄財なせば人を泣かすか、人より憎しみをうける。天命、天寿を知らねば悟りを得ず。大欲は無欲に似たり。さればとて無欲者となり、食を断つれば命なし。色を嫌わば人類を滅す。財宝に無心なれば向上なく、この恩恵を知らず、禽獣に等しき生活を常とし無意味なる一生を暮らすものなり。分相応なる望みあれば日一日として楽しみあり。人生を有意義ならしむ。世には多くの人を従へ、なに不自由なく生活する人あれば朝は朝星、夜は夜星を頂き一生懸命に働きてより生活に余裕なしといふ人あり。前者も後者も手あり、足あり目、耳、五体とても皆おなじ。なお頭脳と金銭は世に数多くある。これを永年にして集めるか、短い年月日にして集めるかにあり。富至録は物価高低を一週間以前に予知する算数を解説するものなれば、銀、米、生糸、綿布、小豆、株式等に不幸たらしめん。依って左記九ヶ条鉄則を守り、向こう五ヵ年後に得たる財宝は其の人一代の運勢なりと定め、より以上の慾心は禁じるべし。

心は広く、食細く、朝は早く、夜は早く、気品は高く、頭は低く、色は薄く、情けは深く、仕掛け手早く常に修養なし富致の算数により売買なすなれば大成する事間違いなし。(『富致録・中源線』)