こんにちは! こうの史代です。
一昨日の夜中までは、コンテを直していました。
もう半年近く前に「切り終えた」などとほざいていたこの作品です。
コンテが出来たら早く取りかかりたくなるもので、
「なーに、今までのように作画しながら微調整していくくらいが緊張感が続いていいんじゃないかな」
などと考えていました。
しかし、今回はどうも手が進まず、もう少し練り直すことにしたのでした。
あまりにも絵が汚いので小さい写真にしておこう…。
20頁以上増えました。
ちなみに裏はこの通り。
まっさらの紙だと緊張して勢いがつかないからです。
今回は傑作の霊力をあやかろうと「台湾の少年」(游珮芸・周見信 岩波書店)の刷り出しを使っております。
そして、コンテの直しは、なるべく切り貼りで、描き直しは最小限にとどめます。
コンテの絵はまずくてもいいはずなのに、描き直すと、前の絵の方が雰囲気があったな…とか考えて、無駄に気持ちが下がるからです。
今作は、思いがけずゆっくりゆっくり進めることになりました。
焦る気持ちもまあ無いわけでは無いのですが、
紙に刷られて本になるということは、少なからぬ樹木の命を奪うということでもあるのだ。
せめて自分で納得のいくものにしないと申し訳ないよなあ、と思うのでした。
なかなか仕事が進まない原因はこちらにも…。
絶えずオモチャを作ってTさんに与え続けるのが、わたしのもうひとつの重要な仕事です。
ではまたね!
「台湾の少年」の刷り出しがなぜうちにあるのかはこちらに。