こんにちは!
昨日夕方、たいへんな豪雨でベランダから部屋が浸水しかけて、ずぶぬれで大奮闘しましたこうの史代です。
しかしTさんは、ベランダにやってくるスズメにはいちいちビビッてにらみを利かせているくせに、雷鳴に全く動じないのはなぜだ。
ともかく、今回は被害がなくてひと安心でした。
ところで!
ねえねえ。この本知っとるう!?
「台湾の少年」(作/游珮芸ゆう・はいうん周見信しゅう・けんしん 訳/倉本知明)岩波書店刊です!
7月7日に日本語版の第1巻と第2巻が発売になりました。
1930年台湾生まれの編集者、蔡焜霖さい・こんりん氏の人生を描いた大作で、全4巻の予定です。
各巻2400円と、漫画の単行本にしては安くありませんが、巻末には台湾の歴史の解説もあるし、資料としても美術書としても貴重な、善い本です。
ありがたいことにわたしは、一足お先に拝読して、推薦文を書かせていただきました。
内容は本当に壮絶で、でも優しい美しい筆致で、これを読むともう…ほとんどの人は、自分の人生のぬるさが申し訳なくなるのではないかな…。
そして、こんな状況でも、周りへの感謝や敬意を忘れず、ひねくれず生きることはできるのだな、という希望のようなものが心に残ります。
翻訳にも、面白い工夫があります。
この作品には、地域の元々の言葉「台湾語」と統治下で強要されていた「日本語」とその後政府から強要される「北京語」がごちゃ混ぜに登場します。
それが、きちんと区別しつつ、しかも押しつけがましくなく伝わってくるのです。
これからの日本の漫画でも、方言と標準語の意識的な使い分けをうまく表現する糸口になるかも…? と思っています。
絵も、1巻と2巻とでは筆致が違ったりして挑戦的です。
(第1巻160頁より)
こういうの面白いなあ。
たぶんパソコンで描かれているんだろうとは思うけど、アナログでもできないかなあ。
黒や濃い灰色の紙だと下描きが見えないからなあ、白い紙に描いて反転させたらどうかな…。
などと考えながら、はい。
ちょうどスケッチブックが終わったところだったので、表紙の裏で、取り急ぎやってしまいました。
うーむ…、最初なんだから、もっと形を取りやすいものを描くべきだったな。
と思いながら、選挙も行ってきましたよ。
ではまたね!