ひろしま美術館の不思議 | こうのの日々

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漫画家こうの史代です。
夫とキエリボウシインコのTさんと、福知山市で暮らしています。

こんにちは! こうの史代です。

 

<前回までのあらすじ>

7月1日に広島に行って、おりづるタワーの「広島大仏」にお参りし、比治山大学で講義をしました。

7月2日には、住吉神社にお参りして、JMSアステールプラザで「漫画を描きたくなるお話」というお題で講演をしました。

はい、暑いのであっさりいきましたよ。

 

 

で、翌日、7月3日になりました。

呉にお墓参りにでも行って帰ろうかな…と思っていましたが!

来た日になんとなく広島駅で取ったチラシを眺めていたら、これ! 今日が最終日ではないですか!

なんとしてもひろしま美術館に行かねばならんでしょう!!

というわけで、「ひろしま美術館」に久しぶりにやって来ましたよ。

 

ここは、もちろん企画展もいいのですが、印象派などのフランス近代絵画が多く所蔵されています。

あちこちに椅子があって、ゆっくり出来るのもいいところです。

わたしはこの美術館が大好きで、中学高校時代は、ここにはよく来たものでした。

そして、印象派こそ絵画の最高峰だ! と思っていました。

 

入ってすぐ、中庭に出ます。

ここはいつも奥の建物が企画展示。中庭の中心にある円形の建物が常設展示です。

懐かしい作品に逢いに、まず常設展示室に入りました。

 

円形の建物の展示室は、4つに分かれています。

わたしにとっての原風景になっているような作品もあり、逆に初めて見たような新鮮な感動のある作品もあります。

永年わたしが来ない間に、やって来た作品もあるのでしょう。

さて。

第2展示室で眺めていると、トコトコトコ…と団体さんの足音が聞こえてきました。

でそちらを見たのですが、誰もいません。

足音は、2、3m左の絵のあたりから聞こえてきます。

近づいてみたら、まさにその「ピガール広場」(ピエール・ボナール作)という絵から聞こえてくるのでした。

A3版くらい、30㎝×50㎝ほどの小さな絵なのですが、その周りからではなく、その絵か、その裏側の壁から聞こえているのでした。

こんな絵です。

ちなみにわたしは、この絵のことは好きでも嫌いでもない…という以前に、記憶にありませんでした。

トコトコ音は、足音のみで話し声はありませんでした。

怪現象…というほど怖い雰囲気でもありませんでした。

開館から間もない時間で、まだ空いていたので、この展示室はわたし1人か、もう1人くらいでした。

観察しているこちらがおかしいのかな…? と思い始めてしまうほどの長さだったので、1,2分はトコトコ鳴り続いていたように思います。

 

「円形の建物だから、廊下の足音が反響してここに集約しているのかな?」

「ここの壁のすぐ外側に通路があるのかな?」

とは今も思っているのですが、結局わからずじまいでした。

 

 

そして、数日たった今思うに、他の絵ならたぶん

「壁に穴をあけてこの絵を盗もうとしているキャッツアイさんの仕業かな?」

と、警備員さんに通報したと思うのです。

なのに、こうして「不思議だねー!」で済ませてしまったのは、この絵に足音が似合い過ぎていたせいなんだと思います。

 

ともかく、このひろしま美術館は、住みたいくらい大好きな、おすすめの場所なのです。

あなたにも好きになってもらえると嬉しいです。

 

ではまたねー! トコトコトコトコトコ…