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数学解説ブログ(つくば市の「数学・算数・物理に強い」プロ家庭教師 長通幸大・発信)

中学高校の定期試験問題・大学入試問題・Twitterの数学特化系アカウントで出題された問題・閲覧した方からのご質問まで、幅広く取り扱う方針ですので、
日々の学習や数学的発想・思考力の向上にお役立ていただければ幸いな限りです。

Twitterで相互フォローをして頂いている方から、4問目の挑戦状が届いたので解いてみました!!

解答作成日:2016年4月9日
テーマ:60°の内角を含む三角形の辺の長さ
履修学年:
中学2年(正三角形の定義・三角形の合同条件)
中学3年(三角形の内角の二等分線に関する性質)
高校1年(余弦定理)
高校2年(式の除法・商と余りの関係)

まず、本題の最大のキーポイントです。
60°の内角は、非常に使いやすいものです。

理由は…?

その60°の内角を共通な角とする正三角形を手がかりにできるからです!!
しかも本題では、20°の内角が存在しますので、この20°の内角を「正三角形の内角を三等分した1角」と解釈することで、三角形の合同も導出できれば、角の二等分線の性質も使いやすくもなってしまいます!!






【参考1】「三角形が正三角形となる条件」について、当たり前といえば当たり前かもしれませんが、中学校の教科書ではあまり具体的に解説されていませんので、簡単にご説明致します!!

・3つの辺が全て等しい三角形は正三角形
⇒正三角形の定義(言葉の意味)が、そもそも3つの辺が全て等しい三角形ですので、明らかですね。

・2つの辺が等しく、その間の角(頂角)が60°をなす三角形は正三角形
⇒等しい2辺が重なるように三角形を折り曲げると、はみ出ることなくぴったり重なる(対称)ことから、頂角以外の2つの角(底角)が等しくなることがわかり、三角形の内角の和が180°であるので、この等しい2つの角の大きさは、(180°-60°)÷2=60°より、60°となることがわかります。内角がすべて等しい(60°)ので、どの2辺を重ね合わせても、対称になることから、内角がすべて等しい三角形は、3つの辺が全て等しくなり、正三角形となるのです!!

・60°の内角が2つある三角形は正三角形
⇒三角形の内角の和が180°であるので、残り1つの角の大きさは、180°-60°-60°=60°となることがわかります。以降は、内角がすべて等しい(60°)ので、どの2辺を重ね合わせても、対称になることを利用すれば明らかですね。

【参考2】「2組の三角形が合同となる条件」も一般的ではありますが、つまりは2組の三角形について、3頂点の位置関係がただ1通りに定まるから、合同が断定できるということですね。

【参考3】「余弦定理」につきましては、「余弦定理とその証明」をご覧の上、改めてご確認ください。

【参考4】「角の二等分線の定理」につきましては、追って解説をアップロード致します。

【参考5】「式の除法における商と余りの関係」につきましては、「文字を使った整数の表し方」及び「剰余の定理・因数定理」をご覧の上、改めてご確認ください。

本題では60°の内角の存在もさることながら、終盤の除法の過程で商と余りに共通因数を見つけ出せることが大きいですね!!

仮にこれがひらめかなかったとしましても、求めたい値(xの3乗-75x)を別の文字に置き換えることで、導出された式の次数を下げる方法も存在します。
(リクエストがございましたら、この方法も追って解説をアップロード致します。)

【参考6】「三角形の対辺と対角の関係」につきましては、図を描いてみたら明らかかもしれませんが、証明となるとやや込み入ってしまいますので、追って解説をアップロード致します。
(イ)2016の約数の、個数と和を求めよ。
(ロ)√(2016k)が自然数となるような正整数kの最小値を求めよ。
(ハ)2016の約数の和の、各位の数の和をa、積をbとおく。不定方程式ax+by=2016の正整数解を全て求めよ。


解答作成日:2016年2月11日
テーマ:
①素因数分解を利用した正約数の個数とその和の求め方
②文字を伴う根号が自然数となる条件
③不定方程式
履修学年:(イ)及び(ハ)は高校1年、(ロ)は中学3年

自作数学問題bot @mathquestionakt様が新しい問題をアップロードされましたので、お久し振りに解説を作ってみました!!

まずは正約数の個数と和からです!!
【問題8】約数が2014個の自然数のうち、最小の自然数はいくつか?また、その数は何桁か?では、正約数の個数から、元の自然数を構成する素因数の組み合わせとその累乗数を「推測」するという、本題とは逆の手順をご紹介致しました。

しかし!!本題はオーソドックスに、素因数分解をすることで「推測」をするまでもなくなるのです。
何の為に素因数分解をするのか…?
そうです!!
その数が、どんな自然数で割り切れるのかをハッキリさせる為ですね!!

自然数Aが自然数Bを約数に持つとき、A,Bをそれぞれ素因数分解すると、Bを構成する全ての素因数が必ずAに含まれる。
これを使えるようにするのです!!

本題では、全ての正約数の和も問われていますが、展開によってできる項の個数は、積の法則より、各括弧内の項の個数の積で表せるので、これを工夫して利用すれば、驚くほど簡単に計算できるのです!!

次に根号が自然数となる条件です!!
これは、高校入試では非常に有名な問題ですが、やはり「何の為に素因数分解するのか」を大切に意識しましょう。
本題では「kの値にかかわらず、根号で表す必要が無い部分を見きわめる為」に、素因数分解をするのですね。
これで根号内に残った数は、kの値によって根号がいらなくなるか否かが決まるのです!!

次に不定方程式です!!
a,bの値は、(イ)で正約数の和が求まってしまったので、問題の意味を取り違わなければ、すぐに出てしまいますね。
(取り違わないように、数字だけを見ないで、よく「活字を読んで」みましょう。)
しかも!!本題では等式の性質を使って、各係数を小さくすることができてしまうのです!!
これも、素因数分解様々ですね~。

更に!!y=0のときに、xが整数になることも明らかになります!!
これは解きやすさが格段に上がりましたね。

元の式と解を1組代入した式を連立方程式よろしく辺辺引くのも、不定方程式では常套手段ですが、これも「何の為に?」と疑問に思われるかと思います。

いくら解が1組分かったからって、他に解は存在しないということは断定できませんね。
比の式に換算することで、考えられる他の解を、探しやすくするためなのです!!





素因数分解というのも、色々と役立て方があるものですね。
履修学年:高校1年

「集合と要素」
の続きです。(随分と間隔が空いてしまいましたが…)

複数の条件を同時に満たす要素の集まりを「共通部分」と、
複数の条件の少なくとも一方を満たす要素の集まりを「和集合」と、
それぞれいうことは、前回の記事でもご紹介致しました。

本題ではこれに加えて、補集合というものもご紹介致します!!

補集合とは、ある集合に含まれない要素の集合のことを示します。

この補集合と、共通部分・和集合を融合させることで、いろいろな「集合」を表現できるのです!!





全ての集合は「共通部分」の∩記号を使うことで、4種類に分割できて、
∪記号で表される「和集合」は、複数の共通部分の和であることがわかりますね。

これが、和集合が和集合といわれる所以なのです!!

前回の記事で、「ベン図を追ってご紹介致します」と言っておきながら、
結局ベン図を使わずに解説してしまいましたね…。

せっかくですので、図の意味だけでもご説明致しますね。

外側に描く大きな長方形の内部が、各集合の要素となるか否かの判定対象となる「全体集合」です。
長方形の内部に、一部を重ねて描く2つの円が、「集合A」と「集合B」です。
そして、2つの円の重なった部分が「共通部分A∩B」、
2つの円の少なくとも一方の内部にある部分(重なった部分も含みます)が「和集合A∪B」です。
補集合も、円の内部にあるか外部にあるかで、判定できるのです!!

本題の例題とも、照らし合わせて試してみましょう!!