罪の声 | p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:土井裕泰
キャスト:小栗旬/星野源/松重豊
配給:東宝
公開:2020年10月
時間:142分




1984年に日本中を震撼させ,未解決のまま時効を迎えた実在の劇場型犯罪“グリコ・森永事件”をモチーフにした塩田武士のベストセラーを,脚本に『図書館戦争』シリーズや『アイアムアヒーロー』の人気脚本家・野木亜紀子を起用し,小栗旬と星野源の主演で映画化したヒューマン・ミステリー『罪の声』を今夜は紹介。監督は『麒麟の翼 ~劇場版・新参者~』『映画 ビリギャル』(2015年・東宝)の土井裕泰。

35年前に起きた食品会社を標的とした脅迫事件は,警察やマスコミを翻弄し続け,日本中を巻き込んだ衝撃的な日本犯罪史上初の劇場型犯罪となった。しかし犯人グループは忽然と姿を消し,事件は解決することなくそのまま時効を迎えた。大日新聞の阿久津英士(小栗旬)は文化部記者ながら,この“ギンガ・萬堂事件”を取り上げた特別企画班に入れられ,戸惑いつつも取材を重ねていく。

一方,京都でテーラーを営む曽根俊也(星野源)はある日,父の遺品の中に古いカセットテープを発見し,自分の声が“ギン萬事件”で使われた脅迫テープの声と同じことに気づく。知らないうちに事件に関わってしまったことに罪悪感を抱きながらも,彼もまた,なぜ自分の声が使われたのか? その謎を解き明かそうと事件を調べ始める。こうして阿久津と曽根,そして脅迫テープに声を使用され,知らないうちに事件に関わってしまった子供たちの人生が,時を経て,激しく交錯し始めるのだったが…。

予備知識なしに見始めたのに,忘れていた“グリコ・森永事件”の記憶が引っ張り出される。まだ幼なかったがTVでの騒ぎや“キツネ目の男”の似顔絵が蘇る。作品中では“グリコ→ギンガ”“森永→萬堂”などと置き換えられているが,事件の概略が事実に即しているせいか,犯人像まで真実に思えてくる。小栗旬,星野源をはじめとする俳優たちの繊細な演技力がリアリティをさらに高める。とにかく精巧に組み立てられた秀逸なサスペンスで,同時に“過去に対峙しながら生きる”ことの意義さへもテーマにする。

共演は他に,松重豊,古舘寛治,火野正平,宇崎竜童 など。第44回日本アカデミー賞では,野木亜紀子が最優秀脚本賞に輝いた。


映画クタ評:★★★★★


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