麒麟の翼 〜劇場版・新参者〜 | p・rhyth・m~映画を語る~

p・rhyth・m~映画を語る~

メインブログ【くた★むび】



監督:土井裕泰
キャスト:阿部寛/新垣結衣/溝端淳平
配給:東宝
公開:2012年1月
時間:129分




東野圭吾原作の,こちらは加賀恭一郎シリーズ。日曜劇場『新参者』(TBS)の映画化。劇場版単品でも十分に楽しめるが,ドラマシリーズを先に通しで見ておくと,さらにキャラクターに感情移入しやすいかも。

タイトルの『麒麟の翼』とは,日本橋の中央にあるにある大きな翼を持った麒麟の像のこと。日本橋は江戸時代に五街道の起点であったことから,「ここから羽ばたく」という意味を込め設置されたとか。この麒麟像が,物語中で重要な意味を表すことになる。

ある日,日本橋の翼のある麒麟像の下で男性の刺殺体が発見される。被害者である青柳武明(中井貴一)は死の直前,腹部を刺されながら誰に助けを求めることもなく,8分間も歩き続け,縁もゆかりもない日本橋までやって来るという不可解な行動をとっていた。一方,容疑者には,青柳のバッグを持って現場から逃走中に車に轢かれて意識不明に陥った若者・八島冬樹(三浦貴大)が浮上。恋人・中原香織(新垣結衣)が懸命に無実を訴えるが,事件は八島の犯行としてあっけなく解決するかに思われた。そんな中,日本橋署の刑事・加賀恭一郎(阿部寛)は従弟で警視庁捜査一課の松宮脩平(溝端淳平)とともに独自の捜査を進めていくが…。

1987年に映画『はいからさんが通る』(東映)で俳優デビューしてから四半世紀の間に,映画だけでも70本以上の作品に出演してきた阿部寛。『HERO』の芝山や,『トリック劇場版』シリーズの上田,『テルマエ・ロマエ』シリーズのルシウスなど,どれもベースは彫りの深い日本人離れした阿部寛なんだけど,きっちりとそれぞれのキャラを作り上げていると感じる。

この作品でも,クールで人情味のある加賀の役柄が,日本橋という歴史と情緒溢れる都会にとてもマッチしている。松宮とのコンビで挑むひとつの殺人事件の捜査を通じて,その意外な真相と,事件の背後に潜む切なく感動的な人間模様が丁寧にひも解かれていく,最高の味と香を持つミステリーだ。


映画クタ評:★★★★★


右矢印「クタ評」5つ星★作品まとめ

右矢印東野圭吾作品まとめ

右矢印松重豊作品まとめ

右矢印溝端淳平作品まとめ

右矢印松坂桃李作品まとめ

右矢印中井貴一作品まとめ

右矢印菅田将暉作品まとめ

右矢印阿部寛作品まとめ

右矢印山﨑努作品まとめ