祈りの幕が下りる時 | p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:福澤克雄
キャスト:阿部寛/松嶋菜々子/溝端淳平
配給:東宝
公開:2018年1月
時間:119分




2010年に放送されたTVドラマの『新参者』から8年,劇場版としては『麒麟の翼』から6年ぶりとなる続編。『新参者』シリーズ完結編と予告されていたこともあり,是非とも劇場で観ておきたいと,さっそく足を運んだ。原作は2013年に刊行された東野圭吾の人気シリーズ。監督は,TVドラマ『半沢直樹』『下町ロケット』などの演出を手がけ,映画では『私は貝になりたい』(2008年・東宝)に続き2作目となる福澤克雄。

ある日,東京都葛飾区小菅のアパートで女性の絞殺死体が発見される。被害者は滋賀県在住の押谷道子(中島ひろ子)で,現場アパートの住人・越川睦夫は行方不明となっていた。松宮脩平(溝端淳平)ら警視庁捜査一課の刑事たちが捜査を進めるが,道子と越川の接点がなかなか見つけられない。やがて、押谷道子は学生時代の同級生である舞台演出家・浅居博美(松嶋菜々子)を訪ねて東京に出てきたことが判明するが,事件の核心はいまだ掴めないまま。

近くで発見された焼死体との関連を疑う松宮は,越川の部屋から日本橋を囲む12の橋の名が書き込まれたカレンダーが発見する。それを聞いた日本橋署刑事・加賀恭一郎(阿部寛)は激しく動揺する。同じ書き込みのあるカレンダーが,かつて加賀と父・隆正(山﨑努)を捨てて蒸発した母・百合子(伊藤蘭)の遺品の中にもあったのだった。自らがこの事件の最大のカギであることを悟り,戸惑いを隠せない加賀だったが…。

“刑事モノ”なのにアクションも拳銃も出てこない。“サスペンス”なのに事件そのものよりも,関係者の過去や内面に視点が置かれ,いくつもの時間と伏線が後半一気に繋がってゆく。TVドラマから一貫するこの加賀のキャラと展開が見納めというのは,やはり寂しい。

父との確執,母の失踪,そしてなぜ加賀が“新参者”となったのか? など,これまで明かされることのなかった謎が明らかとなる,ファンには“ヨダレもの”の完結編。シリーズファンはもちろん,初めて観る人も,この静かで濃厚で,かと言って重苦しくはない“2組の親子の愛の物語”に浸って,終盤では存分に涙腺を解放してほしい。

共演は他に,田中麗奈,キムラ緑子,烏丸せつこ,小日向文世,及川光博など。エンドロールのバックには,TVドラマ第1話に出演した香川照之と杏も姿を見せる。


映画クタ評:★★★★★


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◆シリーズ一覧◆

麒麟の翼 ~劇場版・新参者~』(2012年)