007 慰めの報酬 | p・rhyth・m~映画を語る~

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原題:007 Quantum of Solace
監督:マーク・フォースター
キャスト:ダニエル・クレイグ/オルガ・キュリレンコ/マチュー・アマルリック
配給:SPE
公開:2009年1月
時間:106分




昨夜の『カジノ・ロワイヤル』のほぼ2年後に公開された続編だが,時系列としては『カジノ・ロワイヤル』のエンディングの1時間後から始まるという,異例の形となった続編。シリーズ22作目となる。監督は後に『ワールド・ウォーZ』や『プーと大人になった僕』(2018年・ディズニー)を手掛けるマーク・フォースター。アクション作品の監督は初めてであった。

愛するであるヴェスパーを失い,復讐を誓ったジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)は,彼女を操っていたミスター・ホワイト(イェスパー・クリステンセン)をトランクに詰めたアストンマーチンで追っ手たちを振り切り,M(ジュディ・デンチ)の元へと連れてくる。しかし,MI6の内部にも裏切り者がいた。背後に世界中の有力者や諜報機関までも取り込む巨大な組織が存在していることを知ったポンドは,捜査のためハイチに向かう。そこで知り合った美女カミーユ(オルガ・キュリレンコ)を通じて,組織の幹部ドミニク・グリーン(マチュー・アマルリック)を突き止める。

グリーンの表の顔は,環境保護のため土地を買収する慈善団体“グリーン・プラネット”のCEO。だがその裏では,ボリビアの土地に眠る貴重な天然資源の独占を目論み,かつての独裁者で失脚したメドラーノ将軍(ホアキン・コシオ)と手を組んでクーデターを企てていた。そんなメドラーノ将軍に両親と姉を殺され,家を焼かれたのがカミーユだったのだ。復讐を果たそうとする彼女に,自分のヴェスパーへの思いを重ねるボンド。ボリビア駐在の諜報員ストロベリー・フィールズ(ジェマ・アータートン)やMI6を引退したルネ・マティス(ジャンカルロ・ジャンニーニ)の手を借りて,グリーンを追い詰めようとするのだったが…。

シリーズ最短の106分に凝縮された速くてタイトなアクションは,洗練されたとも言えるが,若干“まとめ過ぎ”に感じられる。ボンドのクールさと復讐心はよく出ているが,“ボンドらしさ”が薄くなった印象があった1本。『カジノ・ロワイヤル』の後編として,あと1歩の盛り上げやスッキリ感は欲しかった。

さて,『スペクター』から5年ぶりの新作となる4月公開のシリーズ25作目『ノー・タイム・トゥ・ダイ』。監督には日系アメリカ人のキャリー・フクナガが抜擢。現役を退き,ジャマイカで平穏な暮らしを満喫していたボンドのもとに,この『慰めの報酬』にも登場する旧友のCIA局員フェリックス・ライター(ジェフリー・ライト)が助けを求めて現れる。誘拐された科学者を救出するという一見簡単な任務に乗り出したボンドは,恐るべき新技術を武器に世界を混乱に陥れようとする謎の敵に立ち向かうことになる,というもの。公開が楽しみだ。


映画クタ評:★★★★


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◆シリーズ一覧◆

007 カジノ・ロワイヤル』(2006年)

007 スカイフォール』(2012年)

007 スペクター』(2015年)

007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2021年)


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『007 慰めの報酬』
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