キングコング/髑髏島の巨神 | p・rhyth・m~映画を語る~

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原題:Kong: Skull Island
監督:ジョーダン・ヴォート=ロバーツ
キャスト:トム・ヒドルストン/ブリー・ラーソン/サミュエル・L・ジャクソン
配給:ワーナー・ブラザース
公開:2017年3月
時間:118分




キングコング映画としては1933年の初版から数えて8本目となるらしい。記憶にあるのは2005年のピーター・ジャクソン版『キング・コング』(ユニバーサル)だが,日本人の国民性からか,エンパイア・ステート・ビルに登るコングにゴジラほどの萌えを感じなかったし,B級っぽさだけが刷り込まれていた。

しかし今回は,ハリウッドの映画制作会社レジェンダリーと東宝が提携し,ゴジラとキングコングを中心に同一世界観のクロスオーバー作品として扱う“モンスターバースシリーズ”が発表され,『GODZILLA ゴジラ』に次ぐシリーズ第2弾として公開されたリブート版キングコング。これは押さえとかなきゃでしょ! と,劇場へ足を運んだ。

泥沼のベトナム戦争が終結を迎えつつあった1973年。アメリカの秘密研究機関モナークは,未確認生物の存在を求め,南太平洋に浮かぶ未開の孤島“スカル・アイランド(髑髏島)”に調査隊を派遣する。メンバーは,ジャングルでのサバイバルに精通した英国陸軍特殊空挺部隊の元兵士コンラッド(トム・ヒドルストン/吹替:GACKT),モナークのランダ(ジョン・グッドマン),その部下で地質学者のブルックス(コーリー・ホーキンズ),生物学者のサン・リン(ジン・ティエン),カメラマンのウィーバー(ブリー・ラーソン/吹替:佐々木希),ベトナム帰りの米軍ヘリ部隊を率いるパッカード大佐(サミュエル・L・ジャクソン)など。

しかし調査のために爆破を繰り返す一行の前に突如,あまりにも巨大な島の“守護神”キングコングが現われ,ヘリコプターを次々と破壊し始める。その圧倒的な破壊力に為す術もない人間たちは,本能と暴力が支配するこの恐るべき原始空間から逃げ延び,一刻も早く島から脱出すべく,決死のサバイバルを繰り広げることになるのだったが…。

コング史上最大を誇る体長31.6m・体重158トンの“髑髏島の巨神”の大きさと破壊力が,古い怪獣映画の持つB級臭さや,妙に人間に媚びるイメージを一瞬で吹き飛ばす。そこにあるのはまさに巨大生物の“生態系”であり,彼らにとっては人間なんかおやつにもならない存在。特にクライマックスとなるコングvsスカル・クローラーの迫力といったら,もう人間の入る余地なんてない。しかしそこに無理矢理に遺恨や繋りを求めてゆくのが“人類の性(さが)”か。まるでお節介のように巨大生物に関わろうとする人間描写が『GODZILLA ゴジラ』にも共通する“モンスターバースシリーズ”の特色となってゆくのかもしれない。

そういう部分では日本版の『シン・ゴジラ』の巨大生物との関係の方がクールだった。ただ,日本版の場合,ファンを中心に妙に“哲学的”になっていった感があって,シリーズ化されるとしたら面白い対比となってゆくだろう。

ちなみに主演のトム・ヒドルストンは『マイティ・ソー』シリーズや『アベンジャーズ』のロキ。日本語吹替は何とGACKT。ヒロインのウィーバーの吹替には佐々木希も参加している。

さて,エンドロール後のシーンで壁画に描かれた恐竜,翼竜,蛾,三つ首の竜…は,ゴジラ,ラドン,モスラ,キングギドラ。“モンスターバースシリーズ”では,2019年3月に『Godzilla: King of Monsters』,2020年3月に『Godzilla vs. Kong』が企画中だと発表されている。


映画クタ評:★★★★


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