ドイツ菓子カーベ・カイザー -7ページ目

お寿司

ずいぶん前の話になります、私がドイツでお菓子の技術を習得しようとしていた40年程前のことです。ドイツ料理もビアーも勿論美味しくいただいて楽しんでいたのですが、ある時日本の商社の方がお寿司を食べに誘ってくださいました。久しぶりのお寿司、お米が食べられることに期待も弾み勇んでお店に入り驚きました。日本で食べていたお寿司とは違い、大違い愕然としたのですが、おなかもすいてますし頂きました。食べ終わる頃には日本人らしい顔つきのお店の方が出てきましたが、日本語ではなく中国語でおしゃべりしてます。
日本語でお寿司と書いてあり日本風な店名です、私は何か悲しくなってしまいました。
「寿司はこんなんじゃねーや」と憤慨もしました。
よその国の食文化を名前が違うならまだしも好き勝手に変えるのは失礼なことだ思ったのす。
そんな体験から私の造るバウムクーヘンは材料の許す限りアレンジなしで造り美味しさを追求する。
ドイツの職人より教えていただいた正統なドイツスタイルのバウムクーヘンを焼くんだと決めたのでした。
それは今でも変わらぬバウムクーヘンに取り組む私の姿勢です。それでは又

アレンジ

今日は定休日でしたが、西宮のお菓子屋さんたちが、市役所、商工会議所のお力を頂き
年に一度の園遊会がノボテル甲子園で行われました。弊店のチーフが担当したのはお菓子の
フルコースのメインの前の一皿一口サイズの生ハムオープンサンドでした。帰ってきての話では、好評でしたとのこと、良かったお疲れ様でした。
私は所要で出かけ帰りに百貨店のお菓子売り場をのぞいてみると色とりどりのバウムークーヘン、バームクーヘンを販売していました。バームクーヘンはもう日本独自のお菓子になったようです。
私たちの造っているドイツスタイルのバウムクーヘンはますます希少性が出てきました。
これから少し私たちのバウムクーヘンをお話ししてみましょう。ではまた

シュトーレン

よーく寝ましたよ、24時間ぐっすりです。
さあさあ起きて目を覚ましてと言いように白い粉砂糖でシュトーレン全体をこすられます。くすぐったいし、隅々まで粉砂糖を刷り込まれてもう目はパッチリお目ざめです。そして真っ白な粉砂糖を全体に振り掛けられしばし休憩、フワと粉雪のように柔らかく包まれて最高にリラックスできる時なの、本当に美しい姿なんだから。見たら皆さん美味しそうて言うわ。でもそれも束の間で大きなフィルムに全身を包まれてしまい「苦しいよ呼吸困難」、でもこれで熟成が進みます、早いものは3~4日でいただけます。目安はくるまれた粉糖が浸み込んだバターの薄い黄色を帯びてきたらお召し上がりください。一センチほどの厚さに切ってください。切るときに包んでいたバターが浸みた粉砂糖がはがれるときは切り口に乗せて、美味しいよ。保存は切り口の乾燥を防いで、太陽光も避けて、入っていた箱に入れ置いてください。ゆっくりとお楽しみください。 ではまた

シュトーレン

今日午後にカイザーのクリスマスカタログの撮影がありました。撮るのはスタッフが皆大好きな写真家のGさん当然シュトーレンも取りました。いい感じで撮影をしてましたので期待してます。
さてシュトーレンがオーブンに入ったら、ドイツではここで親方が大きな声で「Gut!」言うと皆も緊張がほどけるところです。
焼き上がるまでの一時間ほどの間に溶かしたバター、目の細かい砂糖などを用意します。
焼き上がったら又、急げ、急げの仕事です表面に出ているフルーツやナッツを取り去ります。
素手ではとても熱くて持てません、手袋をしての作業です。すぐさまバターのお風呂にザンブと入れます。しっかりと育った生地はバターをよく吸い込んでくれます。網に載せて余分なバターが落ちたらすぐに砂糖でくるみます。急がないと生地が風邪をひいてしまいしっかりと砂糖でくるめないのです。出来がよくないと中に入ったバターも砂糖に吸い寄せられてしまうのです。
シュトーレン造りには生地が風邪をひくとか、発酵が進みすぎるとおじいさんになるとか面白い言い回しがあります。
さてこの状態で24時間じっくりとお休みです。、ではまた

シュトーレン

お菓子に携わって3年ほどしてシュトーレンを口にしましたドイツ人の造ったシュトーレンです。
衝撃を受けました。
この頃はよく目にするようになりました。、パン屋さんが造ってますのでパンの一種と思うようですが、ドイツではお菓子屋さんの造るシュトーレンとパン屋さんの造るそれとは雲泥の差があります。
イーストを使いますのでパンだと思うのでしょうが、生地(タイク)に入るフルーツやナッツの量が
多くまたマジパンやバターを多く使いますので熱を中心部に通すためにイーストを使うと教えられました。ですから生地(タイク)はじっくり育み育てるとの表現がふさわしいと思います。
カイザーでは下準備から出来上がるまでに3日をかけますが、生地がうまく育つための環境、条件を整え出来上がるまでには必要な日数と思います。
決められた温度で練り上げた生地(タイク)を布でくるみじっくり低温で育ててゆきます。
充分に育った生地に準備しておいたナッツやフルーツを混ぜいれ時間をかけて生地に馴染ませます。それから一気に大きさに合わせ分割して成型、窯入れまで急ぎます。急げ、急げの声と
めん棒が立てる音だけでとにかく急ぎます。
オーブンに全部入ったらほっとします。それではまた