このような記事が出ていました。今の２３，４歳の学年から適用されていた都市部の私立大定員厳格化ですが、緩和され、４年間の合算定員（１年で定員に変動があっても、ほかの学年との合計で一定枠の中に入っていればよい）になるようです。
またここで流れが変わりそうですので、今後の大学の流れも含め、僕から見えている部分で、どうなるかを予想し、論じてみたいと思います。
＜これからは、流れを読むことが大事＞
……定員厳格化は、これまでの僕の感覚で「まあ、MARCHくらい行けるだろう」という子がどんどん落ちるようになり、かなり面くらいました。今までより、１．５倍くらいの学力がいるイメージで甘くはなかったです。
余計にAOなどの推薦も増えたし（意外に今のAOは準備に時間だけをやたら食うので、学力をしっかり高めて一般のほうが良い気がしているのが正直なところ）、中学受験で大学付属を希望する方も増えました。そんなに偏差値が高くない中堅大学付属系でも、付属の人気が高まって競争率が上がり、中学受験にも影響がありました。
今後は、私立大は「４学年の合算」で一定の倍率定員を超えなければ大丈夫だそうです。ある年に入学辞退者が多くても翌年、多くとればよいとなるのです。
ここから推理される今後の流れは、
・MARCH・関関同立レベル以下では、追加合格が減る
・数年の合格者・進学者数のデータを分析すべき
このようなことが言えます。早慶で辞退者というのは、早稲田・慶応・上智あたりを全部受かった子が、国立大を含め一つを選ぶ場合にのみ発生し、そんなに多くはありません。追加合格を出さなければいけないほどの辞退者数になる事態は、上位校ではなかなか起こらないでしょうし、翌年にその分の生徒をとればよい、ということになります。
つまり、早慶上智レベルは追加合格が減ります。
問題はMARCHレベル以下です。数十人単位の辞退者が出る場合もこれまではあったのですが、今後は追加合格は少しでよいことになります。
これは、
・より確実な学力がいる。大学側は水準を高くしておけばよい。
・前年度、辞退者が多かった学校を調べておけば、今年は多く取りそう、などがわかり、おいしい学部がわかる。MARCH・関関同立近辺は、「おいしい学部」を探して、駆け引きに勝つのも大事。２から３年分のデータを調べた人間が勝つ
ということがいえそうです。
MARCH近辺は、厳格化の影響が出て最近では早慶や国公立大志望者の滑り止めにも使われます。また大学もAOや指定校推薦枠を営業上設けているので、外部受験の定員を絞ってきていることもあり、競争が激しいです。日東駒専ランクの子でも、日程的に受けられるので一つくらいは受けに来ます。
まあ、それまでが受かりやす過ぎた、とも言えますので、今くらいの厳しさでよいと個人的には思います。安倍政権の地方創生には疑問が残りますが、結果としてはこれでよいと思います。もう少し、獣医や医学部の新設を認めたほうが国のためには良いと思いますが。（新設学部は獣医や医学部では、加計学園や国際医療福祉大学くらい。安倍さんは頑張ったといえる）
大学教育、ですので、勉強する気がない子、高学歴でありながら日本社会に貢献する気がない子、大きく世に出て稼ぐ気がない子、などはこなくていい、というのが僕の想いです。
とはいえ、中高一貫校出身で、国公立大を狙う人間にとっては、それでも全く落ちる気がしない程度の学校がMARCH・関関同立レベルです。だから、たった一度の青春ですから、ちゃんと国公立大を目指して勉強をしてみたほうが良いと僕は思います。
＜各大学の入試問題格差がえぐい＞
……ここからは、各大学の過去問や最近の作問傾向からみていきます。昨年より、大学共通テストが変わって、より詰め込み型が否定され、比較や思考が問われるものが増えました。また、読解する能力が要求されるようになっています。
この流れは、現代のネット文化や世界の教育界の潮流を受け、２０００年代からの流れがあります。
家庭教師としては、成績を伸ばす自信が著しくなくなりましたが（笑）、非常に良い傾向に思います。
ここで、各大学の最近の過去問を見てみます。すべて世界史の近年の過去問です。
これが、今年の大学共通テストです。知識は要るものの、問題文を読んで、前後関係をしっかりとらないと得点できないようになっています。このほかにも、貿易量のグラフから変化を読み取ったりと、東大の二次試験に近い内容に様変わりしてきています。かなり工夫されてきています。この傾向は２０１５年くらいのセンター試験から徐々に変わってきていました。
これは、某MARCHレベルの大学の一つですが、これは、少なくとも２０年くらいは変わっていない、相変わらず知識偏重のクイズみたいな問題が出ています。
早慶になると、通称「間違い探し」と言われる、確かな知識をもっていないと答えられないきっつい問題が出題されます。これは、かなり教科書や資料集を読み込んでいないときついです。早慶の社会なら、東大のが楽、という生徒はけっこういます。まあ、こういう入試のほうが楽と思えるならよいと思います。
これは、国公立大でも東大や一橋よりはワンランク偏差値帯が下の学校のものです。これは、あらかじめキーワードをくれていて、あとは流れなどを論述する形式となっています。
これも昔からある傾向ですが、このようなガチ論述があるのは早慶レベルの一部の学部や国公立大の一部のみです。点数が取れるようになるのは大変ですが、まあ、学問の本質を常に追い求める感覚をもっていれば、一人でに到達する部分です。また、どうせ平均点は半分もいかないので、半分でいい、と思えるので楽でもあります。
共通テストは現行、意識ある子や偏差値の良い大学に行きたい子はみんなが受けるものとなっています。つまり、共通テストを避けて通ることが、できないわけではありませんが、通ったほうが共テ利用のテストもあり、いろいろと有利です。
ただ、見ていただくとわかるように、この文部科学省が推し進めようとする教育の人材像と、各大学の入試がかなり乖離してきています。私立大は大きな改革などせずとも、内進の子もいるし、経営としては盤石の体制を敷いています。つまり、変える必要がないわけです。
いろいろと各大学が改革を銘打ってはいますが、お金の匂いしかしないですね。（入学者を増やそうとガワをよく見せるような感じ）その点、東大や早稲田などは、僕が確認しているだけでも、日本全体にとって、というのを意識した動きがあります。京大などにもあると思います。
定員厳格化からは、中堅の大学でかなり頑張っているところもあるようですが、一度固定化された大学の「感じ」が覆ることはそうはありません。その辺も可哀想ではありますね。
ま、今後は不祥事などで沈んでいく大学が出てくることと思います。現代社会では、不祥事があると、ネットで一気に拡散され、世論ができてしまうし、マスコミにたたかれます。そうすると、生徒はなんとなく「いやだな」となってしまい、入学を忌避する傾向が出てくると思います。ちょっとのミスが大ダメージになる時代がもう来ています。僕も気をつけなきゃね（笑）
このようなネット時代のホワイト化（不倫や不正などに厳しくなるネット時代の集団意識の傾向）の影響も今後はありますので、MARCHレベルでもお金面やセクハラ・パワハラ行為などの不祥事が生じた場合は、偏差値帯などの逆転がこれからはあり得ることでしょう。
とはいえ、今後は
・時代にあわせ、論述や思考力を問い、しんどい採点業務などをあえてする心ある学校
・昔ながらの重箱の隅的クイズ問題ばかりだし、採点が楽なだけの問題を作り続ける学校
このように２分化していくことと思います。おそらく、国公立大の中でも分かれていくし、私立大の中でも分かれていくことと思います。（ま、その変化はもう始まってます）
もちろん、世間的にはMARCHレベルの大学に入れれば、社会でそのように扱われ、おいしい感じにもうしばらくはなれますから、それでも良いと僕は思います。
ただ、１０年もしないうちにAI時代が来て、世間は大きく変化することは確定しています。その時代にググればわかるような知識ばかり聞いてきて、そのつながりや前後関係、ニュアンスなどを問わない大学や人材が生き残っていけるのかな、世間から必要とされるのか、
日本にとって、有用なのかな、
という疑問は残りますので、ここに疑問を呈しておきたいと思います。大学が変わらないことで、亡国の因を作るような気がしてなりません。杞憂だとよいのですが。
中身は大したことないのに、世間的に有名○○大卒だ、と思われてしまうことが、もっとも日本にとっては損失だと思います。それでは、良い人材の所在が分からなくなり、世の中は一つもよくならないのではないでしょうか。社会が衰退すれば、子供本人にとっても不幸です。
あまり勉強をせずうまいこと良い大学に入れたと自分で思える方々は、優秀だった他の人々が長い時間をかけて必死こいて努力し、成果をあげ、そのブランドイメージを保ってきた、ということを忘れないでいただきたいと思います。
できることなら、論述や思考、比較・分析など、難しいとは思いますが、そのようなこともできる人材をこのブログに縁ある方々には目指してほしいと思います。
もちろん、難しいですが楽しめる部分もあります。頑張る甲斐はあります。鍛えていけば、世界は一変します。
また、一旦思考力がつけば、それがない「記憶ばかり」の人間には簡単に勝てますから、今後の生き残り戦略としても非常におススメです。
いつも読んでくださってありがとうございます。
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＜追記＞
この度、僕がベース軍師として加入している戦国バトルメタルバンド『Allegiance Reign』の初MV＠小田原城
是非ご覧になってください。僕は烏帽子かぶってるのが僕です。
◆ＭＶ
https://youtu.be/tI4YvWd8sz0
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