集中力をハックする(脳のしくみを知って勝つ) | お受験ブルーズ

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現役講師がお受験を通じて世間を眺めています。
大手塾勤務→独立→プロ家庭教師と変わって来ました。(作曲・編曲、戦国シンフォニックメタルバンド「武士メタル~Allegiance Reign~」のベーシストとしても活動しています。どっちも本気です)

 少し前に生徒さんから勧められた本を読んでいて、さらにそこから、スポーツ関係でもご活躍されている脳神経外科医の林成之さんの著書を読みました。

 

 

 これが非常に示唆に富んでいて面白かったです。今までメンタリストダイゴさんなどから見聞きしていた情報とも合致し、「あれ、これがソース元かな」と思える部分もありました。今日は、ここから、受験にも使えそうな部分や、僕がどうしても語りたい部分などを書いてみたいと思います。

 

 

<どうやって「合格できそう」までもっていくか、が大事>

 ……この本ではいくつかの脳の性質が述べられています。脳にはやっかいな?2つの性質があり

自己保存(自分を守ろうとする)

統一・一貫性(脳は、大体前とおんなじようなこと、自分が考えたことを好む)

 

 これが良いようにでれば簡単に勝てるし、悪いようにでれば、言い訳ばかりで何もしない人間になるそうです。

 

 高校野球などで9回2アウトまで追い込んだのに、そこから逆転をされてしまう事例が結構あります。これが起こる場合は結構脳の働きのパターン化が見られるそうです。

 

・勝てそうだ、「もうこの1アウトで終わりだ」

 

 と思った瞬間に、脳は「もう勝った」のと同じ錯覚に陥ってしまい、ある種の満足感が来て、集中力が切れてしまうそうです。集中力が切れてしまうと、不思議と楽を求める自己保存の性質が出て、「早く楽になりたい」と甘い球を投げてしまいやすく、結果打たれて負ける、というのです。

 

 これは、別の本の見解ですが、「ダイエットに成功した私」を想像すると、ダイエットができたと脳がある種錯覚し、ダイエットが継続しなくなることと同じに思います。

 

 この点からも、「成功した自分を思い浮かべる」「よい結果を強く思う・願う」などの引き寄せの法則っぽいことは、科学的には真逆であるといえます。集中力は切れやすいです。

 中途半端なスピ系にはまる方は、このように科学的に真逆をしていることが多く、本番にも弱いし、メンタルも弱っていくパターンを僕は多く見ています。

 

 

 まず、脳は意外に錯覚しやすいので、来てもいない未来を思い浮かべる癖がある場合には要注意です。これは、神道の「中今(過去でも未来でもなく、今に集中することが良い)」にも通じます。

 

 もし、「合格無理っぽいな」「今日は調子が悪い」「気分が乗らない」などと脳が思ってしまうと、自己保存の性質が働いてしまいます。いろいろ言い訳を言って、自分を正当化して、やらないことに理由をつけてしまいます。変化を嫌うのです。

 

 調子が悪くて失敗すると思えたなら、そうするほうが脳にとっては変化が少なく楽(自己保存)ですので、本当に努力をやめてしまう現象が結構あるそうで、僕にも心当たりはあります。いろいろ大事な模試の前に言い訳を作るように、ゲームをしようとしたり、さぼってしまう、ほかのことを考えてしまう、漫画を読んでしまう、などは、上記の二つの脳の性質からきます。

 

努力不足からくる予感を脳が楽をするために現実化を図っている」

 

 というわけです。怖いですね(笑) そら受験では負けますわ。ま、僕の見立てでは8割くらいの人間はこの性質に翻弄されていますから、そこからも勝負ではありますけどね。

 

 

 この性質は、統一・一貫性ともかかわっていて、脳は前と同じことを「楽」と感じます。

 

 よって、逆に「合格できそうだ」「東大にいそうだ」となんとなく思えた場合は、考えたことを実現するほうが脳は変化が少なく楽と感じ、そのための努力には集中がしやすいともいえるのです。ただ、これは、普段からそれだけの努力行動が必須です。

 そもそもどうやってその努力をし始められるのか、の方が皆さんには大事であろうと思います。

 

 まずはいろいろと知っておきましょう。知識が大事です。忘れるたびにググるような知識ではダメに思います。

 

 脳の性質も、知識をもっておくことで、逆にうまく使っていくこともできるわけです。これを最近の言葉では「ハックする」といいます。脳もハックして、欠点も長所も知っておき、自分の使いやすいように持っていけばよいのです。

 

 大きな合格を達成するような子は、思いのパターンがあることを僕も感じていて、今回の本を読んでそれがはっきり分かった思いです。

 

 さて、不合格になりそう、だめそう、調子悪い、とばかり思えてしまうなら、以下のことを試してみましょう。

 

・一旦、気分を切る。視界を大きく持ち、考えを「外す」。場所を変える、体の向きを変える、など具体的に

 

・そのうえで、「今」の毎日の、課題に全集中(具体的に○○ページまでやる、と決め、やり切る。途中で終わらせない)

 

・その計画は、ざっくり漠然と立てておく(完璧に立ててしまうと、それだけで脳の統一・一貫性が発揮され満足してしまってやらないパターンも多いので、漠然と、が大事。どうせ計画は倒れるものと諦観しておく)

 

・できれば、その勉強にも「好きな点」を探す努力をする。勉強そのものが無理そうなら問題集をこなした達成感でもいいし、他人より良い点数がとれたことでもよい

 

 

<自分からやってないと集中は難しい。受け身では無理>

 集中力は、脳の中の「自己報酬神経群」から発せられるそうです。詳しくは上記本に譲りますが、要するに「自分から」発した行動でないと集中はできない、ということです。

 

 つまり、好きなことが最も大事で、嫌いなことには絶対に集中できないのが脳です。このことも知っておきましょう。親や上司から言われた命令をこなす形では、絶対に集中はできません。いったん、自分で意義などをとらえなおし、自分からの行動に置き換えることが大事です。

 

 まあ、難しいですよね(笑) でも、みんなしんどい中でも努力してきています。集中などできなくても、努力を続けていることはまずは尊いです。そのうえで、「他人の3時間を1時間で終わらせる」ほうが良いなと思えたら、集中力の力を使いましょう。

 

 僕が自分の著書などで「自走モード」をすすめていることともリンクしますが、自分で考えて、自分で努力行動を起こしている子が、受験では圧倒的に有利です。動機はどんなに不純でも構いません(モテたい、とかでもOK、笑)

 

 年端もいかない年齢で、そういう感覚に至れること自体が非常にまれで、もし達成できれば簡単に(とはいっても結構努力は要るが)優秀層に行くことができる、と僕からの観測でも思います。

 

 教育というのは、もちろん最終的には子供のためになることではあると思うのですが、とはいっても、それまで遊び三昧だった子に、人間社会に適応してもらうためにいろいろ努力(変えてもらう)をしてもらわなければならないので、子供側からは受け身になりやすいです。

 

 子供にとっては、受験やガチの勉強教育というのは、それまでの生活を変える行為であるので、脳の「自己保存の性質」からも、かなり抵抗を示すことになります。つまりは受け身になるのが、まずは当たり前です。

 

 いかに、受け身から脱却させるか、が集中力を発揮してもらう上でも非常に大事です。やはり高校生までの子供に対しては、周りの大人が全力でそれを考えていかねばならないと思います。

 

 子供に構っていることに充実感を持っている親御さんも多いと思いますが、そこもやはりある程度段階を経て、手放す覚悟は必要に思います。構いっぱなしで何から何までお膳立てするようでは、子供は一生自分で人生の選択をしなくなり、やがてそれが癖づき、幸福感の薄い人生になってしまいます。(まあ、それもよく見てきている。幸福感と学歴はあまり関係ない)

 

 構いたいなら、佐藤ママのように、最後までべったり、何から何まで、というのが基本になってくるでしょうが、現代の親御さんでは難しいと思います。覚悟があるならどうぞ。

 

 勉強しないとどうなるか、逆にするとどうなるか、を示せれば、自分の勉強にはなりやすそうです。とは言っても、具体的な事実を見せるのは中々に難しいです。

 テレビなどを見ながらそれを諭すのもよいですが、今後の家族は各々のメンバーがスマホなどで別々の番組を見ている、ということが増えることが予想されるので、同じ番組をみながら親が語るというのも、難しくなってきそうです。

 

 勉強すればどうなるかの例、は僕を見てくださってもよいです(東大行けたので、まだバンドもガチでできてる、ダメな例かもしれない笑)

 

 また、基礎学力に関してはまだ小さくて子供が素直なうちにやらせてあげて、つけていかないと、集中力に大事な「自信」が身に付きにくく、難しいことも付け加えておきます。

 

 

<自信がやはり大事>

 僕は過去記事で、自信が非常に大事であることを角度を変えていろんな言い方をしてきていますが、脳外科医の方の視点でも大事なようです。

 

 この本では、「できた」という小さな成功体験が大事であることを言っています。できた、と思うことで「自己報酬神経群」が活性化され、さらにいろんなことへの動機→集中につながっていくというわけです。

 

 小さな成功体験の大事さは僕も非常に感じており、何歳になっても大事だと思います。

 受験勉強の上で、最初から上のほうで推移できれば簡単に自信は身に付きますが、そんなに甘くないことを僕からは指摘しておきます。

 

 「遺伝的に優れているんだ(だから勝てないんだ)」とこちらがひがんでしまいそうな才ある子たちも、結構小さなころからいろいろと鍛えられています。コンサルが異常に増えた今となっては、それはもう、はっきりと確信できます。

 才を発揮するにも、努力はやはり必要なのです。僕も公文式や読書は結構やっています。

 

 できれば、勉強以外の習い事などで、最初のハードルまでは超えさせてあげて、周りの子よりもできる何か、を一つ身に着けさせてあげることが大事でしょう。

 

 僕の場合はピアノと水泳が大きなものとなっていました。もちろん、田舎の小学校ですら学年1位ではありませんでしたが、自分の周りの数人の友人の間ではできるわけで、それで十分に思います。たまたま「好き」の延長でいろいろな習い事をし、公文式ですら好きの延長でできました。

 

 そしてその自信を糧にして、しんどい中学受験→大学受験に向かっていけました。

 

 すでに受験期や中高生の方は、毎日の小テストや部活、課外活動などで満足できる結果を出し、自信を深めていくことが大事です。

 

 僕はテニス部で進学校として1回戦負けが普通だったあの頃に、たくさんみんなで練習して、中学期は東播大会(兵庫県の地区大会の一個上)まで、高校時は団体で県体まで行けたことも大きな自信につながっています。

 

 勉強だけをしていたら、東大まではこれなかったと確信に至っています。(高3は勉強だけに全集中、あ、ベースは弾いてたかw)

 

 親御さんへの注意としては、本人が満足している点数なのに「まだまだいける」「そんなもんまだまだ」など、妙な批判やはっぱをかけるようなことはしないことです。

 それは子供の心の奥底に「やっぱりそうなのかな?」という意識を植え付けてしまい、自信が中々つかなくなります。気にしてなさそうでも、深い所に親の言葉は残ります。

 

 結果として、行動が自分からできなくなります。自分から勉強しない、と嘆く親御さんが多いですが、日々の声かけの結果かもしれない事実を覚えて置いてください。とはいっても、何も言わないわけにもいかず、子育ては難しいです。

 

 本人が満足しているなら、まずはそれでよいです。自信をもたせて、次の小テスト(試合、発表会などなど)も頑張ってもらうことが大事に思います。

 

 僕からの視点では、自信を持ちさえすれば、受験においても、自分のこととしてとらえられるようになり、いろいろ苦労しながらやっていくようになれます。そうすれば、脳科学的にも正しい道筋で、勝っていけるようになるでしょう。

 

 

 また最後に付け加えますと、この本を読んだ僕からの素朴な疑問としては、「脳にもタイプがあるのではないか」「血液型や脊髄のようにいくつかのパターンがあるような気がする」というものはあります。生物学でも遺伝型というものがあるように、脳が各個人で画一的に働くというのも、変な気がします。

 

 また、見解が深まるのを待ちたいと思います。この著者の方は、非常に面白いので、あと数冊読んでみます。

 

 いつも読んでくださってありがとうございます。

 

P.S. また切り抜き動画をつくりましたので、いいね等、宜しくお願い致します。

 

 

おススメ読書タイトル100、問題集など https://ameblo.jp/jyukuko/entry-12589194343.html

 

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できれば相談内容などは短めでお願いいたします。1件のメールに、1時間近くかけて返信することも多いので、そのあたりをご配慮ください。

 

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<追記>

この度、僕がベース軍師として加入している戦国バトルメタルバンド『Allegiance Reign』の初MV@小田原城

是非ご覧になってください。僕は烏帽子かぶってるのが僕です。

◆MV
https://youtu.be/tI4YvWd8sz0

 

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