◆鳥嶋和彦『ボツ。少年ジャンプ伝説の編集長の嫌われる仕事術』を読む
鳥嶋さんは、漫画ドラゴンボールの鳥山明さんたちを見出した、
週刊少年ジャンプの元・編集長。
鳥嶋さんは、漫画家に徹底的にボツを出す厳しさで知られる。
★要旨
・ボツを出すコツは、
その人間のことを信頼して、関心をもって仕事をすること。
・的確にボツを出していれば、
本人も自分がうまくなっていることがわかるから、
ボツを受けても心が折れることはない。
・相手を好きになる努力をして、
ちゃんとコミュニケーションを取る。
コツは、これだけ。
・ドラゴンボールなど数々のヒットを世に送り出したが、
秘訣は、
『下手な鉄砲、数打ちゃあたる』
これしかない。
・ドラゴンボール作者の鳥山明さんは、
500枚のボツ原稿をだいたい1年半で描いた。
・ボツにする過程で「これを描いてはダメ」
「あれも描いてはダメ」
と試行錯誤する。
・最初は真っ白い紙で広大な荒野だけど、
1つ1つダメなものを塗りつぶすと、
残るものが確実にある。
これが「砂金」になる。
漫画家が持つキラキラしたものを見つけるために、
膨大な無駄を打つわけ。
・タイパの時代になっているが、
無駄を省くということは、数字としての確率を高めたいってこと。
つまり数字のために仕事をしている。
そうすると、そこそこのものしかできない。
発行部数50万部を狙うと、50万部以下になる。
・砂金を取るためには、才能にほれて仕事すること。
好きな女の子がいたら、毎日気になるでしょ。
声を聞きたいし、顔も見たくなる。
好きになる努力ができるかどうかが、編集者の資質である。
・小手先で作らず、原理原則を追求すると古びず、
ヒットとして残っていく。
・ヒットを出すためには、
頑張って成果を出した人を評価して報いたらいい。
・少年ジャンプの編集長時代、
会社の中の、いろいろな雑音を排除して、
漫画家やスタッフが
目の前の原稿以外のことを考えなくてもいいようにした。
そういう風土でないと、
ワンピースやナルトは、出てこなかった。
・何かが終わると、何かが出てくる。
人間が見る限り、作品の本質は変わらない。
シェークスピアは、
人間の喜怒哀楽といった本質を書いているから、古びない。
★コメント
仕事とビジネスのポイントが詰まっている。
読み返したい。