◆浜渦武生『政治家ぶっちゃけ話』を読み解く


★サブタイトル
→「石原慎太郎の参謀」が語る、あのニュースの真相。



浜渦さんは、1947年生まれ。
学生時代に、石原慎太郎と出会い、
政策秘書や公設秘書を歴任。
1999年、
石原都知事の特別秘書、
2000年に副知事に就任。
2006年に東京都参与、2012年まで続いた。



★要旨


・私は、『天才』にかぎらず、
石原さんの小説やエッセイなんかは、あまり読んでいない。
本は、どうしても作り事の部分が多い。
いざ話をすればわかることが、たくさんあるから。


・石原さんは、すごくメモ魔である。
人の話を聞いたら、ご飯を食べているときでも、
サッとメモを取って、ザーッと書いていく。


・自宅の二階の書斎にそのメモを取っておいて、
夜中に全部整理していた。
大酒飲みのくせに朝が早いのは、
そのメモをもとにして、忘れないうちに朝から書いていたから。


・ただ、そこからひと寝入りするから、
都庁に出てくるのは、どうしても昼過ぎになってしまう。(笑)
それで都知事のときは叩かれた。


・石原さんは、ここだけの話だが、
国会活動はほとんどしていない。
座っていて、たまに質問をするくらい。
党の勉強会にもほとんど出たことがない。
役所関係の陳情にも全部わたしが対処していた。
法案作成も担当していた。


・石原さんは義理堅いところがあった。
地方に出かけた際も昔、お世話になった人がいれば、
会って一緒に飲みに行ったりしていた。


・1999年、石原さんは都知事になり、
私は特別秘書になった。
政策をつくって、それを実現するには、
まず役人を使いこなさないといけない。


・そのためには東京都の
あらゆるしくみを知らないといけない。
だから東京都のたくさんある部局や関連団体を洗い出し、
どの部局がどんな仕事をしているのか、
毎日のように視察した。


・特別秘書になってすぐ、
部屋の壁全面に模造紙を貼り合わせ、
各部局の名前を書き出した。
さらにそこから枝を伸ばすように
出先機関や関係する外郭団体をズラっと書く。


年間どのくらいの予算なのか、
どれだけの人員が働いているのか、
果たして本当に必要な団体なのか、
視察をしながら、逐一あぶり出していった。


・とにかく東京じゅうの都の関連施設を見て回った。
いまでも私が東京都のことを一番知っている、
という自負がある。
このときの経験があるから。
組合対策や議会対策という言葉のもとに、
多くのムダがあった。


・築地市場の豊洲への移転問題に関して、
最初は、福永副知事が担当していた。
結局、石原さんに、

「浜渦よ、ああいう荒っぽい仕事は役人にはできない、
ああいう仕事はお前がやれ」
と言われて担当することになった。
ヤクザな仕事は、私にばかり回ってきた。(笑)


・東京ガスに「土地を売ってほしい」
とこちらが頼むわけだが、
話がこじれていたので、まずは環境整備から。


・佐藤栄作元総理の次男の佐藤信二さんと私は、
選挙の手伝いをしたことがあって、
お付き合いががあった。
佐藤信二さんの妻・和子さんは、
東京ガスの当時の安西会長の御嬢さんだった。


・だから、佐藤信二さんにも相談して、
交渉相手として確実に信頼を置ける人を紹介してもらった。
そこから始めて、一年ちょっとで基本合意にこぎつけた。


★コメント
やはり、政治にもビジネスにも、
剛腕力が必要となる。
学びたい。