☆テツコの部屋☆~映画評論館~ -6ページ目

リバー、流れないでよ

66点

『サマータイムマシン・ブルース』『曲がれ!スプーン』などを手掛けた上田誠の戯曲を映画化。ミニシアターランキングで2週連続1位とスマッシュヒットを記録している、知る人ぞ知る注目の作品。
舞台は京都の貴船川ほとりにある老舗旅館。あるとき従業員や宿泊客が全員、時間がループしていることに気付く。2分たったら時間が巻き戻り、2分前の場所からやり直し、その繰り返し。ただし記憶だけは引き継がれているため、登場人物が徐々に慣れてユニークな行動に出たりする展開。ここはネタバレ注意。


まず長所としては、設定と物語が破天荒。自分がこの場にいたら、と思うととにかくワクワクする。実績がある人の原案でさすがの面白さ。
しかし意外と欠点が多いのも事実。まず冒頭、しばらくダルい場面が続き退屈。やっとループが始まってからは盛り上がるものの、結局オチは未来人が乗ったタイムマシンの故障、という一番ありがちなくだらない締め。

中盤が良かっただけに、このラストはガックリきたなぁ。もっと気の利いたエンディング思い浮かばなかったのかな。
キャストは無名の人が多いけれど、その分みんな演技が必死。まるで舞台を見ているような感じで一生懸命さが伝わってくる。ただ有名ベテラン俳優にあるような余裕がなく、そこはどこか見てて安心できないB級の危うさがあった。

例えば同じブレイク作『カメラを止めるな』を見た時は本当に肩すかしでズッコケたけど、こちらはそこまででもなかったかな。ただせっかく題材がいいのに、生かしきれなかったのは残念。SFコメディとしてはあと一歩に思えた。


監督:山口淳太
出演:藤谷理子、永野宗典、角田貴志、酒井善史、本上まなみ、近藤芳正
2023年  86分

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル

74点
シリーズ5作目。1作目『レイダース失われたアーク』から実に42年、前作からも15年ぶりとなる続編。
冒頭はいきなりまだ老いてない時代の、CGで復活したインディが暴れる展開。ただこのエピソードが30分くらいあっていきなり間延びする。そして映画は全2時間半そのまま長く感じた。
さて前作で息子役を演じたシャイア・ラブーフが私生活でトラブル連発、おかげで本作では死んだ設定になっている(笑)。そのため基本的に本作は、独立したストーリーのためむしろ新鮮な気持ちで見れるのがいいかもしれない。
敵役のマッツ・ミケルセンは迫力十分。アントニオ・バンデラスも絡んだ豪華なキャストだが、今回の相棒はフィービー・ウォーラー=ブリッジなる大して美人でもない37歳の微妙なおばちゃん(失礼)。なんでハリウッドはいつも活きのいい若い女優使わないかねと思うが、まぁそこは割り切って見るにしても、この女性が魅力不足なのは否めない。


ネタバレは避けるが、映画のクライマックスは前作『クリスタル・スカルの王国』で出てきた宇宙人に匹敵するびっくり展開が待っている。そこは見てのお楽しみだが、個人的にはそのラストの締めを含め、見終わった後はそこそこ満足できた印象。
ただやっぱり本作、『トップガンマーヴェリック』の成功に刺激されたと思うんだけど、ここで完結にしては手放しで「面白かった」とは言えない残念さが誰しも感じたと思う。

ハリソン・フォード自体はもうやらないと明言してるらしいものの、物語としてはまだこの先が作れそうな雰囲気もあり、どこか中途半端になってしまったのは事実。最初の3作がなんだかんだ面白かっただけに、4作目5作目と右肩下がりなのは、CG時代の作り物映像が露骨に出てしまったのも一因としてあると思う。

インディジョーンズはやっぱり主役たちが体を張り、虫やギミックを大量に使った手作り的なところが本物だったんだけどなぁ。


監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:ハリソン・フォード、フィービー・ウォーラー=ブリッジ、アントニオ・バンデラス、トビー・ジョーンズ、マッツ・ミケルセン
2023年  154分
原題:Indiana Jonesandthe Dial of Destiny

渇水

68点

生田斗真主演。かなり重めの、そして誰にでも降りかかる可能性がある興味深い人間ドラマ。
水道局員の岩切(生田)は、水道料金を滞納している家を回り「停水執行」を行うのが仕事。行く先々でトラブルに遭遇する展開。
業務遂行の過程で、岩切は育児放棄された小学生姉妹2人と出会う。基本的にこの姉妹とのやり取りが映画の軸。特に姉の方がいい味出してる。
さて主人公・岩切だが、貧乏で料金が払えない人はともかく、お金はあるのに払ってくれない人もいて、身勝手な理由を押し付けられ辟易する。彼自身もプライベートでは妻や子供と上手くいっておらず、葛藤する日々を送る。

そこはあくまで岩切というか生田斗真が中心で、「停水執行」という独特な仕事を通じどこか無理に泣かせにかかってる印象があった。ようは予定調和の物語なんだな。主人公ありきの構成。うーん生田くんファンには良い映画かもしれないが、好きでも嫌いでもない人が見ると鼻につく部分は多いかも。

電気やガスは料金払わないと自動的に止まるが、水道は基本的人権に関わるためなかなか止まらない、という話は聞いたことがあるけれど、止める側のドラマを感動的に作るとこうなる、みたいな作品。なるほど今まで見たことのない個性的な映画なので、最初に書いた通り興味深いテーマではある。

ちなみに原作は救いのない絶望的な終わり方をしているが、映画版はそこをガラッと変え、望みを託したエンディングになっている。小説を読んで暗~くなった方は安心して見て大丈夫。

しかし本作、かなり骨太のテーマのわりに意外と心に残らなかったのは、主演・生田斗真を持ち上げすぎの過剰演出が目についたからかもしれない。

監督:高橋正弥
出演:生田斗真、磯村勇斗、山崎七海、柚穂、門脇麦、宮藤官九郎、尾野真千子
2023年  100分

ミーガン

70点
『パラノーマル・アクティビティ』のジェイソン・ブラムと『ソウ』のジェームズ・ワンがタッグを組んで製作し、全米で大ヒットした話題のホラー作。
おもちゃ会社の研究者女性が姪を引き取り2人暮らしする。その姪のために、ミーガンという女の子型のアンドロイドを開発し同居。しかしそのミーガンが暴走する話。
人形が大暴れする展開だと『チャイルド・プレイ』を彷彿させるが、こちらのミーガンは基本的に姪の味方で、いじめっ子や隣家の犬に仕返しをするなどもともと悪意ではないのが特徴。いきなり無差別殺人に走るチャッキーとは根本が違う。

そして終盤あたりは露骨に『ターミネーター』に影響されたと思われる演出。これはオマージュなのかもしれないけど。
予告を見るとわかるが、ミーガンは外見がチャーミングでユニークなダンスも踊ったり、コミカルな要素も多分に含みとにかく魅力的。母親代わりの女性や姪の子役も個性があり、キャスティングは良い。グロ度もほどほどで怖い映画が苦手な人でも楽しめそう。

ただストーリー、というか人間関係が少々面倒で、単純にホラーコメディを楽しみたい人には向いてないかも。前半のテンポも悪く、また見せ場も限られてるため、全編見ると意外と退屈な部分が長い。

けど本作は最初から続編を意識して作っていたようで、次作があるならこの先のストーリーの広がりには期待できる。ジェームズ・ワンは『ソウ』『インシディアス』『死霊館』と一つ当たると長期シリーズにする傾向があるが、この「ミーガン」というキャラならジェイソンやフレディ級に化ける可能性アリ。

ただし本作を単発で見た場合、期待ほど面白くはなかった。

監督:ジェラード・ジョンストーン
出演:アリソン・ウィリアムズ、ヴァイオレット・マッグロウ、ロニー・チェン
2023年  102分
原題:MΞGAN

リトル・マーメイド(2023)

61点

先週は『怪物』で多様性についてここで書いたけど、実は似たようなテーマがこの『リトル・マーメイド』でも世界的に議論になっている。

『リトル・マーメイド』は人魚姫をモチーフに、1989年に公開されたディズニーアニメ。その後OVAで続編が作られたり、TVシリーズや舞台化されたりもした人気作品だが、今回2023年に実写映画化。
ヒロインの人魚姫・アリエルが、海で溺れたエリック王子を助ける。その後人間界に行き3日以内にキスできればエリックと結ばれる、みたいなベタな流れ。
魔女に喋れなくなる魔法をかけられたアリエル。王子はアリエルの美しい歌声だけを記憶しているため、声が出ないアリエルはいかにエリックの心をつかむのか。ストーリーはなるほど王道で面白い。

ただしこの有名なラブストーリーに、なぜアフリカ系黒人女性をアリエル役に選んだのかが議論されているわけ。


主演ハリー・ベイリーは11歳のとき姉と共に歌った動画をYouTubeに投稿。それがビヨンセの目にとまったとかで、とんとん拍子でデビュー。その後グラミー賞にノミネートされ彗星のごとくディズニー映画に抜擢。そこはまさにシンデレラガール。
まぁただこの映画を見る限り、「歌は上手いがなぜこの子がヒロインやってるのか疑問」という意見はよくわかる。黒人である以前に顔が露骨に魚顔で、主演張るならもっと美人を抜擢しろよと言いたくなるのは正直な意見だろう。一般人のSNSでは辛辣な意見も飛び交っているが、評論家がその辺を公で正直に言えないのもまぁ仕方ない。

前回のブログで「昨今は常に誰かの顔色を伺いながら映画作ってる」とここで書いたけれど、本作もまさにそれだと思う。
そしてこのハリー・ベイリーが主役に選ばれたのは、黒人で歌が上手いという以外に、何か強力なコネを持ってるんだろうなというのは想像に難くない。

ポリコレの嵐が吹きまくってる2020年代の映画界。けど多様性を盾にして正直なキャスティングが封じられてるような気がしてならない。

やっぱり映画って基本的に、誰が見ても美男美女みたいな人が主演やるべきだと思うのよ。

今回は感想を一切書かない感想になってしまいました(笑)

監督:ロブ・マーシャル
出演:ハリー・ベイリー、メリッサ・マッカーシー、ジョナ・ハウアー=キング、ハビエル・バルデム
2023年  135分
原題:The Little Mermaid

怪物

47点

『海街diary』『そして父になる』『万引き家族』などでお馴染み是枝裕和監督作品。

最初に思ったのが、是枝監督が映画作ってカンヌ映画祭に出品したというだけで「名作に決まってる」という風潮がまずウザい。相変わらずひねくれてます(笑)
そしてここはネタバレ注意。

映画は大きく分けて、シングルマザー(安藤サクラ)、担任教師(永山瑛太)、2人の同級生、この3つの視点で描かれている。
同じ場面を複数の視点で繰り返す手法はどこか『桐島、部活やめるってよ』を彷彿させた。映画としてはなかなか興味深い進行。途中まではスクリーンに釘付けになるほど、先が気になる構成だった。こっからネタバレ。

「怪物だ~れだ」とか「豚の脳が入ってる」というこれ見よがしな刺激的なセリフ。う~んでも、残念ながらこういう不気味な演出はいささか過剰に感じられた。結局オチとしては、同級生2人が同性愛者だったというただそれだけの締め。昨今のポリコレに寄せたエンディングで、個人的にはそこがすごく安易に感じた。


ラストは曖昧でどうなったかはっきり描かれていないが、小学生のLGBTというなんとも感想を言い難い終わり方。
ここは個人ブログなので正直に言わせてもらうけど、後味としては最低だった。是枝監督は本当にこのテーマで映画を作りたかったのか。
昨今の映画って、常に誰かの顔色をうかがって作ってるように見える。誰かに配慮するのは生きてく上で必要かもしれないが、映画という娯楽で多様性や性的少数者を題材にしたら賞が取れる、みたいな風潮には違和感を持つし、客は本当にそんなの求めてるのかな、と思う。

昔みたく細かいこと何も考えず、ひたすら面白い映画を求めていた時代が懐かしく感じる。

監督:是枝裕和
出演:安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太、高畑充希、角田晃広、中村獅童、田中裕子
2023年  126分

宇宙人のあいつ

71点

23年前に地球へ来訪し、とある一家の記憶を操作して次男になりすまし家族として暮らした土星人(中村倫也)の物語。もう導入部からして奇想天外だが、映画はとにかく独特のゆる~いリズムで進んでいく。
兄妹が日村勇紀、柄本時生、伊東沙莉という個性的な面々。とりあえずこの4人が好きでないと、この映画は見てられないと思う。そのくらい人を食ったような、良い意味でくだらないネタが満載。
土星人だけど見かけは完全に日本人。ただ「写真に写らない」とか「うなぎと会話できる」とか、これまた意味不明な雰囲気を持っており、そこら辺のギャグセンスはもはや人によって好き嫌いがはっきりと別れそう。
地球時間では23年だが土星ではたったの1年だよ、と劇中で明かされているが、そもそも土星の公転周期は29.5年くらいなので根本的に間違っているんだけれど、そういう細かい「適当さ」も実はこの映画の魅力だったりする。ストーリーや演出は人を食ったその適当さが散りばめられており、当然役者たちはそこを大まじめに演じているわけで、そこら辺のギャップも見どころのひとつ。馬鹿馬鹿しい物語を、人気キャストが全力で表現してるさまがこの映画の最大の特徴。
まぁ感想としては、個人的にそれほど面白かったわけではないんだけど、かと言ってなんとなく心に残ったのも事実。なんかこの家族の一員になってみたいと思ったのは間違いない。

監督:飯塚健
出演:中村倫也、伊東沙莉、日村勇紀、柄本時生、関めぐみ、千野珠琴
2023年  117分

ワイルド・スピード/ファイヤーブースト

87点
記念すべきシリーズ10作目。ポール・ウォーカーが亡くなってからは3作目となる。

今回は2部作ですでに次作の『Fast Ⅹ PART2』が準備中だが、ヴィン・ディーゼルいわく「3部作になるかもしれない」そうで、これをもってワイルド・スピードは完結となる・・・予定(笑)
本作の敵は、アクアマンでお馴染みジェイソン・モモアで迫力は充分。5作目『ワイルド・スピード MEGA MAX』に登場した麻薬王の息子という設定。
というわけで過去作とのつながりは相変わらず濃厚で、登場人物も多く、10作目としてのボリュームは厚い。ともすればごっちゃになってしまいそうなストーリーだが、映像の迫力も映画全体に散りばめられており、とりあえず退屈はしない。
インディ・ジョーンズばりの鉄球が車を追いかけてきたり、トランスフォーマー仕込みのマシン変化が見られたり、ダムから垂直にカーアクションを見せたり、CG時代とはいえここまで派手なアイデアを詰め込んだのは凄いの一言。その他にもゼロヨン競争を彷彿させる場面や、シャーリーズ・セロンとミシェル・ロドリゲスのタイマンなど、撮影の原点に立ち返ったような単純なアクションも挿入されていて、メリハリがついたまさに集大成。
2時間20分の長尺の上、「次作に続く」なので、正直見てて疲れる部分はあるものの、ここはさらなるサプライズを『X-2』に期待したいところ。
ファンは必見。ワイスピのシリーズ初見でも意外といけると思う。

監督:ルイ・レテリエ
出演:ヴィン・ディーゼル、ミシェル・ロドリゲス、タイリース・ギブソン、サン・カン、ジョーダナ・ブリュースター、シャーリーズ・セロン、ジェイソン・ステイサム、ジェイソン・モモア
2023年  141分
原題:Fast Ⅹ

帰れない山

65点
イタリアのベストセラー小説を映画化。イタリアとスイスの国境にある、富士山よりも高いモンテ・ローザ山麓で出会う少年ピエトロとブルーノ。友達になった2人だが、ちょっとした行き違いから仲たがいしたまま別れてしまう。そして15年後、再び出会って親交を復活させていく展開。
物語のスケールは大きいけれど、映像の美しさも壮大。アクション要素の無い人間ドラマなのに、ここまで圧巻に山々を表現できるのは凄い。
出会った時まだ子供だった2人は、大人になりそれぞれ結婚をし、仕事に向かい合うも苦難が降り注ぐ。原題にある「8つの山」を人生に例えながらも、現実を直視しながら徐々に映画は深刻な方向へと続いていく。
ぶっちゃけ途中までは90点以上つけたいレベルだったものの、なにぶん2時間半近い長尺で中盤からかなり飽きてくる。感動というよりちょっと思ったのとは違った方向へシフトチェンジしていくラスト。そして無音のエンドロールあたりではもう睡魔と戦っていた人も多かったのでは。基本的に良い映画なんだけど、微妙な人間ドラマがちと長すぎた。これだけ素晴らしい映像が撮れたのに、物語の表現方法や演出がイマイチだったのは惜しい。
色んな意味で終わった後に切なくなる作品。

監督:フェリックス・バン・ヒュルーニンゲン/シャルロッテ・ファンデルメールシュ
出演:ルカ・マリネッリ、アレッサンドロ・ボルギ、フィリッポ・ティーミ
2022年  147分
原題:THE EIGHT MOUNTAINS

ヴィレッジ(2023)

84点

2019年の日本アカデミー賞で主要賞を独占した、骨太の社会派作品『新聞記者』。そのメガホンをとった藤井道人監督が、今回は「理不尽な日本社会の縮図」をドロドロと描いているのが本作。ちなみに2004年公開M・ナイト・シャマラン監督の同作とは無関係。
外部から閉ざされた村・霞門村。そのゴミ処理施設で働く、重い心の傷を持つ主人公の片山(横浜流星)。村と主人公、両者の過去を紐解く不気味なストーリー。
閉鎖的な村のゴミ処理場の穴と、一見ミスマッチな伝統芸能の「薪能」を上手く演出の道具として使い、過去の事件をフラッシュバックさせる手法。横浜流星の好演も手伝い異様な雰囲気は抜群。黒木華や古田新太も相変わらずいい味出している。
登場人物のほとんどに暗い影が描かれているが、そこはどんよりした人間ドラマというよりは、先が気になるサスペンス的な展開。そしてエンディングにはまさかの意外な結末が用意されている。ネタバレは避けるが、この終わり方はなかなか良かった。

ネタが出尽くした感のある今の時代に、これだけクオリティの高い脚本なのがとにかく驚く。そこはぜひ見て確認して頂きたい佳作。若手とベテランをちょうどよく融合したキャストも映画を盛り立てている。
興行収入では苦戦しているとネット記事に書かれていたが、こういう作品がヒットする土壌を作らないと、邦画に未来はないと思う。

監督:藤井道人
出演:横浜流星、黒木華、一ノ瀬ワタル、奥平大兼、杉本哲太、西田尚美、木野花、中村獅童、古田新太
2023年  120分