宇宙人のあいつ | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

宇宙人のあいつ

71点

23年前に地球へ来訪し、とある一家の記憶を操作して次男になりすまし家族として暮らした土星人(中村倫也)の物語。もう導入部からして奇想天外だが、映画はとにかく独特のゆる~いリズムで進んでいく。
兄妹が日村勇紀、柄本時生、伊東沙莉という個性的な面々。とりあえずこの4人が好きでないと、この映画は見てられないと思う。そのくらい人を食ったような、良い意味でくだらないネタが満載。
土星人だけど見かけは完全に日本人。ただ「写真に写らない」とか「うなぎと会話できる」とか、これまた意味不明な雰囲気を持っており、そこら辺のギャグセンスはもはや人によって好き嫌いがはっきりと別れそう。
地球時間では23年だが土星ではたったの1年だよ、と劇中で明かされているが、そもそも土星の公転周期は29.5年くらいなので根本的に間違っているんだけれど、そういう細かい「適当さ」も実はこの映画の魅力だったりする。ストーリーや演出は人を食ったその適当さが散りばめられており、当然役者たちはそこを大まじめに演じているわけで、そこら辺のギャップも見どころのひとつ。馬鹿馬鹿しい物語を、人気キャストが全力で表現してるさまがこの映画の最大の特徴。
まぁ感想としては、個人的にそれほど面白かったわけではないんだけど、かと言ってなんとなく心に残ったのも事実。なんかこの家族の一員になってみたいと思ったのは間違いない。

監督:飯塚健
出演:中村倫也、伊東沙莉、日村勇紀、柄本時生、関めぐみ、千野珠琴
2023年  117分