☆テツコの部屋☆~映画評論館~ -5ページ目

スーパーマン(2025)

66点

『ジャスティス・リーグ』の興行的失敗で、DCコミックスの一連のシリーズは事実上の頓挫。代わって新たに設立された『DCユニバース』の第1作が本作。1978年から公開されていた『スーパーマン』シリーズのリブートにあたる。
冒頭ですでに主人公クラーク・ケントは地球に来て3年が経過している。ディランはお馴染みスキンヘッドの宿敵レックス・ルーサー。
今回はボラビアという架空の国の隣国ジャルハンプルへの侵攻を描いているが、これが露骨にイスラエルによるパレスチナのガザ地区を連想させる。そしてスーパーマンの立場も「移民」として表現され、ようはあからさまに現在の政治的なイメージを表現している。
またDCのサブキャラ「ジャスティス・ギャング」も登場し、結局1から始まってるようで、過去のDCコミックを知ってる人じゃないと純粋に楽しめない作りになってるのが賛否別れそう。
ようするに本作がDCユニバースの幕開けだけど、1から全て説明されてるわけではなく、そして今どきのマイノリティ配慮。アベンジャーズ系を順調に小出しにするマーベルコミックと違い、こちらのDCコミックスは明らかに迷走感が半端ない印象。果たして続編は出るんでしょうか。

監督:ジェームズ・ガン
出演:デヴィッド・コレンスウェット、レイチェル・ブロズナハン、ニコラス・ホルト、エディ・ガテギ、アンソニー・キャリガン、ネイサン・フィリオン、イザベラ・メルセード
2025年  129分
原題:Superman

国宝

67点

公開5週目で週末ランキング1位。興収30億円越えは今年上半期の実写邦画1位。吉沢亮の不祥事のため公開が遅れていた『ババンババンバンバンパイア』と同時期に上映という、吉沢からしたらまさに怪我の功名。
監督は『フラガール』『悪人』『怒り』でお馴染み李相日。
前評判通り、吉沢と横浜流星の歌舞伎描写は圧巻の一言。女形という難しい役を猛特訓で表現したさまはそれだけで見る価値ある。渡辺謙や田中泯といったベテラン陣も迫真の演技。
しかしタイトル『国宝』とぶち上げたわりに、良く言えばストーリーはわかりやすく、悪く言えば今風で深みがない。厳しい稽古で切磋琢磨する親友・吉沢と横浜だが、女性関係がトラブルに発展し、横浜は家を出て病気を患いながら後に再会。比較的、先が読めてしまうベタな展開も、そこは映像美と梨園の裏側を前面に出すことで映画の迫力は損なわれなかった。しかし個人的に歌舞伎にまるで興味がなかったため、その仰々しさを前面に出した構成が逆にイライラする要因の一つにもなった気がする。
上映時間3時間弱は全く長く感じさせず一気に見れる印象。それなりに「面白い」映画ではあったものの、残念ながらいつものように、邦画特有の薄っぺらい脚本が残念。役者の迫力には感服しただけに惜しい一作。

監督:李相日
出演:吉沢亮、横浜流星、高畑充希、森七菜、見上愛、三浦貴大、寺島しのぶ、黒川想矢、永瀬正敏、田中泯、渡辺謙
2025年  174分

F1/エフワン

80点
ジョセフ・コシンスキー監督、ジェリー・ブラッカイマー製作、アーレン・クルーガー脚本と『トップガン マーヴェリック』のスタッフが再集結して作ったF1題材の作品。
過去に大事故を起こし引退していたベテランドライバー(ブラッド・ピット)が、弱小の新興チームに参戦する展開。数々のトラブルを乗り越えて優勝を目指す、ベタなストーリー。
予告を見ると、とにかく迫力のあるレースシーンが中心に見えるが、2時間半以上という上映時間が表すように、人間ドラマにかなり重点を置いている印象。個人的にあまりF1には興味なかっただけに、この構成はむしろ嬉しかった。
「チーム」をアピールする手法がなるほど『トップガン マーヴェリック』に通じる部分があるが、こちらは人材育成の要素より、共にレースで戦う仲間意識を前面に出している。エンジニアたちを鍛えるため、ブラピがわざとパンクさせる描写など、人間味あふれるエピソードがてんこ盛り。
その意味ではあまり長さは感じさせなかった。
そしてなんと言ってもブラピのカッコ良さ。ブラッド・ピット61歳、トム・クルーズ62歳。近年の俳優は年取ってもカッコいいねと思いながら鏡を見ると絶望してみたり(笑)。

監督:ジョセフ・コシンスキー
出演:ブラッド・ピット、ダムソン・イドリス、ケリー・コンドン、ハビエル・バルデム、トビアス・メンジーズ
2025年  155分
原題:F1

28年後...

69点
2002年公開『28日後...』、2007年公開『28週後...』の続編がいよいよ登場。
なんで3作目がこんなに時間がかかったかというと、ダニー・ボイル監督が2008年に『スラムドッグ$ミリオネア』でアカデミー賞など各映画賞を軒並み受賞し一気に巨匠扱い。2012年にはロンドン五輪の芸術監督を担当。2018年には007当時の新作の監督就任するも後に降板。まぁゾンビ映画なんか撮ってる暇なかったというわけ。
さて本作は文字通り前作の28年後、すでに感染者で荒廃しているイギリス全土から隔離された離島に住んでいる家族が主人公。何やら儀式のために本土に渡り、感染者たちからここでも逃げることになる。
単純明快だった前2作と違い、本作は宗教的な描写が多く、半ばスピリチュアルな構成は説明不足のためだいぶわかりづらい。前作からの物語の繋がりはほぼないものの、人間ドラマに重点を置いた展開が好き嫌い別れそうではある。そしてやっぱりというか、2010年から放送されて大ヒットした連続ドラマ『ウォーキング・デッド』に似た部分があるようにも感じられた。
どこか嫌な流れで完成してしまった本作だが、実は新たな3部作の1作目らしく、すでに次回作『28 Years Later: The Bone Temple』は撮影が終了しているとのこと。こちらには1作目『28日後...』の主人公だったキリアン・マーフィーが再登場とか。そこだけは楽しみ。

監督:ダニー・ボイル
出演:ジョディ・カマー、アーロン・テイラー=ジョンソン、レイフ・ファインズ、アンソニー・ドッド・マントル
2025年  115分 イギリス/アメリカ R-15
原題:28 Years Later

フロントライン

51点
時は2020年2月。乗員3711名を乗せた豪華客船ダイヤモンドプリンセス号で発生した新型コロナウィルスの集団感染と、急遽対応することになった医療ボランティア組織DMATの奮闘を描く。もちろん事実をもとにしている。
個人的にこの時のニュースはほぼ忘れていて、コロナって最初はどんな感じだったっけという程度の予備知識でこの映画を見た。
当時は「治療法のわからない未知のウィルス」だったわけだが、一通り終息してマスクも外れた現在この映画を見ても、案の定あまり緊張感は伝わってこなかった。あくまで個人的意見ね。
小栗旬をはじめ松坂桃李、池松壮亮、森七菜など熱量がメッチャ高い役者がドラマチックに演じているものの、コロナはエボラ出血熱やペストのような強烈性はなく、症状は風邪に近くて死亡率も1%にも満たない。なのでどうしてもその役者たちの演技が大げさに映ってしまう。いやもちろん当時はそれどこじゃなかったことは承知しているけど。
この後長いコロナ禍に入り、外出規制やエンタメの自粛などイライラする時期が長く続き、あぁそうだこれが発端だったとついこの映画に八つ当たりしてしまう自分がいるんだな(笑)。
人類にとって決して良い思い出ではなかったコロナ禍を、この映画を見てあえて思い出すこともなかったかなと。
そうそう書き忘れたが窪塚洋介の存在感はさすがだった。先日バラエティの番宣で小栗、窪塚、池松の3人が出ていたが、窪塚だけ異質の空気放っていたように見えた。

監督:関根光才
出演:小栗旬、窪塚洋介、松坂桃李、池松壮亮、森七菜、桜井ユキ、美村里江、光石研、吹越満、滝藤賢一
2025年  129分



 

サブスタンス

89点
元オスカー女優でスーパーモデルでもあった主人公エリザベス(デミ・ムーア)。50歳になり美貌に急激な衰えを感じ、プロデューサーからも暴言を吐かれ降板させられる。そんな彼女が「サブスタンス」という違法薬物を摂取し、背中からもう一人の若い自分の分身が現れる展開。
序盤は『永遠に美しく』を彷彿させるが、とにかく本作はグロシーンがリアル。無駄にヌードも多く、デミ・ムーア出てるからと言って同世代が気軽に見に行くとドン引きしそう。
終盤はもはや『遊星からの物体X』並みのメチャクチャ加減。CGを駆使したSFX映像はもはや気持ち悪いの一言。ただここまで徹底的にやってくれると、歓喜したホラー映画ファンも多いのでは。
ストーリーは単純明快。2時間半近いやや長尺も時間を感じさせない強烈さ。もう一人の主演マーガレット・クアリーはこういう極端な役が多いような気がする。エマ・ストーンと並んで個人的には好きな女優。

 

さて、タレントの和田アキ子さんがラジオで「ひどかった」「久しぶりに時間がもったいない」と酷評していたそうだが、予備知識なしで普通の人がいきなり本作を見るとそうなる映画です(笑)。

監督:コラリー・ファルジャ
出演:デミ・ムーア、マーガレット・クアリー、デニス・クエイド、エドワード・ハミルトン=クラーク、ゴア・エイブラムス
2024年  142分
原題:The Substance

か「」く「」し「」ご「」と「

70点
『君の膵臓を食べたい』でお馴染み住野よる原作小説を実写映画化。
一見して意味ありげなタイトル。しかし映画の内容にそれほど大きな仕掛けはない。美男美女の高校生5人が織りなす青春群像。
主人公の京(奥平大兼)は人の頭の上に「!」「?」などが見え、他人の気持ちがわかる能力を持っている設定。しかし映画が進むごとに、他の同級生4人も似たような能力を持っていることがわかる。まぁタイトルの意味はそこにある。
高校生くらいの年代にとって、異性の気持ちがわかるということはとても大事なことで、その特殊能力を持ちながらも恋愛の駆け引きは、意外と普通の高校生と何ら変わらなかったり。
主演の奥平はTBS日曜劇場の『御上先生』でも主演級の生徒を演じた「実力派」とされているが、個人的にはイマイチ。ヒロインの出口夏希はドラマ『ブルーモーメント』ではドン臭かったが(失礼)、本作では見違えるように可愛い。他の3人も合わせ、同級生5人が映画の魅力に華を添えている印象。良くも悪くもこの5人が全ての作品。
そして先も書いたが、特にストーリー自体に大きな仕掛けはなく、若い層が自分に置き換えて感情移入するような話。ロケがほぼ新潟市なので、新潟市にゆかりのある人なら見てて楽しいかも。

しかしこんな特殊能力あったら、オッサンになると上司や得意先の考えてることに全力で使うことになるのかなと思ってみたり(笑)。

監督:中川駿
出演:奥平大兼、出口夏希、佐野晶哉、菊池日菜子、早瀬憩
2025年  115分

ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング

60点

29年目のシリーズ8作目。原題は『Dead Reckoning Part Two』から『The Final Reckoning』に変更された。
前作163分、本作169分の合わせて5時間32分の大作だが、ぶっちゃけ前作は見てなくても意外とそれほど影響はない。ただ骨太の内容であることには変わりなく、話題作だというだけで見に行くと途中で眠くなるかも。
トム・クルーズが体を張った映像が随所に出てくるが、それCGでよくない?ってスタントもちらほら。そもそも見てる方はどっちか判別できないし(笑)。
人類を滅ぼすためのAI「エンティティ」をめぐる戦いを描く。ストーリーもアクションもかなり突っ込み所が多い。特にクライマックスは「これでいいのかよ!」と言いたくなる場面多すぎ。
エンディングも大団円というわけではなく、むしろさらなる続編を匂わすような終わり方。これで完結とはアナウンスされてないので、次回作が作られる可能性は残している。あとは現在62歳のトム・クルーズの体力次第かな。
さて前作の感想でも書いたけど、個人的にこのシリーズあまり好きではなく、3時間近い長尺はかなりきつかった。これ1回見ただけで完璧に理解できた人すごいなぁ・・・と思いながら自分は大して理解できず、2度目も見に行くことはない。トム・クルーズは好きなので、ぜひ今度はもっと短くてわかりやすい映画に出て欲しいなぁと思ってみたり。

監督:クリストファー・マッカリー
出演:トム・クルーズ、ヘイリー・アトウェル、ヴィング・レイムス、サイモン・ペッグ、イーサイ・モラレス
2025年  169分
原題:Mission: Impossible – The Final Reckoning

かくかくしかじか

68点

女性誌で2012年~2015年まで連載されていた漫画を実写映画化。ここはちとネタバレ。
美大を目指しながら実は漫画家を夢見ている主人公・明子(永野芽郁)と、絵画教室のスパルタ講師・日高先生(大泉洋)との交流を描く。
例の中居くん事件でフジテレビのスポンサーが撤退し、この作品のCMが何百回レベルでやたらと流れたので、あらすじをざっと知ってる人も多いと思う。
明子は漫画家になるという夢を叶えて上京、一方の日高先生は病に倒れて入院。
ここでCMでも言っていた主人公の言葉「わたしは許されない嘘をついた」が登場する。
どんな嘘ついたの?と気になった人もいると思うが、実は別に大きな嘘を一つだけついたわけではなく、日高先生を裏切るような行動をいくつかとってしまったというだけ。
さて終盤は先生が亡くなってしまい、主人公に後悔と感謝が葛藤する展開。その辺本来ならなかなか感動できるクライマックス。
ただ皆さん知っての通り、永野芽郁はこの映画の公開直前に不倫騒ぎが表沙汰になってしまい、せっかくの泣ける内容もただの綺麗ごとで白けてしまった印象。演者の責任は意外と重いのだ。永野以外のキャストもなかなか豪華だっただけに残念。
なわけで本来85点くらいつけたかったところを15点ほど減点(笑)。

監督:関和亮
出演:永野芽郁、大泉洋、見上愛、神尾楓珠、畑芽育、津田健次郎、MEGUMI、大森南朋
2025年  126分

マインクラフト/ザ・ムービー

71点
2011年に発売された世界的超人気ゲームの「マインクラフト」を実写映画化。とは言っても人物以外はほぼCGアニメで、現実離れしたファンタジー的展開が特色。
子供の頃から採掘に興味があったスティーブ(ジャック・ブラック)。大人になって単身採掘場に出向き、ツルハシを使って掘っていると異次元に辿り着き、色んなキャラとアイテムに出会う・・・という展開。
第一印象はとにかく思ったより不親切。ゲームをやっている前提で話が進むため、説明は少なく、専門用語がバンバン飛び交う。
ゲームを題材にした映画というと『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』『モンスターハンター』『バイオハザード』などが思い浮かぶが、こちらは映像表現が独特で、実写とアニメの中間という印象。近年の技術の進化をダイレクトに感じることができ、ボーッと見ててもまぁまぁ楽しい。
しかしキャラやアイテムが豊富なのとは裏腹に、ストーリーはありきたり。というかそもそも「マイクラ」自体が創造性を売りにしたゲームなので、そこに無理矢理に勧善懲悪や人間性をねじ込むとこうなるといった感じ。
それでも映像や音響の迫力はあるので、映画館で見る価値はそこそこある。1年後にテレビや配信で見てもあまり面白くないとは思うが。

ってか毎回書いてるけど、こういうのって映画で見てるよりゲームやりたくなるよね。

監督:ジャレッド・ヘス
出演:ジャック・ブラック、ジェイソン・モモア、ダニエル・ブルックス、エマ・マイヤーズ、セバスチャン・ハンセン、ジェニファー・クーリッジ
2025年  101分
原題:A Minecraft Movie