【400文字作文】下半身は地球を救う。 -6ページ目

【400文字作文】RONDO

【400文字作文】下半身は地球を救う。-090815

【400文字作文】バンガレワタシ

【400文字作文】下半身は地球を救う。-090805


 じゃあ、がんばってね。と言って、ミキは
電話を切った。
 お母さんに「葉っぱみたい」と笑われた、
軽すぎるケータイで長話をするのは、疲れる
し好きじゃない私はミキの、そのヒトコトを
待っていた。
 ジャア ガンバッテネ。
 彼女はいつもそう言って電話を切るけど、
八十%はミキの一方的な、排泄物のような話
しが占めている。
 私はケータイをベッドの枕にポイと投げ、
冷たい水を喉を鳴らしながら、飲んだ。ミキ
は私に何を、ガンバッテネって言ったんだっ
け……。
 テレビからはもう、騒々しいだけの深夜番
組が流れている。私がミキに話したことは、
好きな人がいないこと。私を好きだという人
がいること、だった。
 私はもう一度考えた。ナニをガンバレばい
いんだろうか、と。

【400文字作文】稀郷

【400文字作文】下半身は地球を救う。-090725


 私の白い腕に、蚊がとまった。私はその蚊
に、ふっと息を吹きかけた。黒い蚊は私の腕
に紅い目印だけを残して、どこかへ消えた。
 乾いた砂利を靴底で転がしながら、叔母の
家の玄関へと向かいながら私は、この砂利道
を歩くのが何年ぶりか、思い出そうとしてい
たが、はっきりとは思い出せなかった。なん
となく思い出せたのは、まだ私が自分のこと
を「大人」だと思っている頃に、歩いていた
記憶だった。その頃はこの砂利に靴底を刺す
ように歩いていたことを思い出した。
 叔母は私の母より四つ年下で、子供がいな
いせいか私のことを誰よりも甘やかし、注意
深く叱ってくれた。あの時、叔母は私を叱っ
てくれていたのだと数年後気付く。そういう
叱り方だった。
 傲慢に伸びた笹と、黒く汚れた竹の垣根を
見て私は、誰もいないかもしれない、という
不安を持ったまま、手応えの無い呼鈴を押し、
声に出さず十秒数えながら、叔母を待った。

【400文字作文】車窓にて

【400文字作文】下半身は地球を救う。-090625


「列車」と「電車」の違いなんてわからない
し、知りたくもないが、「列車」に乗ったの
は、緑や青を眺めながら自分をどこかへ運ん
でもらいたい。と思ったからだ。
 だが、車窓から見える畑の緑、空の青、時
折現れる遮断機の赤に見飽きた私は、黒い電
線を目で追っていた。
 真っ黒な電線を目で追いながら私は、葉脈
が好きなの、と言った女を思い出した。
 列車はそれまで子守唄のように優しく揺れ
ていたが、橋の上を通過しようとする時、ま
るでベェトォベンのように大袈裟にわめき、
揺れたが、私の頭の中から「葉脈」という言
葉と漢字は離れなかった。
 私は橋を渡りながら、自分の手の甲に這う
血管を眺め、次の駅で降りようと決めた。
 気付いたのだ。緑や青を眺めていたいと思
ったのは、それが思い出の象徴だと。
 私は黒い電線を見た。青空にまっすぐ引か
れた黒い電線は、快楽の象徴のようだった。

【動画で読む400文字作文】 女・オンナ・おんな