「何する~?」



と二人に聞くと



「任せます」



って事だったので



「居酒屋で飲む??」



と聞いた。




当時の自分はパチンコをしてるかカラオケBOXに行ってるか

居酒屋に行ってるかの三択だった。




「いいですよ~」



恐らく石井と美香ちゃんはお酒は分からないけど

居酒屋は初めてだったと思う。




それでも懸命に



「居酒屋お初」



って言う事実を隠そうとしてた。




一方自分はこの頃パチンコ屋の店員さん(年上)が

毎回飲み会になるとアーリーと言うウイスキーをボトルで入れ

皆の分を作ってくれるのが格好良いと思っていた。




だから



「アーリーならボトル(以前この店で入れてた)があるんだけど

それでいい?」



と格好つけて二人に言った。




今ではウイスキー自体飲まないし

更に一杯目からウイスキーなんてありえないし

女性にウイスキーを勧める事なんて絶対しません^^;




ただこの時は



「俺って居酒屋に行き慣れてるんだぜ」



ってところを見せたかったんでしょう^^;




自分は遺伝だかなんだか酒は飲み始めの頃からけっこう強い方だった。




一方二人は女性の平均レベルで

杯数を重ねてくうちに酔い最後は歩けない位だった。




そんな状態のまま電車に乗せる訳にもいかず

俺は二人を抱えながら家へと向かった。




途中で抱えても駄目な位になり俺はとりあえず美香ちゃんを背負い

家まで行きその後途中の公園で置き去りにした石井を

慌てて迎えに行った。




この順番は明らかに自分の好みだった^^;




今ならスマートに居酒屋でTAXIを呼び

家へ行くのでしょうが

この頃はTAXIと言う考え自体自分の頭になかった。




親にはビックリされたが

女性二人を家に連れて帰るのが

俺的には誇らしげかった。




真夜中二人の寝顔を観ながら



「中学の頃の自分にはこんな未来は想像出来なかっただろうな」



と思った。




中学の頃は正直辛くて辛くて子供ながらに自殺なんかも考えたけど

きっと視野が狭かったんだろうな。




まぁ このブログを中学生とかが見るとは思えないけど

成人してる人でも今の辛い時が一生続く訳がないからと言いたいし

辛いなら逃げ出しちゃったって全然良いんだよと言いたい。




とにかく大事なのは一度きりの人生を寿命が来るまで

味わう事だから。




嫌がったってもう生まれ変わりはしない訳で

この人生が終わったら何億年経ったって

この世に自分と言う存在は復活しない訳ですからね。






次の日家の電話が鳴り母親が



「佐藤さんから電話よ~」



と言われた。




誰だか分からず



「変な業者かな?」



なんて思いながらも電話に出た。




この頃ってよく個人名で電話を掛けてきては



「○○が当たりました~」



なんて言う詐欺業者が多かったんです^^;




「もしもし?」



「あっ 花山さんですか? 美香ですけど」



なんと電話の主は美香だったのです。




「あ~ 美香ちゃんか 昨日はありがとう」



「こちらこそありがとうございます 今日何してますか?」



「いや 何もしてないけど」



「そうですか もし良ければ今幸(石井)と一緒なんですけど

遊べたら嬉しいなと思って」



「えっ? ほんと? 俺の方は全然大丈夫だけど」



「そうですか~ じゃ 私達が○○(俺の住んでる最寄駅)まで行くので

遊んで下さい」



電話が終わりしばらく呆然とした。




「夢じゃないよな~」



そう思ってからはワクワク感より緊張が溢れ出してきた。




女の子二人と遊ぶなんて俺の人生には無いんじゃないかと思ってたから

なんとも言えない気持ちだった。





そう言えばこの時に行ったカラオケが

女性との初めてのカラオケBOXだった。




まぁ 地元の奴らとはよく言ってて慣れてたんですけど

やたらと緊張したのは覚えてます。




そして無事カラオケが終わり帰る事になったんですけど

石井を含めこの学校に通ってる奴らは

大体が学校からそんなに遠くなかった。




しかし俺は1時間以上掛かり遠い事だけが

この学校を選んで後悔した事だった。




そんな後悔が一瞬で幸せに変わったのは

美香の家も俺同様遠く電車の中でかなりの長い時間

一緒に入られる事を知ったから。




「お互い通学時間が長くて大変だよね~」



なんて喋りながらも俺の心はウキウキしていた。




彼女の最寄駅が近づいた頃彼女の方から



「家の番号交換しませんか??」



と言われた。




この頃はまだポケベルも携帯も無く(あったとしてもかなり高価だった)

今みたいに会ってすぐメルアド交換とか電話交換は無かった。




しかし彼女から言われた事で



「ラッキー」



って感じで。




ただ自分から掛ける勇気はなくただ



「電話番号を教えても良い相手に見られた」



って事が満足だったんです。

ある日石井が



「カラオケに行かない?」



と誘って来た。




「良いけど後誰か行くの?」



と聞くといつも喫煙所に居る数人と

普段見た事のない一人の女の子を指差した。




その子は俺にペコッと頭を下げ



「クラス一緒ですよね~」



と話しかけてきた。




うちらが通ってた通信制高校には一応クラスがあったが

クラスで何かをする事はなく

授業も他のクラスと合同だったから

誰がどこのクラスなのかも分からなかった。




しかし彼女の事は覚えていた。




3年生に上がった始業式。

その日だけはクラスでホームルームがあった。




たまたま俺の隣の席だけが空いてて



「もしかしたら俺って避けられてる?」



的な被害妄想があったんですが

そこに遅刻してきたのが彼女だった。




ロングヘアーの黒髪の可愛い女の子は

空いてる席を探し俺の隣だけが空いてる事に気づき

軽く会釈をして座った。




シャンプーか何かの良い匂いがして

一時間程度のホームルーム中俺は幸せを感じた。




しかしこの日限り彼女とバッティングする事はなかった。




それが美香だった。

ある日の学校の帰り一緒に帰る事になった。




「もし良かったらお茶でもしませんか?」



石井の家の最寄駅手前でそんな事を言われた。




「いいよ」



と言い石井の家の最寄駅で降りファミレスに行った。




前にも書いた通り石井はルックスも顔も良くなく

冷静にそこだけ見れば当時の自分の方が上だったと思う。




だけど俺はこれまで書いた通りここ数年全然女っ気がなく

人生の中で女性と二人でファミレスに行くなんて初めてだった。




近くに男同士の組み合わせや男一人の客が居て



「そいつらから観たら羨ましい存在なんだろうな~」



なんて思って。




今ではあまりこういう感覚はないけど

当時は自分もよく他人を羨ましいと思っていたから

自分がその逆の立場になれた事が嬉しかった。




「気軽に話せたり会える女友達が欲しい」



と数年間思い続けていたから石井の存在はとても嬉しかった。