ある日石井が
「カラオケに行かない?」
と誘って来た。
「良いけど後誰か行くの?」
と聞くといつも喫煙所に居る数人と
普段見た事のない一人の女の子を指差した。
その子は俺にペコッと頭を下げ
「クラス一緒ですよね~」
と話しかけてきた。
うちらが通ってた通信制高校には一応クラスがあったが
クラスで何かをする事はなく
授業も他のクラスと合同だったから
誰がどこのクラスなのかも分からなかった。
しかし彼女の事は覚えていた。
3年生に上がった始業式。
その日だけはクラスでホームルームがあった。
たまたま俺の隣の席だけが空いてて
「もしかしたら俺って避けられてる?」
的な被害妄想があったんですが
そこに遅刻してきたのが彼女だった。
ロングヘアーの黒髪の可愛い女の子は
空いてる席を探し俺の隣だけが空いてる事に気づき
軽く会釈をして座った。
シャンプーか何かの良い匂いがして
一時間程度のホームルーム中俺は幸せを感じた。
しかしこの日限り彼女とバッティングする事はなかった。
それが美香だった。