大野純司のブログ -43ページ目

カワイアハオ教会のオルガニスト

カワイアハオ教会でオルガンを弾いているバディーさんは、こういっちゃ失礼ですけど、短パンをはいていることが多く、一見教会の用務員かなと思うような方です。彼は、礼拝堂の半地下のオフィスにいて、式が始まる直前に上がってきます。そのときには、参列者の方々も既に椅子に座って待っていることが多く、彼がいつもの短パンで礼拝堂に登場すると、皆さん、この人何しに来たのかなと言わんばかりの顔つきで、彼を見ています。そのままオルガンに座って、ローブを着て、彼の風貌とは反比例の上手な演奏をしてくれます。

私は、以前は頼まれればどこでも行って司式をしていましたが、忙しくなりすぎて、カワイアハオだけにしました。しかし、彼ほど上手なオルガニストには、お目にかかったことがありません。特に、入場のところは、途中でお父様や花婿さんが何をしていいか分からなくなり、かなりの時間がかかることがあります。私は、それをいつも楽しみにしているのです。人がまごついているのを見て楽しんでいるのではなく、この長くなった分、バディーがどう言うふうに即興で入場の行進曲を長くするかを聞くのが楽しみなのです。必ず、最後ぴったり合うように演奏してくれますが、まさに神業です。

先日、バディーのお母さんが亡くなりました。何と101歳でした。特に病気はなく、自分で歩けるし、痴呆にもならず、お元気になさっていたらしいのですが、急に亡くなられました。バディーの話によると、亡くなる前に、beautiful, beautiful(美しい)と何度も繰り返しておられたそうです。バディー曰く、亡くなる前から天国が見えていたようです。

強迫神経症が祝福?

 私が長い出張から帰ってきたら、家族のメンバーが一人増えていました。次男の職場の同僚が、住むところを探していたので、うちに引っ越してきたのです。次男と同年代の好青年です。私たちの教会は、なぜハワイに引っ越して、なぜ通訳をするようになったか に書いたように、少人数に分けて家庭で礼拝をしています。その礼拝で、早速自己紹介をしてもらいました。

 彼は、子供のころに強迫神経症になり、そのせいもあって、大学を中退してしまいました。しかし、敬虔なカトリックだった彼は、そのまじめな人格が認められて、神父になることを勧められました。神父になる道は長く、プロテスタントの私にはよく分からないのですが、ある教会で1年の試験期間を持ったそうです。その教会からもう1年続けるように依頼され、結局2年そこで働きました。しかし、その後神学校に入っていよいよ神父への道に進む決心をしなければならなくなったときに、次男が働いているホームレス・シェルターでボランティアをするようになり、このような人たちを助けるには、神父になるよりも、平信徒のままの方が良いと判断したのだそうです。

 彼は自分の強迫神経症をblessing in disguiseと呼んでいます。直訳すると、「偽装した祝福」、つまり不幸に見えても結局は幸福となるものという意味で、「災い転じて福となる」と訳されることもありますが、転じてからではなく、転じる前に使う言葉です。彼のその言葉にはどんな意味が含まれているのだろうと、いろいろ考えてみました。

まず一つに、私たちは何かチャレンジがないと、毎日を適当に過ごしてしまう傾向があります。しかし、問題があればそれと直面し、真摯な生き方をして行きます。学生の時に運動部などに入って、いわば作為的につらい思いをすることが人間形成に役立つのも、同じような理由ではないかと思います。

 もう一つの理由は、ほかの同じような状況の人の励ましになるということです。彼のような障害のある人でもあんなに頑張っているんだから、自分もしっかりしなきゃという思いになるでしょう。

 そして、もう一つ思うことは、普通の人が何かをやり遂げても、人はその人のことを単に有能な人だとしか思わないかもしれません。しかし、彼のようにハンディのある人の場合、人はそれを見て驚くでしょう。ただ、彼は感心してもらいたいと思ってやっているのではないと思います。彼は、自分が逆境に打ち勝てたのは信仰のせいだ、神が働いてくださったからだという証を、この世に示したいのではないのでしょうか。

 彼は本当に礼儀正しい人で、先日も、私たちの家族があることで彼に迷惑をかけてしまったときに、またblessing in disguiseだと言ってにこにこしていました。素晴らしい青年ですね。息子たちに、彼の爪の垢でも煎じて飲ませたい、いやそういう自分が飲まなければいけないと思います。

ハワイの太陽光発電で大損

 常夏で晴れの日が多いハワイは、太陽光発電にもってこいです。私たちも、家族以外に一緒に住んでいる人が多いせいもあり、電気代が毎月$300から高いときには$500もするので、$40,000かけて設置することにしました。ハワイでは、居住系の建物に設置する場合、売電はできないのですが、連邦政府が約3分の1、州政府が約3分の1、税金を免除してくれるので、それならということで踏み切ったのです。

設置して、電気代は基本料金の$17になりました。ところが大変なことになったのです。家内が、州政府への税金免除の申込書を出し忘れたようだと言うのです。おかげで、税金が免除にならなくなっただけでなく、滞納になってしまって、罰金も払わなければならなくなりました。私たちにとっては大きな損害でした。

ところが、一つ驚いたことがありました。私たち夫婦は、くだらないことでよくケンカをするのですが、この件に関しては全く口論になりませんでした。なぜなのだろうと考えたのですが、その理由はすぐに分かりました。それは家内が全く言い訳をしなかったということです。あまりにも重大なことだったので、返ってつまらない言い訳をする気にならなかったのでしょう。

失敗をしたときに言い訳をしないと言うことは大切なことだなと思いました。普通、しっかり反省している人をそれ以上責める気にはならないものです。また、言い訳をすると、その言い訳が正当なものではないと言うことの議論になり、失敗自体よりも、言い訳が原因でケンカをしてしまうからです。ちょっと高い授業料でしたが、いい勉強になりました。