全米認定不動産投資顧問協会の名誉会員に選ばれた
2014年10月のブログ「なぜハワイに引っ越して、なぜ通訳をするようになったか」にも書きましたが、私はとても不思議な巡り合わせで、2000年から、IREM(全米不動産管理協会)日本支部の通訳と翻訳をするようになりました。
https://ameblo.jp/junjiono/entry-11946258986.html
その後、IREMの姉妹団体であるCCIM(全米認定不動産投資顧問協会)の通訳や翻訳も始めました。この二つの団体は、米国最大の職業団体である全米不動産協会の傘下にあります。当時、不動産との関りはほとんどなかった私ですが、この二つの団体のすべての教科書を訳し、全てのコンフェレンスとセミナーを何度も通訳しているうちに、経験はないものの、知識だけは増えて行きました。
そのせいか、私のことを会員だと勘違いされる方も多くなり、仕事を紹介されたりすることも増えましたので、不動産の仕事を始めようかなと考えていました。米国の不動産業者はコミッションのみの自営業ですので、スケジュールに縛られることも、通勤することもなく、私には都合の良い仕事です。そうこうしているうちに、IREMとCCIM日本支部の元会長にも相談役として雇われ、まだ達成できていませんが、米国最大の不動産フランチャイズの日本導入のお手伝いもさせていただくことになりましたので、ハワイで不動産の免許を取ることにしたのです。
不動産の仕事のことなど、ブログに書くことはありませんでしたが、経験を積むうちに、自分もそろそろCCIM会員になる資格ができたのではないかと思い、本部会長と事務局長に、認定要件の授業を取る必要があるかどうかを相談しました。CCIMの授業は、何度も通訳しましたので、今更、授業を取る必要はないのではないかと思ったのです。お二人から、試験だけで良いのではないか言われましたので、日本支部を通して申し込みをし、本部の事務局にも、その旨を伝えました。
ところが、本部から日本支部に、私を名誉CCIMとして推薦しないかという打診が来たのだそうです。その真意は定かではありませんが、正式に授業を受けないで会員になるためには、何らかの例外処置を取らなければなりません。しかし、名誉会員なら、授業を受ける必要はありませんので、問題ないと考えたのかもしれません。当初、試験だけは受けるように言われていたわけですが、その試験問題を訳したのも私ですので、中身を知っている試験を受けさせるのは意味がありません。
こうして、4月27日に、CCIMのホームページで、私に名誉CCIMの称号が授与されたという記事が載りました。今回、私を含めて3人の方が名誉CCIMを授与されたのですが、50年余りの歴史の中で、名誉CCIMは全部で9人しかいないそうです。今回の私以外の二人も、過去の6人の方々も、そうそうたるメンバーで、その中で、しがない通訳である私が一人ぽつりと入っているのを見ると、こんなところに私の名前が入っていていいのかなと思ってしまいます。私の紹介も、随分大げさに書いてあって、そんなことはないと誰かに言われたら、返す言葉がありません。
米国のエリート団体の名誉会員になれたわけですので、確かに嬉しいことなのですが、家族は、家内にしか知らせませんでした。私自身、ピンと来ないし、子供たちも、どうせ大した団体じゃないんだろうと思うだけです。家内も、こういうことはどうでもいい人で、「おめでとう」の一言。まあ、そんなもんです。
CCIM協会の皆さんにはとても感謝しています。頂いた称号に恥じないよう、頑張りたいと思っています。
ハワイのコロナ
3月になってから、ハワイでもコロナ・ウイルスのことが騒がれるようになりました。コロナに関しては、真偽のほどが分からない記事がネット上に氾濫していますし、私は、コロナに関して正確な情報を皆さんに発信できるような立場にはありませんので、控えていたのですが、要望もありましたので、身近な話を書こうかと思います。まずは、3月21日付のイゲ・ハワイ州知事からの「自己隔離命令」と、同22日付のコールドウェル・ホノルル市長からの「外出禁止・在宅勤務命令」の一部を訳しておきます。
自己隔離命令
2020年3月4日、ハワイ州知事は、COVID-19のパンデミックに対応して、緊急事態宣言をし、2020年3月19日には、アメリカ合衆国大統領が、国家非常事態宣言をいたしました。COVID-19の蔓延を阻止するための努力の一環として、2020年3月21日に、知事は、ハワイ州に来る全ての人に、自己隔離することを命令し、COVID-19に関する規則を採択しました。
知事の宣言とCOVID-19に関する規則に準じて、ハワイ緊急管理機関 (HIEMA) は、ここに、以下を順守することを命じる:
1. 空港から、指定された隔離場所、つまりハワイ州農業省動植物宣言用紙に記入が義務付けられている場所に、直接行かなければならない。(訳注:海外からハワイに行く場合、動植物を無断で持ち込めないことは皆さんご存知だと思いますが、米国本土からでもできませんので、それに関する書類に、ハワイでの滞在先などを含めた情報を記入しなければなりません。)
2. 14日間、あるいはハワイ州滞在期間、どちらか短い期間、指定された隔離場所にとどまらなければならない。
a. 居住者である場合、指定された隔離場所とは住居である。
b. 訪問者である場合、指定された隔離場所とは、ホテルの部屋か、賃貸宿泊施設である。
c. 指定された隔離場所を出られるのは、医学的な緊急事態か、医師の診療を受ける場合のみである。
3. プール、会議室、フィットネスセンター、レストランなどの公共の場所を訪れてはならない。
4. 医師、医療介護提供者、HIEMAディレクターによって指定された隔離場所に入室する権限を与えられた個人以外、指定された隔離場所の内外を問わず、訪問者を許してはならない。
5. ホテルあるいは賃貸宿泊施設が明記した、隔離に関するすべての規則や手順を、順守しなければならない。
本命令に従わなかった場合の罰は、$5,000以下の罰金か、一年以内の懲役、あるいはその両方である。
コロナ・ウイルス2019感染症の原因となるウイルス(以降「COVID.19」)は、特にグループで集まるときに容易に伝染し、COVID-19の蔓延を減速して、新規患者の流入に対処する公立と私立の医療介護提供者の技量を守り、公衆衛生と安全を守ることが不可欠である。
COVID-19の原因となるウイルスの急速な蔓延のリスクと、特にウイルスに弱い人や医療介護提供者などの市民を守る必要性の故、本命令は、市のどこであろうと、必要不可欠な仕事や政府のサービスを提供する活動、または住宅も含め、必要不可欠な公共のインフラ建設をする以外、全員が避難する、つまり、自宅にとどまり、在宅勤務することを義務付けるものである。本命令は、2020年3月23日、月曜日4:30 p.m.から有効となり、2020年4月30日4:30 p.m.まで続くが、例外と具体的な条件は、以下の通りである。(以下は、省略)
これらの命令の違反は、軽犯罪として罰することができ、$5,000以下の罰金、1年以下の懲役、あるいはその両方である。
私が最初にコロナ・ウイルスの影響を実感したのは、3月6日でした。4日にハワイ知事とホノルル市長がそれぞれ緊急事態宣言を出したのを受けて、ホノルル・ボード・オブ・リアルターから、従業員以外の事務局立ち入り禁止のメールが来たのです。私は、24日に、日本の不動産業者の方数名と、ハワイで勉強会を開き、その通訳をすることになっていたのですが、その一つが、ホノルル・ボード・オブ・リアルター事務局での勉強会でした。その日、勉強会を依頼していたエスクロー(第三者預託)と権原保険の会社からも、お断りの連絡が来て、勉強会を中止する決断を余儀なくされました。今現在は175人ですが、当時のハワイ州の感染確認者は、まだ3-4人程度だったと記憶しています。
それからしばらく、それほど急激な変化はなかったのですが、上記の二つの宣言が発表され、事態はより深刻になりました。高校教師をしている長男は、自宅からネット授業。ホームレス・シェルターのクリニックで働いている次男は、今週末から土日も出勤してコロナ患者のスクリーニングをします。彼は、N95という、人に感染させないだけでなく、自分にも感染しないかなり高価なマスクを以前から一箱持っていたのですが、職場でマスクが足りなくなったので、大した量ではありませんが、全部寄付しました。
軍人ではありませんが、陸軍工兵部隊で働いている三男も、在宅勤務です。私の家にホームステイしているカピオラニ・コミュニティー大学(州立短大)の学生さんも、ネット授業になり、ハワイにいる意味がなくなりましたので、帰国して授業を受けることにしました。私が所有している分譲マンションの入居者も、小さなナイトクラブを経営していますが、店を閉めて収入がありませんので、4月の家賃が遅れるとのこと。延滞料などは心配しないように伝えておきました。
ハワイ時間で22日、日本時間で23日に、日本政府からも重大な発表がありました。米国から26日以降に帰国・来日する人は、公共交通機関を使わないで帰宅して自己隔離するのでない限り、国が指定する場所で2週間隔離されるというのです。私は、5月に日本で通訳の仕事があり(結局延期されたのですが)、そのために2週間も監禁されるわけにもいかず、翌日切符を用意し、その翌日帰国して、「無断」で入国できる最終日に間に合ったという次第です。来週97歳になる母に何かあっても、すぐに帰れないという状況では困りますので、帰省することにしました。ハワイにいても、どうせすることはありません。
日本がハワイやメインランドのようにロックダウンしなくて済むことを願うと同時に、アメリカのように対処が遅れて大変なことにならないことをお祈りしています。
静穏の祈り(神学者ラインホルド・ニーバーが祈ったとされている)
神よ、変えられないものを静穏に受け入れる寛大さを、
変えるべきものを変える勇気を、そして、
その二つを区別する賢さを与えて下さい。
夢を追い続けるな:自分を見つける旅の終わり
子供は、生まれたときには自分の願望しかありません。おなかがへったり、おしめが濡れたりすると、どうにかして欲しいと泣き始めます。さっきおっぱい飲んだばかりだからちょっと待とうとか、お母さんが忙しそうにしているから、おしめの交換は後でいいなどとは考えません。
2歳くらいになると、だんだんと言葉が分かるようになり、しつけが始まります。今まで思い通りになっていたのが、逆に説教を食らうことになってしまった子供は、第一反抗期に突入です。このころから、単に自分の願望を満たすだけでなく、理性を働かせるようになってくるわけで、それが人間としての成長プロセスなのです。
このプロセスは、一生続くわけですが、社会人になるまでにある程度成長していないと、その後が危ぶまれます。例えば、私はタイの孤児院をサポートしていますが、子供たちに何になりたいか聞くと、小さな子は、歌手になりたいとか、俳優になりたいとか、現実離れした願望を持っています。成長につれて、学校の先生になりたいとか、警察官になりたいという、より現実的な願望、というよりも理性的な計画を持つようになり、それを聞いた私も、高校を卒業するときに、安心して彼らを送り出せるわけです。
これを読んでいる大人は、当たり前のことだと思って読んでいるわけですが、当の子供たちには、よく分かってもらえません。理解できない理由は、本人がまだ成長していないからですが、それだけではないかもしれません。歌手になりたいとか俳優になりたいなどという願望を持っても、ほとんどの人がそれを達成することはできないわけですが、ほんの一握りの人は成功するのです。彼らは、インタビューされると、「人に何と言われても自分は諦めなかった」とか、「あなたも夢を捨ててはいけません」などと、かっこいいことを言うわけですが、それを聞いた子供たちや成長していない大人たちは、自分も諦めてはいけないと考えてしまうのかもしれません。
夢には、いくら達成することが難しくても、内容によっては持ち続けてよいものもあるでしょう。世界一良いパパであり、夫でありたいなどという夢は、達成できたかどうか測ることさえ不可能ですが、持ち続けて差し支えない夢ですし、むしろ望ましいことだと思います。マザー・テレサのような仕事をしたいというような夢も、仮にマザー・テレサがやったことの千分の一も達成できなかったとしても、そのような願いを持つこと自体に価値があると思います。
逆に、達成がそれほど困難な夢でなくて、現実的に見えても、価値のない夢はたくさんあります。歌手になれる可能性はほとんどなくても、キャビンアテンダントになれる可能性はかなりあります。しかし、根底にある動機は、本質的にあまり変わりないかもしれません。
私が住んでいるハワイには、多くの日本人留学生がいますが、しっかりとした目的を持っている人は少なく、ハワイやアメリカに何となく憧れて来たという人が多いのです。年齢的には大人でも、精神的にはまだ自分を見つける旅を続けているのかもしれません。
そういうお前をどうなのかと言われそうですので、ちょっと告白しましょう。「自分を見つける」という言葉を使いましたが、これは英語のアイデンティティーという言葉を最もよく表している日本語だと思います。自分が見つからないと、アイデンティティー・クライシス(自己同一性の危機)に直面し、「自分は何者か」「自分はどんな人生を歩みたいか」「自分はどんな仕事がしたいのか」「自分はどうして生きているのか」などの答を見出そうとします。若いうちにその答を見出さないと、大人になってからの人生が定まりません。
私も、自己同一性の危機がありました。小学校の時は何も勉強しなくてもとても成績が良くて、優等生というアイデンティティーを持っていたのですが、東大に何十人も通るような中高一貫校に入学し、たちまち成績は急降下。優等生のアイデンティティーを失ってしまいました。こうして私は、第二反抗期に突入したのです。
そこで見つけたのがクラスの道化役というアイデンティティー。もともとふざけるのは好きでしたから、このシフトは簡単でした。運動神経が良ければ、スポーツマンというアイデンティティー、もっとみんなに好かれたら、人気者というアイデンティティーを持つことができたのでしょうが、それは無理でした。
しかし、高校生になると、道化役がいやになってきました。みんなにバカにされるだけです。そこで思いついたのがヒッピーでした。今の若い人にヒッピーなどと言っても分からないかもしれませんが、当時、アメリカでは大流行。日本にはほとんどいませんでしたが、髪を伸ばして、ギターを片手に、ピースサインをしている彼らの姿は、私の眼にはかっこいいと映りました。
これなら自分でも簡単になれそうだと思った私は、東京にあると聞いたヒッピーのコミューンめがけて家出をしたのです。しかし、松山の田舎から来た高校1年生が一人でギター持って東京をふらふらしていたら、すぐに警察に連れて行かれました。あっさり一日で保護されてしまった私は、とんだ恥をかきました。
しかし、自分のバカさ加減が分かったことがいい機会になって、なぜそんなことをしたのか、自分を正直に見ることができるようになりました。いや、とんでもないことをしてしまったので、見ざるを得なかったのです。まさに、東京への旅は、自分を見つけた旅でした。私の場合、小学校の時と、中学高校の時のアイデンティティーの格差が激しく、クラスで一番ではない自分が受け入れられなかったのです。だからと言って、もっと努力して勉強しようという気持ちもありませんでした。家出もヒッピーも、現実逃避でした。
自分を見つける旅というと、何か素晴らしいものを発見するような旅だと思うかもしれませんが、そんなことを考えているからいつまで経っても見つからないのかもしれません。自分が如何に平凡で、つまらない人であるかを発見し、そんな自分を受け入れて、その自分に何ができるかを知るのが、自分の発見ではないでしょうか。
「人」を意味するpersonという言葉の語源は、ラテン語のpersonaだそうですが、その意味は仮面です。道化役やヒッピーの仮面を取って、本当の自分を受け入れることができると、お芝居をする必要がなくなります。
私はその頃、既に教会には通っていましたが、もう一つ避けていた現実がありました。それは神です。私がヒッピーになることを神が望んでいるわけがありません。神を信じ従うことは、現実逃避だと考える方もいらっしゃいますが、私にとっては現実を直視することでした。聖書には、人が神の作品であると書いてあり、神は、自分が創った私をありのままの姿で受け入れてくれているのですから、私もそうするべきです。