大江戸線代々木駅の2番出口を右に出て、少し行った所で信号を渡り、斜め右に入る細い道を真っ直ぐ歩き、踏切を渡った所にデニーズがある。入口を入ってすぐ右のフロアが喫煙席になっている。喫煙席に入ってすぐ右の席に陣取り、タバコに火をつける。


ぐるっと見回すと、2人、目を惹く女性が居た。


1人は、白い肌に黒く長い髪。黒いベルベットのスーツに黒いキャミソール。黒いストッキングに黒いバックスキンのヒール。肌以外は全て黒の美女。顔立ちは黒木メイサのような女性。寄り添うように話している紳士はロマンス・グレー。白い立ち襟のシャツに黒いベストを着て、黒のコーデュロイのパンツ。フチ無しのメガネが似合っている。女性は話す度に紳士の耳元に唇を近付ける。たぶん、不倫の関係だろう。


もう1人は私と対角線の位置に座る明るい茶色の髪。声が大きく闊達なイメージの女性。唇が紅く、うすいピンクの襟の大きく開いたシャツ。左肩はタンクトップと肩が見えている。豹柄のスカートに焦げ茶色のストッキング。靴は脱いでいて、椅子に斜めに崩した足を流している。アンクレットが1筋光っている。まだ30前に見えるがさらに若い25才くらいの長身の男子と一緒に喋っている。何かヒソヒソ話していたが、突然、


「そう思ったら、私も凄い相手と不倫してるなあって嬉しくなっちゃうじゃない?。あっはっは(^o^)。」


と豪快に笑っている。キレギレに聞こえて来る話をつなぎ合わせると、あまり楽しくはないがかなりの資産家の奥様のようだ。不倫相手は有名人らしく、彼女の自尊心をくすぐる存在らしい。そして目の前の若い男子に、お金で困ることはないから、ヘトヘトになってグッタリ眠ってしまう夜を週に1回プレゼントして!と要求している。その代わり、女の良さはジックリ教えてあげる、と大きな声で言っている。


相手の耳元で囁く女と、若い男にカネにモノを言わせて疲れるまで抱きなさいと誘う(命じる)女・・・。


一時代昔と、男女関係が入れ替わっているように感じた・・・。




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青山一丁目の終電に近い大江戸線を降り、デニーズに向かう道すがら、ずーっと一緒に歩いた20代前半の女性。


栗色のセミロング、赤いショートコート。キャメルの太腿辺りまであるセーター。その下にセーターとほぼ同じ丈の黒のオーガンジーのフリルのスカート。黒いストッキングと黒のスウェードの膝下丈のブーツ。上の方に2本横にベルトが付いているタイプのブーツ。金色のバッグが背伸びしているように見える女性。


外階段を上がると、彼女も上がって来る。ドアを開け、彼女を先に通すと「あっ、ありがとうございます!」と元気に先に入って行った。入口で「お2人様ですか?」と訊かれ、「いえ、別々です」と答えると、別々に案内された。


彼女も喫煙席を希望したが、30分経ってもタバコを吸わない。赤いコートを脱ぎ、ニットのキャメルのワンピースなのかセーターなのか、その中間のような服で、頬杖をついてぼーっとしていた。


1時間くらい経った頃、彼女の表情がパッと笑顔になった。


ジャージ姿の男性が現れた。背もあまり高くないし、無精髭も生えている。あまりパッとしない男性なのだが、彼女は嬉しそうに話している。


大学の先輩・後輩のようでもあり、恋人同士のようでもある。でも、彼は困ったような顔をしていた。そして、


「始発までここで付き合おうか?。それとも俺の部屋に来て寝るか?。」


彼女の顔がパッと輝いた。「お兄ちゃんの部屋で寝る!」


兄妹っぽくないので聞き耳を立てていた。どうやら、彼等の両親は連れ子で結婚したらしい。昔、そういうジャパニメーションがあったのを思い出した。兄と妹の禁断の愛・・・。彼女のコトを秘かに『亜美』と命名した。


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俺はマックの2階でハンバーガーを食べ、コーラを飲んでいた。2つおいた席では少し大柄なスーツ姿の黒人が寝ている。あっちのフロアでは、ヒップホップ系の格好をした黒人が窓際のバー風の席に突っ伏している。 ここから見下ろす信号機の前では、黒人達がポン引きのようにお客さんを自分の担当する店に呼び込もうと、通行人達に声を掛けている。


或る店の前には、黒人達が歌い踊り、大きな声を上げて、楽しそうに喋っている。クルッと回った拍子に通行人とぶつかり、カタコトの言葉でサラリーマン風の男性に声をかける。「オー、ゴメンナサーイ!」。


ここは日本だ。


六本木。現在午前2時30分。


久しぶりに来てみて「終わってる・・・」と思った。


ドンキホーテがあんなに目立ってる。ディスカウント・ショップがあんなに目立ってる六本木ってアリ?。


つるとんたん、BLACKHORSE、GASPANICCLUB、ドンキホーテ・・・。


この並びは無いよなあ・・・。


やたらと多いガッチリした黒人、店を引けた男と女がマックで待ち合わせしたりしてる。すごく綺麗に着飾ったクラブのおねえちゃんと、マックで待ち合わせる気持ちがわからない。


街を歩いている女性達は、例によってスカートを忘れたようなファッション。たっぷりめのセーターに黒いストッキングとか、ワイシャツにストッキングかレギンス。シャツに隠れた所に超短いショートパンツを穿いてる。Gパン切り過ぎて、ポケットが残ってて太腿に出てるような服装。


ショートパンツの上からストッキングが見えているおねーちゃん。黒人の友達と歩いているように見えたが、その黒人がストッキングを更に上に引っ張った。女の子は体が浮き上がるほど引っ張られて、頬を紅潮させキャーキャー騒いでいるように見えた。下ろされると、しゃがみこんで黒人の顔を見上げ、声は聞こえないが唇が「もう! 責任とってよね」と動いたように見えた。


女性達は元気だ。今年のハロウィンなんか、男は外国人ばかりだが、女性は外国人に混じって日本の女性もだいぶ仮装して参加していた。


六本木も渋谷もモンスター達がたくさん居た。女性達は外の寒さをあまり気にしないような露出が多い服装が目立った。


「来年はVIP扱いになって、店にホテルを用意させてやる~」という始発で帰って来た女の子達が何人か、そう叫んでいたっけ。


ここから見える天下一品で、テーブル席に座って話しながら食べているのは男同士4人とか、男2人連れの日本人達。男達は地味だ。


一方、六本木の主役の男性陣はちょっとトッポイ肩で風切るタイプの、夜でもサングラスをかけているような人種が多い。白っぽいスラックスにカラーシャツとか、一時代前ならヤーさん風ファッション。それとは一線を画した2代目風ボンボンスタイルの優しくて爽やかに見えるタイプも時たま見かける。


ここでは、ネクタイは野暮ったい。ネクタイをせずに胸ははだけ気味のファッションが主流だ。銀座では、今でもカッコいいネクタイをした紳士も見かけるが、ここではカッコいいネクタイはほぼ絶滅している。


ドンキホーテにはおっさんとおねえちゃん。全部売られるだけなのに刹那の喜びにお金を使うおっさん。まあ、個人の自由だよね。でも、その女性達もアジア系の外国人が多い。


スタイルのいい黒のミニドレスで街を歩いている女性達。ケータイが鳴ると、中国語や、ハングル語が聞こえて来るコトが多いのには驚く。顔は日本人のようだが、言葉が違うのでようやく判別出来るくらいに馴染んでいる。


そう言えばマックで深夜働いてる男性スタッフは、アジア系外国人が凄く多い気がする。麻布十番や六本木ではお客さんに外国人が多いから、このエリアの特徴なのだろうか?。


芋洗坂をくだり、六本木ヒルズを右に見ながら、麻布十番駅まで歩いて来る。


もうすぐ6時になる。始発から何本か電車が出ている。


この駅の特徴は、朝、香水とアフターシェーブの香りが立ち込めることだろう。香水の香りはいろいろで、甘いタイプからフェロモン系までさまざまな香りがある。アフターシェーブは柑橘系が主流だ。


朝7時を過ぎると、アフターシェーブ。そして、8時を過ぎると香水の香りが強くなる。女性達の職場が近いコトを示しているような気がする。そして、JRのようなオープンスペースではなく、地下深く潜った大江戸線の特徴とも言える雰囲気の一つだといえよう。


でも、この香りが立ち込める駅としては、麻布十番が最右翼だ。  


       作:代田八郎



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深夜ファミレスも2:30を回ると麻布十番に住む層が現れて来るのに気づいた。それまでの層よりも、少しゆっくり食事をしたり、女性でもPCを開いたりする層が増えて来るのだ。


喫煙席で窓際に1人で座っている、茶色のロングヘアーに長袖の白と黒の超ミニのボディコン・ドレスに黒のスウェードのロングブーツ姿、黒縁メガネのキャバ嬢風の女性が、しばらくアンドロイドをいじっていた。


ほうれん草とベーコンのソテーとミネストローネの2つをセットで頼むと500円。もっとも深夜は税金だけでなく深夜料金も加算されるのだが、それとドリンクバーを合わせても、877円で済む。私は、今夜は若鳥の唐揚げとサーモンのマリネで500円。それにドリンクバーをセットにしていたから同じ金額だと漠然と思っていた。ドリンクバーだけだと、税金・深夜料が加算されると429円。それに比べるとお得感があるのでこちらを注文することが多い。夜間に食べる量としてもおつまみ2皿は丁度いい。



その女性が、食べ終わると皿を端に寄せ、おもむろにPCを取り出した。ドリンクバーでコーヒーを淹れて来るとカチャカチャとキー操作を始めた。サマになっている。チラチラとこちらを見ている。私も原稿を書いている訳だから、気になるのかも知れない。


私は20種の野菜と果実のジュースを注ぎに席を立とうとすると、彼女はバッグから書類を出した。通りがかりにチラッと視線を送ると、企画書風に見える操作マニュアル。画面遷移図らしきモノが見えたが、何かはよくわからなかった。グラスに注ぎ終わって席に戻ろうとすると、彼女の後ろの窓ガラスにPCの画面が映っている。


「・・・株価チャート・・・。」


何となく独り言のように呟いた。


彼女は聞きつけて「やっぱりわかるんですね?。こっちの席に来ませんか?。」


私は「えっ?、それはいきなり失礼でしょう?。」と言った。


彼女は「いえ、私が望んでるんだから失礼な筈はありませんよ。少しお話もしたくて。どうぞ、お願いします。」と言った。


私は「それじゃ、少しだけ。」と、ジュースのグラスを置いて、タバコだけ取りに行った。そしてその席に座って


「何を話したいんですか? 私でお相手が出来る話ならいいけど・・・」と言って、タバコに火を点けようとすると、彼女はにこやかな顔で言った。


「私のおじいちゃんも『わかば』を吸ってたんです(^^)。どうぞ。」と火を点けてくれた。ガクッ。おじいちゃんかあ。火の点け方は慣れている。


「もし、何か急ぎの仕事をしてたんならごめんなさい。でも、私が仕事が終わってコンタクトレンズを外して、このお店で独りの時間を過ごし始めてから2年経つんですけど、今までお店のウェイトレスさん以外に喋ったことないなあ、と何となく思ってて、さっき、何かきっかけがあったら誰かと喋りたいと思っていたんです。そして、株価チャート・・・ってきっかけを作ってくれたから、声をかけさせてもらいました。サキって呼んでください。」


「どんな字を書くんですか?」私は訊いた。


「花が咲くの咲です。最近は名刺を渡すと『えみちゃん?』とか言われて、ちょっと悔しいんですけど・・・」と彼女は少しフクレたような表情を浮かべた。


「人気女優が出るとそういうコトもありますよね。私は八郎。『やろう』でも『おじいちゃん』でもいいですよ(^^)」と言うと、彼女は、


「いえいえ、先程は失礼しました。つい、親近感が湧いて失礼なことを・・・。八郎さんか。じゃあ、ハチローって呼んでいいですか?。いきなりは図々し過ぎますね?。」


「いや、構わないですよ。それはそれで面白い(^^)。」と私は答えた。


「じゃあ、ハチロー。今、私が持ってる株の評価をして欲しいんだけど・・・。」と彼女はいきなり切り出した。


「それはいきなり重大な任務だなあ。まずは銘柄を見せてくれますか、咲ちゃん。」と言うと、


「ダメー。私がハチローって呼んでるんだから、ハチローもサキって呼ばなくちゃダメ!。」と彼女。


「わかった、サキ。」とテレながら言うと、「あはは、何か恋人みたいでいいですね。」とサキが微笑む。


持っている銘柄を見せてもらった。典型的なデイ・トレード銘柄ばかりで、しかも高値掴みしている。何でこんなことになっているのかを訊いてみた。


彼女は、或る投資コンサルタントのお客さんがいるそうだ。その人に言われた銘柄を買っているのだと言う。


彼女に、どんな取引をしているのかを訊いてみた。何時頃に注文を出しているのか、取引に証券マンは介在しているのか、投資コンサルタントに何と言われた時に買っているのか、等々。


彼女は、教えて貰った銘柄を、夜中のこの時間にシステム注文で買い注文を出すだけだ、と言った。だから、証券マンは介在しない。ネット証券だから当たり前でしょう?、と言う顔をしている。投資コンサルからは、「日ばかり銘柄があるぞ」と言われた時だけ買っている。でも、「日ばかり銘柄」って何?と訊いて来る。


「それはこうなってしまっても仕方のない取り組み方だ。悪いコトは言わないから、これは全部売りなさい。」


戻りを待っている間に別の銘柄で稼ぐことが出来るくらい、下がっている。


「えー、だって今売ったら、投資金額が半分に減っちゃいますよ~。」と彼女が言う。


「その通り。でも、それは買えば儲かるってサキが勘違いしたからだよ。その投資コンサルが日ばかりって言った時点で、キミは買いと同時に売りも注文しておかなければイケない投資だったんだよ。『見切り千両』っていう株式格言があってね。沈んだ銘柄を持ち続けるより、失敗は失敗と認めて次の手を打つ投資法の方が成功確率が高いんだ。」


「えー、ハチローは株を知らないの?。買えてないのに売りを注文してもダメでしょ?。」


「買い注文と売り注文は一緒に出せるんだよ。その投資コンサルは何て言う情報をキミにくれてたの?。いくらで買って、いくらで売れって言わなかった?」と、私が言うと、彼女は


「えーと、いくらで買えって言ってた。それから、何パーセント上がったら売れって言ってた。でも、それは計算するのメンドイからしてませんでした。」


「なるほど。だから、こんなことになってるんだな。いいか、サキ・・・」


それから、株の売買の話をした。株価のチャートを見ながら話した。そのコンサルの言う日ばかり銘柄は、確かに朝のうち、彼の指定した金額で寄り付いている。その後、その日の内に一気に上がっている。でも、後場の終わり頃、急激に冷やし玉が投下されて、終値では買値より下がっているモノもある。つまり、ファイナンスを直近に控えた価格変動を嫌う銘柄で、少ない投資金額で成果を上げる方法を取っているコトを教えた。


そして、チャートのローソク足の読み方も教えた。


「へー、そうなんだあ。ハチロー凄い!。投資コンサルの人より解りやすく教えてくれるう。プロみたい。」


「あはは。でも、株ってどういうものかを知らないで儲けようとは、それも凄いなあ。その投資コンサルの彼はキミは相当儲かっていると思っているから、いろいろ言われ始めるんじゃないか?。」


「ハチローってば、もう私の名前忘れたの?。サキって言って。キミじゃ、誰と話しても大丈夫じゃない。私と話して欲しいの!。」


そして彼女の身の上話が始まった。


彼女は昼間、中堅メーカーで働いているそうだ。贅沢出来るお給料ではない。だから、月、水、金、土はキャバクラで働いている。月曜と水曜は翌日の仕事もあるから、アフターには付き合わない。金曜と土曜だけ、声がかかれば付き合う。面白い話題もあまり持っていない。指名でトップを競っているキャバ嬢達は、指名客と昼間は
ゴルフだの、休みの日も美味しい店に連れて行って貰っただのと、他のお客への自尊心をくすぐる話題がどっさりある。でも、自分にはそういう話題はない。そんな風だから、指名客もなかなか増えず、ヘルプで呼ばれるコトがほとんどだ。ヘルプに付いていると、派閥の中に巻き込まれる。そしてヘルプとして頭数に入れられてしまう。
それならキャバで稼いだ分を増やしてお金持ちになって、キャバを経営するようになりたいと思っているそうだ。


そういう野望を或る投資コンサルに話したら、一晩付き合え、と言われた。男女の関係が出来て、銘柄を教えてくれるが、増えるどころか今は半分に減っている。ところが、その投資コンサルはドヤ顔で儲かってるだろ、と自慢気に言う。腹が立って仕方がなかったが、唯一の大口指名客に嫌われるのはイヤだから、儲かっているフリをしていた、と言うのだ。でも、我慢も限界で、その客に文句を言って、実際の投資成果を話したら、その投資コンサルは鼻で笑って「バカな女だ。」と吐き捨てるように言って、顔を見せなくなった。もう店に来なくなって2週間経つと言う。


「ハチロー、私と付き合って!。私はハチローとなら思ったことを言えるような気がするし、ハチローの言葉もわかる。寂しかったけど、今夜の出会いも運命だと思う。だから、今から私の部屋に行こう。そして、好きなようにして!。ハチローのことなら、全部、受け入れられるから!。」


店の中がシーンとしている。彼女は少し興奮気味に話していたから、少し声が大きくなっていた。聞き耳を立てるには、比較的面白い話題だったろう。私はできるだけ回りに聞こえないように声を抑えて言った。


「寂しい時に一緒に居る人と付き合うと、寂しさが増えて行くんだ。寂しくない時とか、気持ちが豊かな時に出会った人とは仲良く暮らせる。そういうタイミングを待つんだ。それから、文句を言ってしまった投資コンサルには自分が買い注文と売り注文を指値で一緒に出していなかった、と謝るんだ。買いタイミング、売りタイミングを間違えていました、いい情報をもらっていたのに、宝の持ち腐れにしてしまって、申し訳ありませんでした、って謝りに行ってごらん。それは、ものすごく勇気がいることだと思うし、一回連絡したくらいでは会ってくれないかも知れない。でも、失礼なことをしたのはサキだ。その部分は、辛くてもガンバってケリを付けた方がいいと思うよ。バカな女だと言われたままじゃ、サキ自身にも失礼だよ。」


「私自身に失礼でもいい。ハチローに奥さんが居ても構わない。だから、今夜、一緒に居て欲しいの!。」


「これ以上、一緒に居ると、雲行きが怪しくなるから、私は自分の席に帰るよ。でも、いいかい、サキ。キミは充分イイ女にも、可愛い女にもなれる。気持ちが真面目過ぎるんだ。もう少し肩の力を抜いてごらん。はい、深呼吸して・・・。」


私は自分が深呼吸を始めた。サキも一緒に深呼吸を始めた。そして、4回深呼吸をした後、急に笑い出した。


「あははは。変な女でしたね、今夜の私。私がハチローでもついて行かない女だったと思えて来た。でも、チャンスだと思ったの。素直に言うことが聞ける人と出会えたと思ったの。そう思ったんだからハチローの言うこと、全部聞いてみようと思う。また、会えるよね?。私のケータイの番号とアドレス、赤外線で送りたいんだけど・・・」


「今夜はやめておこう。縁があれば、また会えるだろう。それに、今の顔は、さっきまでと違って、とても柔らかい表情になった(^^)。人気者になれる穏やかな表情になった。」


隣の席にはキャリアウーマンです!っていう顔をした、カクテルドレスで胸元も露わな女性が外国人男性と一緒に食事をしていた。かなりお酒も入っているようで、少し女性の目が座っている。きっと昼間はプライドが高い女性だと思う。でも、今は何となく流されたいと思っている女性のように見えた。


サキは顔立ちはいい。エビちゃんを柔らかくしたような可愛いタイプだ。でも最初見た時はそうは見えなかった。


きっと、心に鎧を着込むタイプなのだろう。感情が激して、少し落ち着いて、ケンが取れて、今の顔になった。


「そう言えば、お店が終わってコンタクトを外して来たってことは今日は出てた筈だよね。お酒が入ってるようには見えないけど、相当強いの?。」


「んーん。そんなことない。むしろ弱いと思う。だから、今日のように週末で、アフターのお誘いが無さそうな時はできるだけ飲まないように工夫してるの。だって、そういう時が株で儲かるように証券会社の情報を読んだり、一週間の値動きを見るような稼ぐための時間なんだもん。でも、チャートの見方もよく知らなかったんだから、何もしてなかったのと一緒だね。」


「そんなことないよ。努力に無駄なんてない。今、活きるか、後で活きるかの違いだけだよ。」


「あ~、ハチローのコト、やっぱり好きだ~。何でだか、本当に素直になれる~。どうしても付き合ってくれない?。」


「あはは。それは光栄だけど、サキが寂しい時に出会っちゃったからなあ。大丈夫。サキはすぐにモテるようになるから、焦らずに今の気持ちで人と接してごらん。」


私としては、かなり痩せ我慢をしたが、そう言って自分の席に戻り、すぐに荷物をまとめ、席を立った。始発までまだ30分くらいあったが、六本木ヒルズの喫茶店にでも行けばいいかな、と思ってジョナサンを後にした。


それは、麻布十番のファミレスに行き始めてから1ヶ月くらい経った頃の出来事だった。


もうすぐ2ヶ月になる。麻布十番もそろそろ終わりだ。その後、サキとは何度か会った。その後の一回目に顔を合わせた時、彼女は2人で来ていた。例のコンサルタントと一緒だった。彼女が謝りたいと連絡を入れたら、すぐに会ってくれたそうだ。そして、話をして、彼が私に興味を持ったそうだ。ぜひ、今度は2人で会いましょう、と、そのコンサルは言った。そして、彼女は今までとは違って、彼と言葉が通じるようになった、と言った。彼も、彼女はわからないコトを隠さないで訊くようになったから、背伸びしていた時より、とても可愛くなった、と言っていた。


2人はとても似合っていた。私は「サキちゃん、良かったね。」と言うと、


「ハチローだけは、サキって呼び捨てにするのを許すって彼にも言われてるから、サキって呼んでよ。」と言うので、


「サキちゃんは男の痩せ我慢をわかってないね。誰だって、自分と居る時には、自分だけって言う態度を示す女が1番可愛いに決まってるだろ?。今度は、もう少し男心を学んだ方がいいかも知れないなあ。」と言うと、そのコンサルタントに向かって、
「痩せ我慢してたの?」と訊いた。


そのコンサルは、「あはは。いやー、参りましたなあ。図星です。」と頭を下げた。


これから、サキちゃんは、きっとイイ女になって行くんだろう。


その後は、必ず私を見かけると、まず私の席で30分くらい話して、それから自分の席に行く。


本当に女は変わる。


今は指名客も増えたそうだ。指名しても必ずすぐに席に着いた1ヶ月前とは違って、待たされるコトが増えたコンサルのヤキモチが楽しいそうだ。そして、半分になった投資金額は、その後順調に増えて、今はプラスに転じたそうだ。


お金に余裕が出来ると気持ちも明るくなりますね、と言う。そして今はハチローちゃんと呼ぶ。


その後もケータイ教えて、と何度か言われたが、とうとう番号もアドレスも交換せずに現在に至る。もう会えないかも知れないけど、肩の力を抜いて、余裕を持って人生を楽しんで欲しい。


フレー、フレー、サキちゃん(^^)!。




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今夜は土曜日。午前1時10分にドアを入ると喫煙席はほぼ埋まっている。私は待ち合わせをしていた。厳密に言うと待ち合わせではない。土曜日から日曜日にかけての終電が終わった時間には、元ボクシング・トレーナーの同級生がいつも居る。彼の仕事の関係で、このタイミングには始発までの時間をここで潰して居るんだそうだ。前回偶然ここで会って、そういう話になったので、彼に会いに来たのだ。


ところが彼の席の隣には16人連れの若者達が賑やかに食事をしていた。とても喋れる環境ではないので、取りあえず別々の席に座った。私は例の3つある丸テーブルの1つ。若者達のグループが帰ったのは1:40だった。他のテーブルの男性5人・女性2人のグループや、男女2人ずつのグループも一気にはけ、1:55には、静かないつものファミレスに戻っていた。


彼は私の席に来ると言った。「ここに来る娘達は足が綺麗な子が多いね。何だかみんな村上リカコみたいだ。自分の足の綺麗な見せ方を知ってるっていうか・・・」


私は彼に言った。「でも、女性としての綺麗さと違うところに居るよね。みんな、メスに見える。下着は誰にでもフリーパスみたいに見せてるし・・・。この間なんか、女性の4人組が椅子でアグラかいてて、4人とも黒い下着をバリバリ見せてたしね。」


彼はうなづきながら言った。「あ、それはそうかも知れない。この間、麻布十番で始発の電車を待ってて、目のやり場に困ったのは、男2人・女1人のグループの女の子のスカートがオーガンジー風で透けてるんだ。ピンクのフリルのパンツがしっかり見えてて、逆にあんまりソソられなかったなあ。若いうちは女子テニスのスコートの中が見えると興奮したけど、オッサンになって来て、見えても構わないようにアンダースコートを穿いてるのがわかって、第1段階の落ち着きが身について、今じゃスパッツに変わったから、第2段階っていうか普通に見られるのとおんなじような感覚だったなあ。」


私は訊いた。「普通に見られるのに、何で目のやり場に困ったの?。」


彼は答えた。「それはドキドキする訳じゃないけど、パンツをじっと見るのも変態みたいで、見ないようにするから、変に意識しちゃうみたいなギコチない視線になるって意味だよ。昔、女子テニスやってた好きな娘がいてその時の視線のやり場とは違うってことを説明したかったんだ。」


私は笑いながら答えた。「やけに描写が細かいと思った。だけど、本当にそうだよな。隠されるから見て見たくなるけど、誰にでも当たり前のように見せられちゃうと引くよな。」


彼は返事した。「そうだなあ。それはあるね。この間、カッコイイと思ったのは栗色のロングヘアーに、毛皮を来て、白いスカート。で、ストッキングと髪の色が同じで豹柄のパンプスにキャリアケース引いてるCAを少し崩したようなファッションの女性が大門駅を歩いてて、京急方面に歩いて行ったんだ。空港に向かう感じだったんだけど、ソソられたなあ。」


私は言った。「麻布十番は、銀座や浜松町より若い娘と外国人が多いように感じるよね。人通りが本質的に少ないから、目立つんだろうけど。」


彼は言った。「うん。それはそうだね。外人を男性にまで広げると六本木の方が多くなるかも知れないけどね。」


こんな話をするようになったのは、私はバカな企画を出版社の編集に乗せられて引き受けてしまったからだった。


地下鉄の終電から始発まで、その駅に1番近い24時間営業のファミレスでの生態を観察記録としてデータベース化して欲しい、という依頼だった。マーケッターとしてなのか、物書きとしてなのか、よくわからないオーダーだったが、夜中にずーっとウチに居られなくなる仕事だから、引き受け手が居なかったのだろう。私としては、経費が出版社持ちだから、そういうところのスナックとか、美味いモノを出してくれる居酒屋とかの方が、地域特性が出やすいと思う、と主張したのだが、予算の問題と、企画意図が、そこに居る人達のファッション性だとか言う辺りだから、お酒が飲めなくても集まれるファミレスで!、という部分は全く変わらなかった。


最初のオーダーは都営大江戸線。38駅を2ヶ月ずつで76ヶ月。6年と4ヶ月ものロングラン企画として話があったが、予備調査をさせてくれと私から頼んだ。


まずは光が丘、練馬春日町、豊島園。この3駅に2ヶ月は要らない。ということで削る。練馬は1ヶ月でいい。新江古田、落合南長崎、中井も削った。東中野はオタクが集まっているように見えるから、変化は少なそうなので1ヶ月。中野坂上も1ヶ月。西新宿五丁目も1ヶ月。都庁前も削った。夜中には何もない。新宿は2ヶ月。代々木1ヶ月。国立競技場は削った。青山一丁目は1ヶ月。でもファミレスまでが遠い。いろいろ行く気になると赤坂見附に行くようなモンだ。青山一丁目に1番近いデニーズは寒くて行きたくない。1発で風邪を引いた。たぶん、寝る客を作らないような対策なんだろうが、寒過ぎる。六本木2ヶ月。麻布十番2ヶ月。赤羽橋は削った。大門1ヶ月。ただしファミレスは遠いのでマックにした。汐留は1ヶ月。築地市場は1ヶ月。勝どき、月島は削り、門前仲町1ヶ月。清澄白河、森下、両国、蔵前を削り、新御徒町と上野御徒町を1ヶ月ずつ。本郷三丁目、春日を削り、飯田橋を1ヶ月。牛込神楽坂を1ヶ月。牛込柳町と若松河田を削り、東新宿を1ヶ月。新宿西口1ヶ月。


しめて22ヶ月。2年弱の企画となった。もっとも予備調査に2ヶ月かかったから総合計2年の企画である。元々の企画からすれば4年と4ヶ月を節約出来た訳だが、どんなデータベースにするのか?。実は終電から始発までで1番多い人種は、ファミレスではオタクとIT関係者と大学生と看護師とキャバ嬢だ。大江戸線に限って言うと警備員も多い。ホームドアの新設工事が行われているからだろうが、終電から始発までは駅から追い出されるからだろう。私はむしろ、そういう警備員が「体を伸ばして寝たいから」と寝袋を持って公園で野宿している人も居る、というような実態に興味が湧いた。この人達が体を伸ばして寝られる移動カプセルホテルみたいな企画ができないだろうか?等と考えたが、事業としては無理があることもわかった。こういう人達は、マックがあればマックに行く。100円で終電から始発まで過ごせるからだ。少し上級の人で漫画喫茶。3時間1000円パックで体を伸ばしてリクライニングシートで寝るとリッチな感覚!というかなり細かい業界情報も加えて提出してあげたが、編集部では、そういう部分に関しては全く話題にならなかったらしい・・・。


むしろこの、駅を絞った予備調査の結果は、編集部では喜ばれた。経費の削減にもなり、且つ、ファッションで絞りたいエリアもハッキリしたからだ。また、特集を組みたいと思っていた駅周辺が、今回ピックアップされた駅とほぼ同じだったらしく、たった2ヶ月で、自分達の感覚も、かなり的確にゾーンを見極めていたと証明されたと感じているようだ。


次回の沿線の企画もよろしくお願いします、と言うから、これっきりにしてくれと答えた。やっぱり夜はファミレスより、行き慣れたスナックとか、居酒屋がいい。2年もみんなとご無沙汰してるウチに、そういういい店が潰れちゃったら、どうしてくれるんだ!?。


この事前調査によるマーケット・データはハッキリしているので、加工のしようがない。そこで、いろいろ話しているうちに2ヶ月ずつ調査するところは「覗き話」というテーマが決まった。こちらが挙げた資料の中で、こぼれ話のように書いた話が面白いとウケたようだ。編集会議で「思わず読んでしまう感じがいい」と言うコトになったらしい。


そこに集う人々のファッション感覚。それを書くのはオヤジだから、ギャップがあった方が面白い。


例えば村上リカコ。我々の時代、ざっくりしたセーターを着て、スカートを忘れて来たようなファッションだと思っていたが、今は麻布十番等では、セーター、ないしはシャツにレギンス、という感じ。何十年も前に見たファッションがアイテムを変えてそういう隠れたヒット・ファッションを支えて来た存在なのかも知れない、と言うと親父感覚が編集者に受けて、麻布十番のファッション記事と私のエッセイで大きな記事が1つ出来る、という具合だ。


編集の人間からすると、村上リカコはアルファベットのRIKACOらしい。ファッション・リーダーで、スカートを忘れて来ちゃったようなファッションとは全く思わないそうだから、逆にウケるんだそうだ。言われて見ればファッション・リーダーの宿命として、その時代に違和感のある登場をしているんだなあ、と感じるそうだ。


我々の年代の感覚を持ち続けるために、同級生の存在が必須だった。そして、同級生と偶然会った、という訳だ。


私が同級生に言う。「その村上リカコがNHKの朝の番組で更年期特集のパネラーで出てるんだから、時代も変わるんだよな。」


彼が言う。「おまえ、いつ寝てるんだよ?。全く、体は大事にしろよな。」


私が訊く。「寝ると言えば、この辺の女の子と村上リカコなら、どっちがいい?。」


彼が飲み物を吹き出しそうになりながら言う。「おまえねー、何てコト訊くの?。そりゃ、村上リカコに決まってるだろ?。何て言うんだろ?。たぶん、若い子達とは深みにハマらない気がする。1回でいい、みたいな・・・。何てコト言わせるんだ!。」


私が言う。「あっはっは。わかる気がするよ。」


そんな、他愛もないバカ話をしている親父達もいる。


                        作:代田八郎




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終電が終わり、麻布十番の7番出口を出る。駅を背にして左側にf・Bar(ファッション・バー)がある。fashionTVのオフィシャル・レストラン・バーの入口には、タキシード姿の大きな黒人がドアの内側から外を向いて仁王立ちに立っていた。ガッチリした体躯。ボブ・サップをいい男にしたらこんな感じになるだろう。


ハマーのものすごいリムジンが、外の道路に止まっている。


この店には、いつも外人モデルのようなスタイルのいい女性達や日本女性でもスタイリッシュな感じの客が集まっている。でも、精一杯背伸びして来た感じの女性が、外で酔いつぶれている姿を目にする時だけはもう少し、余裕を持てたら、もっとイイ女になれるのにね、と思ってしまうのは、私がおじさんになったコトを意味しているのかも知れない・・・。



今日も例のファミレスで喫煙席を希望した。3つある丸テーブルの1つに座った。


少し経つと、目の前の丸テーブルに、これ以上は短く出来ないジーンズ系のショートパンツに真っ直ぐな足、茶色の髪が腰近くまで伸びた、夜なのにピンク系のサングラスをかけている細くて背の高いハスキーボイスの女性が1人で座った。


座るとすぐ、メニューを注文してから、何やら相談するようなヒソヒソ声の電話を掛けて、30分くらいゆっくりと食事をしたり、ボーッとしたりしていた。


すると、ガッチリした体型の短髪、アゴひげ、バミューダ丈のパンツにTシャツ姿の男性が現れた。彼は、サラダとオニオングラタンスープを注文した。


店内にはジョナサン・オリジナルのDJ番組「ミュージックステーション」が流れていた。秋の男性ボーカル特集。久保田利伸「ミッシング」、徳永英明「コスモス」、平井堅「ラブラブラブ」がBGMとして流れていた。


彼女が切り出した。「今日、サイフなくした・・・。」


彼は慌てて、「全財産、なくしたのか?」


彼女は返事した。「それに近い。明日の昼に銀行に行けばゼロじゃないけど、キャッシュカードもクレジットカードも、それに大切だからサイフに入れてたいろいろなモノも全部なくした。あんたにもらった指輪もサイフの中だった。大切だと思って持ち歩かないで、他の人からのと同じようにウチに置いといたら無くさなかったのに・・・。だから、やる気もなくした。」


彼は笑った。「あははは。これを機会に財布なくしてもやる気はなくさない方法を身に付けろってコトだな。あんまり男がたくさん居ると、アクセサリーをとっかえひっかえしなきゃならなくて、そういう羽目になるんだよ。」


サラダをほおばりながら、彼は小さい声で言った。店の女性がオニオングラタンスープを持って来た。


彼女は「アンタって最低!。私がキャバ嬢だって知ってて付き合って、そういう無理なコト突き付けるんだ?。アンタの気持ちはわかった!。何にも無くなったんなら、俺の所に来いって言ったら、アンタの所にお嫁に行ってもいいと思ったから終電で来て、アンタと過ごそうと思ってたのに冷めた。ごゆっくりまだ冷めてないスープを召し上がれ!。じゃあ、ロング・グッバイ。」


と、カバンを持って、そのまま席を離れて行く気配だ。


男性はオニオングラタンスープを一口飲んでから、「全部飲む時間くらいくれよ。ここのお金もタクシー代もないんだろ?。電車代は定期で来たんだろうし・・・」


女性は席を立ちながら、ゆっくりと感情の起伏がまるでないかのように、淡々と言った。「こんなイイ女相手にファミレス代、出させようと思ってた時点で最後の気持ちもキレた。私が乗り付けたらタクシー代を喜んで出す男はいくらでも居るからご心配なく。」


男性は感情の起伏もあらわにこう言った。「タクシー代の変わりに結婚を切り出すような安っぽい女に今まで夢中だったなんて、俺もスッキリ冷めたからご自由に!」


男性はあたたかいスープを口に運んだ。


「さよなら。」 女性は、感情のこもらない言葉を置いて、ゆっくりヒールの音を響かせながら歩いて行った。


「・・・だからオニオングラタンスープだけは最後まで飲ませろって言ってから、1度もオニオングラタンスープだけは最後まで飲ませてくれないなあ。これで3回目だ。スープにヤキモチ妬いてどうすんだよ・・・」


男性は、彼女の後を追って席を立つと走って出て行った。


彼女はビーフシチューハンバーグとオニオングラタンスープを頼んでいたようだ。どちらも皿の上に残っている。


彼のサラダとオニオングラタンスープの残り方のバランスが、彼女のお皿の残り具合ととても似ている。


彼女の方が、少し上手(うわて)のような気がした・・・(^^)。



                           作:代田八郎




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都営地下鉄大江戸線の「麻布十番」駅の7番出口を出ると、駅を背にして右側には十番稲荷神社、左手にはファッションTVオフィシャルレストラン「f・Bar」がある。そのf・Barを左に折れると、道の左側にファミリーレストラン「ジョナサン」の看板が見える。少し奥まった入口のファミレスで、24時間、人が切れることがない。


終電も終わり、俺は一人で店のドアを押した。喫煙席を希望すると、導線を挟んだテーブルには、90年代を彷彿とさせるワンレン・ボディコン・ピンヒールの背の高い女性と、少し派手な茶髪系メッシュの入った肩より少し長めのウェービー・ヘアに、やはりボディコン気味の短い丈のワンピースと、スウェードのロング・ブーツを履いた女性の2人が顔を寄せてヒソヒソ話をしている。



A子:「・・・彼女、子宮の摘出が必要だって言われてたってよ。」


Y美:「ココだけの話で内緒だよ。彼女と先生、付き合ってるらしいんだって。妊娠させないための方法じゃないかって、トモちゃんが言ってたよ。」


A子:「トモちゃんて婦人科の?。何で同じ科の私に言わないで、アンタにそんなコト言ってんだろ?。」


Y美:「同じ科だから言いにくいってコトもあるんじゃない?。」


A子:「そうかな?。え?、でも、それってヒドくない?。ってか、ヒド過ぎない?。」


Y美:「私達もドクターと付き合う時は気を付けなきゃ、まともにお嫁に行けなくなっちゃうわね。」


A子:「アンタも私も充分気を付けないとね。スポンサーは別の業種で探さないと危険だね。」


Y美:「でも、ドクターって、てっとり早くて、後腐れないしねー。なかなか踏ん切りが付かないよねー。」



え?、この2人、ナース?


どう見ても、「モデルにならない?」って声を掛けられて、AV女優になっちゃったっていうパターンの女性っぽく見えてたのに・・・。


化粧だって盛り過ぎだろうってくらいに盛ってる^m^。


しかも、明日は早番!って、今、夜中の01時25分だろうが!。


人は見かけによらないなあ・・・。




                           作:代田八郎




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と言っても肉体的なものじゃありません。まさに浮「気」(^^)ドキドキ。


詳しく書けなくてごめんなさい<(_ _)>。


いろいろあって、少しお休みをいただいて、直すべきところを直して、本格的な作品に仕上げて行きたい旨、お伝えください、ということです。


私とも、何度も話し合いをさせていただきました。



何より、今まで読んでくださっていた方に、このまま終わりにしてしまったら、申し訳ない!という気持ちでいっぱいでした。


アクセス数も多くて驚いた作品力!。私達もとても続きが読みたいんです。


でも、ほづみさんの都合もある。彼も、作品も、本当に大変でした・・・。


そして、関わってくれた全ての人を幸せにしたくて始めたのに、ほづみさんへの負担が膨大になっていたのにも気がつきました。連載期間中、彼はどうやって生計を立てていたのだろう?、とか、いろいろ考えることが増えました。


そして、いろいろな事情を考慮して、予定では、来年の4月~6月の間くらいに再開する予定です(^^)。


私も、SynchroniCityというアクセサリー・ブランドの起ち上げの準備もしていたし、なくなっちゃうのはなあ・・・と、思っていました。


そこで、ほづみさん1人にかけていた負担を分散できないか?と、また、探していました。


今度はファミレスでした(^_^;)。


何かレポート用紙風の紙に書いている男性がいます。スゴく早いんです。紙をピリッと剥がすまでの時間が10分くらいです。そして、ニヤニヤ笑ったり、膨れたような顔をしたり、見ていて面白かったので、声をかけました。


最初は企画書かなんかを書いているのかと思っていました。そしたら、エッセイみたいなものや、ショートショートのようなものを書いているんだそうです。


週一なら全然問題ないから、私でよければ書かせてもらいますよ、と気さくに言ってくださいました。


そして、2日後、書かないと言って来ました。この『JUNのブログ』を読んでくださったんだそうです。そして、あんなに応援されたら、プレッシャーがかかる、とおっしゃいました。


「奥さんは、自分で気付かずに回りの人を強力に巻き込んでいると思いますよ。だから、もし、書かせてもらうなら、コーナーだけ作って、不定期で、応援コメントのようなものも載せない、と約束してくれるなら書きますが、フル・パワーで応援するのはやめて欲しい。そうじゃないと、私にとって、最も気になる女性になってしまう・・・。」


なんて言うんです(^_^;)。結構、私も、彼が気になってしまいました・・・。




という、文章を書く人です^m^。←(ココからは、JUNの文章です。)


ほとんどの人は、私が書いたと誤解するような文章で始まったでしょう?。今回の事情を話した上で、旦那に相談したら、重たくないのを書いてくれる人がいいかな?、と声をかけてくれて、ほづみさんのつなぎならやりましょう、と言ってくれた男性です。


旦那の友達なので、旦那は笑っていますが、私は、こんな『ほづみさん以外に、浮気しちゃいます(^^)v』なんてタイトルは書けません!。イヤだって言ったら、メインを張る訳じゃないんだから、つなぎだよ、つなぎ!と旦那は言います。ご本人も、つなぎなら、少し雑でもいいでしょう、私はメインを張れるほどの大作は書かないから、とおっしゃいます。


正直に言うと、人がいいんだか悪いんだか良く解らないタイプの人で、いい加減と言えばいい加減、親切と言えば親切、みたいな、簡単に言うと、ほづみさんとは正反対の人です。


「一所懸命じゃないんだから・・・」、と言うと、


「奥さんは男性のタイプでは、『ミシン』や『軽石』と言われるタイプにしか興味はないようだ」


と言うので、


「何ですか?。その『ミシン』や『軽石』と言われるタイプって?」


と訊くと


「『ミシン』は『1つ穴だけ挿している』タイプの男性。

『軽石』は『かかとだけする』つまり『カカアとだけする』タイプの男性ですよ。

はっはっはっは(^O^)。」


とシモネタを爆裂させるような人です(-_-;)。


ちょっとイヤかも?と思う反面、頭はスゴく良さそうな人で、


「奥さんは、今『いっしょけんめい(一所懸命)』と発音されたでしょう?。『いっしょうけんめい(一生懸命)』ではなかった。だから、この言葉が出来た鎌倉時代の武士の生き様なんかにも興味はあるんだと思います。1つの土地を命をかけて守った武士達。一つの所、というイメージから出た、ジャスト・ジョークですから、お気になさらずに・・・。イヤ、お気に障ったんなら謝ります。ほら、この通りm(_ _)m。」


どうして、こんな凄い人がタダで協力してくれるのかは解りません。旦那が何か弱みを握っているとか、そんなことくらいしか考え付きません。名前を出さずにペンネームは『代田八郎』にしてくれ、って言うんです。旦那は大笑い!。


「代打野郎(だいだやろう)って読むんだと思うよ(^O^)。」


先行き不安ですが、コーナーを作ってほったらかしておくしか無さそうです。


ちなみに、本当に頭はいいと思います。さっきの私のフリをして書いた部分で、ファミレスで出会ったってコトになっていますが、書いてくれるタイトルが『深夜ファミレスより愛をこめて』だそうです。コピーライトが、何だかうまそう。ちょっと気になるタイトルですよね?。


内容は、全く解りません。ということで、コーナーを作ります。よろしくお願いします。




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息子の中学が新人戦関東大会のベスト8に勝ち上がっています。来週までこのワクワク感をプレゼントしてくれて、チームみんなにありがとう(^^)。よくがんばったね。


試合後、息子が雨の降った後の公園で追いかけっこをしていて(それには事情があるんですが、それは今は言及しません(^_^;))、滑って転んだのを、指摘してくれた顧問の先生に「子供じゃあるまいし、雨の後の滑る所で追いかけっことはどういう気持ちでいるんだ!。おまえがもし怪我でもして、骨折したりしたら、おまえの代わりが居ると思ってんのか!。もう少し、自覚を持って行動しろ!」とみんなの前で叱られた件。先生、ありがとうございました(^^)。あの叱られ方、満更でもなかったようです(^^)。


雨の中の試合で、帰って来てから微熱のあった息子。お風呂に入って寝る前には熱が下がっていました。丈夫で居てくれてありがとう(^^)。母親にとっては、それが1番です(^^)。


寝てないのに仕事場から応援に駆け付けてくれた旦那、ありがとう(^^)。息子の試合は久しぶり・・・でもないか(^_^;)。でも、無理すると体に良くないから、あんまり無理は重ねないでね(^^)。


アニキの試合のたびに連れ回される娘、あなたの世界で遊んでくれてありがとう(^^)。アニキの兄妹達が、試合が長引いても、文句を言わなくなったって、お母さん達も言ってるよ(^^)。自分のしたい遊びを一所懸命してくれるおかげで、試合が終わると「もう、終わったの?」って言葉が聞けたり、大切な試合では一緒に応援したり、みんな雰囲気がよくなったって言ってくれてるよ(^^)。本当にありがとうね(^^)。






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今日のありがとう(^^)。


旦那が夜勤でも文句を言わずに働いててくれてありがとう(^^)。


お弁当はいつもオニギリばかりなのに、美味しいって食べてくれてありがとう(^^)。


子供たちもお手伝いを良くしてくれてありがとう(^^)。


今まで自分で背負って大変だと思っていたコトを相談してみたら、家族が一緒になってやってくれて、負担がスゴク軽くなりました。協力してくれてありがとう(^^)。


何だか気持ちが楽になると、大変だと思えてたコトに挑戦する気持ちがまた芽生えて来ました。そういう気持ちにさせてくれた家族や友達にありがとう(^^)。



本当はもっともっといっぱいあります。でもうまく言葉にならないコトが多いんです。そんな私を許してくれてありがとう(^^)。




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