青山一丁目の終電に近い大江戸線を降り、デニーズに向かう道すがら、ずーっと一緒に歩いた20代前半の女性。


栗色のセミロング、赤いショートコート。キャメルの太腿辺りまであるセーター。その下にセーターとほぼ同じ丈の黒のオーガンジーのフリルのスカート。黒いストッキングと黒のスウェードの膝下丈のブーツ。上の方に2本横にベルトが付いているタイプのブーツ。金色のバッグが背伸びしているように見える女性。


外階段を上がると、彼女も上がって来る。ドアを開け、彼女を先に通すと「あっ、ありがとうございます!」と元気に先に入って行った。入口で「お2人様ですか?」と訊かれ、「いえ、別々です」と答えると、別々に案内された。


彼女も喫煙席を希望したが、30分経ってもタバコを吸わない。赤いコートを脱ぎ、ニットのキャメルのワンピースなのかセーターなのか、その中間のような服で、頬杖をついてぼーっとしていた。


1時間くらい経った頃、彼女の表情がパッと笑顔になった。


ジャージ姿の男性が現れた。背もあまり高くないし、無精髭も生えている。あまりパッとしない男性なのだが、彼女は嬉しそうに話している。


大学の先輩・後輩のようでもあり、恋人同士のようでもある。でも、彼は困ったような顔をしていた。そして、


「始発までここで付き合おうか?。それとも俺の部屋に来て寝るか?。」


彼女の顔がパッと輝いた。「お兄ちゃんの部屋で寝る!」


兄妹っぽくないので聞き耳を立てていた。どうやら、彼等の両親は連れ子で結婚したらしい。昔、そういうジャパニメーションがあったのを思い出した。兄と妹の禁断の愛・・・。彼女のコトを秘かに『亜美』と命名した。


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