仏映画 -4ページ目

仏映画

フランス映画いろいろ


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個人評価: ♪♪
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製作年/Sortie: 2014
監督/Réalisation 脚本/Scénario: 
トニー・マーシャル/Tonie Marshall
出演/Acteurs: 
ソフィー・マルソー/Sophie Marceau
パトリック・ブリュエル/Patrick Bruel
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あらすじ
セックス依存症を克服し、“カップル”専門のカウンセラーとして働くランベール。助手として雇ったジュディットは度を越した発情色魔、街の中を歩いているだけで男たちが全裸に見えてしまい、ムズムズしてしまう。

ジュディットの助手応募目的は勿論、ランベール!果たして抵抗できるのか?共にカップル・カウンセリングの仕事をするが、夫婦が席について3分もしないうちに夜の営みについて質問するジュディットにランベールはハラハラ。

一緒にカウンセリングしているが、直ぐに発情!



感想
この二人は画的に映えるので、別の映画で見たかった、、、。そして映画はソフィマルソーファン向け。
邦題は相変わらず酷く、原題直訳は「欲しいの?欲しくないの?」、当り前だが現代の方が映画にあっている。
この手の話、フランスではテレビドラマではポピュラー、セクシーな老若問わないセックス依存症の女性が、男性に面白可笑しく、そして時にはシリアスに迫りまくっている。セクシーさの欠片も無い私には無縁だが、TVの中では嫌いではないジャンル。
そして本作品では、「フランス人ほど性に正直な人種はいない」と信じていた私だが、カウンセリングにくる夫婦を観ながら、こういう悩みフランス人でもあるのね、と復習ができた。
但し、2度とこの映画を復習することはないだろう。笑

ソフィマルソーのファンに限らず拝んでおきたいのは、この笑顔、この可愛さ。本当に50代?


週末にちょっと笑いながら軽めのフレンチ下ネタを堪能したい人には持って来いかもしれない。
この映画を見ながら日曜日の昼下がりに飲むお酒は、
シードル(リンゴのお酒)Demi-Sec/やや辛目かな?
CIDRE VAL DE RANCE CRU BRETONや国産の青森シードルも安価で美味しいし、御摘みはドライカレーを薄目のバゲットをトーストした上にのせたもの。粉チーズをかけると絶品。またはアボガドのサラダや餃子でも。


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個人評価: ♪♪♪
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製作年/Sortie: 2016
監督/Réalisation 脚本/Scénario: 
二コル・ガルシア/Nicole Garcia
出演/Acteurs: 
マリオン・コティヤール/Marion Cotillard 
ルイ・ガレル/Louis Garrel
アレックス・ブレンデミュール/Àlex Brendemühl
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あらすじ・ネタバレ
息子が出場するピアノコンクールの会場へ向かう親子3人。窓の外を見ていた妻ガブリエルが突然、血相を変えて車を降りる。
そして、舞台は過去へ遡り

1950年代、ラベンダー畑が広がる南仏プロヴァンスの片田舎に住むガブリエルは小説「嵐が丘」に心酔、教会に通い、真実の愛を与えてくれるよう祈り続ける。ガブリエルは村の人々からは「ヒステリックで変わり者」と呼ばれ、同居する両親や妹からも疎まれていた。ある日両親はガブリエルの結婚を勝手に決めてしまう。相手は情の深いスペイン労働者のジョゼ、ガブリエルの理想に程遠い。
「あなたを絶対に愛さない」
「俺も愛していない」
そんな言葉から結婚生活が始まる。

ある日、持病の結石の治療のためアルプスの療養所に送られ、そこでインドシナ戦争で負傷した魅力的な帰還兵アンドレと出会う。ガブリエルの求めていた身を焦がすような愛が始まる、、、アンドレの子を宿す。療養所を出た後もガブリエルとアンドレは手紙で連絡を取り合い、ジョゼと生活を続けるものの愛はそこにない。

息子のピアノコンクール当日、ガブリエルは真実を知ることとなる。実はアンドレは既に死んでいて、ガブリエルの妄想を支えていたのは夫のジョゼだった。あの夜療養所でガブリエルの体を熱く迎えたのも実はジョゼ。、、、、なぜ、こんな嘘を?
「君を失いたくなかったから」


二人の結婚式

療養所での温泉治療

ルイ(帰還兵アンドレ役)、役作りの為体重を落としています

感想
フランス映画初心者には、つらいかも知れない。
ジョゼを愛さないといいつつ、娼婦のフリをして誘ったり、ガブリエルは愛に飢えている。妄想を食べて生きている、、、挙句の果て、
チャイコフスキーの舟歌に、南仏の風景、画は抜群な美しさを放つ。そしてガブリエルの療養先はスイスのホテルl'hôtel Schatzalp を使っている。
l'hôtel Schatzalp (de) à Davos (Suisse)
https://www.schatzalp.ch/de/hotel/




邦題の「愛を綴る女」、、、
愛を綴る女はMilena Agus の2006年の小説「Mal di pietre」を元に映画化。イタリア小説題と仏映画題は同語。邦題の「愛を綴る女」、、、かなり意味が異なる。「Mal de pierres」を訳すと結石、彼女の病気の事を指すが、直訳はMalには悪や痛み、Pierreは石を指す。ピエールという名の友人が「僕は名前通り、石みたいに頑固!」という、原題にはガブリエルの石壁に囲まれた妄想や彼女の悪癖みたいなものも含んでいるのかもしれない。
邦題には少々ビジネスの香りがする。

最後に小説だが、実は本場イタリアでも大ヒットというわけではなく、書評も5段階評価中3つ星、Sottosopraの評判の方が良い。





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個人評価: ♪♪♪♪♪
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製作年/Sortie: 2007
監督/Réalisation 脚本/Scénario: 
マルジャン・サトラピ/Marjane Satrapi
ヴァンサン・パロノー/Vincent Paronnaud
出演/Acteurs: 
カトリーヌ・ドヌーヴ/Catherine Deneuve 
キアラ・マストロヤンニ/Chiara Mastroianni
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あらすじ
マルジャン・サトラピの半自伝的漫画『ペルセポリス』を原作に長編アニメとして製作。
映画の主人公マルジは9歳、富裕層で優しい家族の中で幸せに暮らすが、そんなある日テヘランでイスラム革命が起こり、直ぐにイスラム政治による圧政が始まった。反政府主義者として投獄されていた叔父のアヌーシュも解放されたが、その後新政府に逮捕されてしまう。

そしてイラン・イラク戦争勃発により、イスラム法が適用され庶民の生活はより悪い方向へと変化する。女性はビジャブをかぶり全身を布で覆うことを規制され、全ての民は飲酒とトランプゲームが禁止され、更には14歳以上男子の徴兵制が施行される。徴兵スカウトの方法が悲しいかな、、「戦死して天国に行けば女とやりたい放題だ」、、、
更には共産主義者や政治犯はこぞって死刑になり、処女の女性は処刑できないためレイプしてから殺すという摩訶不思議な法が適応された。
マルジの母もビシャブから前髪が出ているだけで男たちに揶揄される始末、マルジが社会の犠牲になることを恐れた母親はマルジをオーストリアに留学させる。




感想
先ず驚いたのが声優陣、カトリーヌ・ドヌーヴとキアラ・マストロヤンニ、本物の親子が共演している。ドヌーヴは余り好きではない私だが、二人の共演に興奮してしまう。劇中でも親子。



さて肝心の映画タイトル、ご存知の通り『ペルセポリス』とは
紀元前前6世紀イラン中南部に建設されたアケメネス朝ペルシャの王都の事を指し、ギリシャのアレキサンダー王に攻められ衰退。後にギリシャ人がつけた名前、『ペルシア人の都市』という意味である。現在は中東3大世界遺産に入るものの、かなり破壊された旧都となっていて、見応えを語れと言われると難しい。 そんな名前を何故、映画に?
作者のマルジャン曰く、「イランの現在は過去なしでない」歴史への想いを喚起するためにつけたとの事。そしてイラン社会や政治について描かれている部分は多いが、一人の人間の物語を描きたかったという。映画の時代背景も相まって暗い描写が多いが、マルジャン自身はユーモアを苦しい時に盛り込むのは聡明な生き方だと言っている。KEEP SMILING、微笑みで苦悩を隠せとキューバ人やブラジル人も、世界共通の言葉かもしれない。



監督のMarjane Satrapi, Winshluss
大人になったマルジも魅力的!


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個人評価: ♪♪♪♪
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製作年/Sortie: 2014
監督/Réalisation: アンヌ・フォンテーヌ/Anne Fontaine
脚本/Scénario: ラデュ・ミヘイレアニュ/Pascal Bonitzer
出演/Acteurs: 
ジェマ・アータートン/Gemma Arterton 
ファブリス・ルキーニ/Fabrice Luchini
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あらすじ・ネタバレ

イギリス人絵本作家Posy Simmondsの漫画をアンヌ・フォンテーヌによって映画化。
父親のパン屋を継ぐためにパリからノルマンディーに戻ったマルタンに待ち受けていたのは平凡単調な田舎生活。愛読書はノルマンディーを舞台にした『ボヴァリー夫人』。

ある日、隣に越してきたのがイギリスからやってきたボヴァリー夫妻。マルタンは官能的で奔放なイギリス人妻ジェマにすっかり魅了されるが、ジェマが年下の男と不倫するのを目撃してしまう。マルタンは小説の“ボヴァリー夫人”とジェマを重ね、彼女の運命を心配する。小説のボヴァリー夫人の名前はエマ、不倫と借金で追いつめられ服毒自殺してしまうのだ。

そして、マルタンの心配通り、ジェマはキッチンで夫と昔付き合っていた男の傍で亡くなった。死因はマルタンの差入のパンを喉に詰まらせた窒息死、、、。マルタンは夫に平謝りする。

その後、隣に新しい人が引っ越してきた。
マルタンの息子がロシアから引っ越してきた女性の名がアンナ・カレリーナという情報を得る。アンナ・カレリーナといえば、有名なロシア文学これまた悲劇、マルタンの妄想は膨らむばかり、挙句の果て、新しい隣人につたないロシア語で話しかける。
勿論、これは息子の冗談、新しい隣人は生粋のフランス人だ。








感想
原作者のPosy Simmondsはイラストレーター、漫画家、絵本作家等多彩な女性、フランスで有名なのは「Lulu et les bebes volants」小さな女の子ルルとその兄弟の話、日本語訳で有名なのは「ねこのパンやさん」、意地の悪いパン屋で働く猫の物語。多彩な女性ですね。さて、原作はこんな感じ





パンを食べるジェマの仕草はエロスたっぷり、昔の男との性行為場面は激しく、映画は本当に官能的だ。ところがマルタン登場場面は滑稽で、妄想ストーカーといっても過言でない御節介マルタンが何を仕出かすのかとドキドキする。
物語の結末であるジェマの死因がパンで窒息なんて陳腐も良いところ、漫画ならいざ知らず映画化の必要があるのか首をひねるが、珍種の映画であることは間違いなく、退屈な昼下がりにワインとカンパーニュ、チーズを片手を揃えて自宅で干渉するに丁度良い事は間違いがない。

来週はフランス映画ではないが、キーラナイトレイのアンナ・カレリーナでも観るか。笑


L'Ennemi public n° 1


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個人評価: ♪♪♪♪
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製作年/Sortie: 2008
監督/Réalisation: ジャン=フランソワ・リシェ/Jean-François Richet
脚本/Scénario: アブデル・ラウフ・ダブリ/Abdel Raouf Dafri
出演/Acteurs: 
ヴァンサン・カッセル/Vincent Cassel
セシル・ドゥ・フランス/Cécile de France
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あらすじ
1960年代から1970年代に32回の銀行強盗と4回の脱獄という偉業(⁉)を成し「社会の敵No.1」と呼ばれ、銀行や金持ちからのみ金を奪い、友との絆を大切にし、裏切り者には容赦なく報復、女には手を出さず愛を与えるフランスに実在した犯罪者メスリーヌの実話を基に製作された映画。フランスでは若きメスリーヌによる強盗と逃亡、投獄そして脱獄を描いたノワール編、フランスに戻り、犯罪と投獄、脱獄を繰り返し、警官に取り囲まれ迎えた最期銃弾を受けて死ぬまでを描いたルージュ編、2回に分けて放映された。ルージュ編というタイトルから(ROUGE=赤)既に彼の死までを描くことは視聴者には簡単に想像できる。
彼の人生を知っていても面白いのがこの映画、メスリーヌはフランス、カナダ、アメリカ、中南米、スペインと様々な国で犯罪を起こし、彼のおかれる状況に応じて女も変えるが、一度情をかけた女は最後まで守り抜く。ちょっと日本のアニメ「ルパン三世」みたい?




感想
フランスでの評価は視聴前から2つに分かれていた。「カッセルはメスリーヌに値しない」と。実際映画は非常に巧妙に出来ていてメスリーヌのヒーローぶりが前編では鮮やかに描かれ、上映から一ヶ月で半数以上の視聴者がこの映画を支持した。実際の撮影は前後編等して9か月間で撮影され、後編を先に撮影した。カッセルは年齢に合わせて体重を20KG増やし、前編を撮影する頃には撮影のストレスから痩せていったという。
個人的な意見だが、後編(ルージュ)は少々スピード感に欠け、つまらない印象がある。後編を最後に撮影した方が良かったように思える。刻々と迫る警察の蔭にも楽観的にすら見えるメスリーヌ、、、(カッセル、体重が急増でちょっと俳優筋が衰えたのか、、)もう少し緊張感が欲しかった。

メスリーヌの死は1979年、友人の父はフランスの片田舎に住んでおり、被害にあうことも無いことから、メスリーヌの逃亡を応援していたようだ。鼠小僧の様にヒーロー的存在だったに違いないが、鼠小僧の儀続心とは異なりメスリーヌは金持ちから奪った金を私利私欲のために使う。家族や友情を重んじるが裏切り者には容赦ない。そして究極のナルシストだ。だが、フランス庶民の何パーセントかは警察を欺き続けるメスリーヌを応援し、友人の父の様にその死を惜しむ者もいた。一方メスリーヌがパリに戻ってから、パリ市民の平穏な生活は脅かされ「社会の敵No.1」とし忌み嫌われたのも事実だ。

この映画の上映に先駆けてフランスでは様々な特集が組まれたが、印象に残っている言葉が「メスリーヌの父が第二次世界大戦でナチスに加担していなかったら、父親としての役割を果たしていたのか」と。彼の人生の負い目が、息子への過保護を生んだという話もある。

余談:
カッセルが演じることによって、メスリーヌにセクシーさが追加されたが、実際のメスリーヌは、、、笑 こんな感じ



うーん、抱かれたいタイプではないかなぁ。

こんな詩をもらっても難しいかな、、、

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個人評価: ♪♪♪♪♪
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製作年/Sortie: 2009
監督/Réalisation: ラデュ・ミヘイレアニュ/Radu Mihaileanu
脚本/Scénario: ラデュ・ミヘイレアニュ/Radu Mihaileanu
出演/Acteurs: 
アレクセイ・グシュコブ/Aleksei Guskov 
メラニー・ロラン/Mélanie Laurent
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あらすじ
物語は1980年の旧ソ連、ブレジネフ政権がユダヤ人排斥の政策を強行、ユダヤ系の演奏家たちも例外なく排斥されることになる。

かつてはボリショイ交響楽団の天才指揮者だったアンドレイは、ユダヤ人敗訴政策に従わなかったため30年前に楽団を追われ、ロシアのボリショイ劇場で清掃員として働く。ある日、パリの劇場から届いたファックスを偶然目にしたアンドレイは、追放されていたかつての楽団員たちを集め、『ボリショイ交響楽団』になりすましてパリ公演をするという考えを思いつく。演奏する曲は、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。
さて、肝心の楽団員だが、タクシーの運転手、ポルノ映画の効果音創作者、市場の業者等、様々な業種に転職、楽器も売り払い音楽から離れていたものばかり、プロとはお世辞でも言えぬ演奏に、楽団員も神に祈り始める。2週間後のコンサートまでに腕を上げられるのか。問題はそれだけではない、パリまでの飛行機代、宿泊費、偽パスポートの用意等大騒ぎ。何とかパリに辿り着いたが、今度は楽団員がパリで各々のビジネスに散りリハーサルにも参加しない。

このコンサートの目的は、パリ在住ヴァイオリニスト、アンヌ=マリー・ジャケをソリストに迎える事。30年前、アンドレイ率いたボリジョイ交響楽団最後の曲がヴァイオリン協奏曲、当時のソリストがレア。
アンヌ=マリーと楽団員は「レアの為に」心を一つに演奏を始める、、、果たしてコンサートは成功するのか?



感想・ネタバレ

なんとかコンサートが開幕するも演奏序盤では綻びが見られるが、アンヌ=マリーがソロを弾き始めた途端、オーケストラの演奏が一変する。アンヌ=マリーの母親はレア、レアと夫は旧ソ連に異を唱えたため、シベリアに更迭となった。アンドレイ達はレアの赤ん坊を守るためにフランスのエージェントに託し、亡命させる。レアはシベリアで人生の幕を閉じた。

ユダヤ系監督による映画、メラニー・ロランをはじめ、役者の多くがユダヤ系であり、よく見ると政治色の強い映画となっている。シナリオは「偽のボリジョイ・オーケストラが北京で講演、早期逮捕」というニュースに触発され、その後、1980年代に旧ソ連オーケストラで、ユダヤ人敗訴に反対したエフゲニー・スヴェトラーノフの物語をニュースと一緒に紡いだ結果、「Le Concert」が誕生。(因みにスヴェトラーノフはユダヤ人ではなかったが、ユダヤ人と一緒に追放。)

印象に残った監督の言葉、
・ユーモアは常に貧困層の野蛮人に対する最高の武器である
・チャップリンの「独裁者」やルビッチの「生きるべきか死ぬべきか」は影響を受けているかもしれない
確かに彼の物語はブラック・ユーモアに溢れ、映画鑑賞後は爽快な気分にもなるが、思想の相違や人種について考えさせられる。

映画の醍醐味は、俳優軍の音楽演奏。中でもメラニー・ロランは4か月に渡る猛特訓をしている。音は勿論吹き替えとなるが、特訓の成果で、彼女が本当に奏でているかのように見えるし、吹替音とヴァイオリンの先生が同じである事もあり、DVDでボーイングを比較すると面白い。また、細かい話だが映画用にヴァイオリン協奏曲を短く編曲しているが、鑑賞中に「旨いこと切ったな」と感心してしまった。笑

映画の舞台にも拘りがある。映画はブタペストやパリのシャトレ座で撮影、楽団がパリに降りたときには、舞台が一気に変化する。映画のディテールが本当に素晴らしい。

私的には映画タイトルは邦題「オーケストラ」ではなく、「コンサート」なのですが、、、。

メラニーのヴァイオリンの先生Sarah Nemtanuさん、勿論ユダヤ系です。ユダヤ人の絆は国境を越えて強いと感じてしまう映画。


Sarah Nemtanuさんの演奏


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個人評価: ♪♪♪♪♪

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製作年/Sortie: 2014
監督/Réalisation: ヴィム・ヴェンダース WIM WENDERS
出演/Acteurs: セバスチャン・サルガド Sebastiao Salgado ジュリアーノ・サルガド Juliano Salgado 
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感想

邦題は「セバスチャン・サルガド 地球へのラブレター」、原題は「The Salt of Earth」

「The Salt of Earth」は「大地の塩」

マザーテレサも「大地の塩となるべし」という信念を唱えていた話を知るものがどのくらいいるのか。日本人にはピンときにくいが、塩の防腐効果から「保存」清浄性から「浄化」、調理に旨味を与えることから「有益」という様な塩を比喩した表現がが新旧約聖書の中に何度か登場します。キリストは群衆に「地の塩、世の光として生きよ」といいます。我々は地の塩であり、地に塩気が無ければ踏みつけられるだけの大地だと。つまり、塩の様に我々は「世の役に立ち世の中について考えよ」という事だ。

 
映画の冒頭でヴィンダーは映画のタイトルの意味を間接的に伝える---
 写真家の人生の映画?では言葉の意味から始めてみようか
 ギリシャ語でフォトは”光”、グラフィンは”書く”、”描く”
 ”フォトグラファー”とは「光で描く人」を指す、光と陰で世界を描き続ける人の事だ。
そしてサルガドの写真は白黒で世界の光と闇を描き続けている、邦題である「地球へのラブレター」にはサルガドの持つ清浄感は表現しきれていない。
 
サルガドが「神の目をもつ者/A God's Eye View of The Planet」と呼ばれる事を知っているだろうか。サルガドが被写体と常に穏やかに対話しその強く繊細な内面を撮影する姿やテレビのインタビューを受ける姿は優しく聖母マリアの様にも見え神々しかった。今回の映画で驚いたのは彼が片田舎の農場出身で自給自足の生活をしていた為、都会の学校に進学しても金の使い方がわからなかった事、大学で経済を学び政治の仕組を理解した事、第2子がダウン症だった事。ブラジル軍事独裁反対運動から妻とフランスに移住していたことは知っていたが、写真で大成してから日常生活では他者と相違がないのかと思っていた。以前授賞式の会場で紹介された長男は父親似のハンサムで次男の雰囲気は若干異なっていたが、彼を特別扱いしていないサルガドの行動もあり、ダウン症であった事に気が付かなかった。
 
私はサルガドから未だ学ぶ事がある。
 

この映画の概要は彼らのホームページで確認ください。

http://salgado-movie.com/about/

 

 

 

 

余談

サルガドの写真を見るとブラジルが好きだった一人のイタリア人写真家を思い出す。

「好きな写真家は?」という私の問いに、

「サルガド、知ってる?」とサルバドールのカフェで答えてくれた。

数年前、彼はタイでピストルに当たり亡くなった

 

 

 

 

監督
イヴ・サン・ローラン、ジャリル・レスペール 1976- 俳優・映画監督
1995年から俳優として活躍、監督業は2007年に開始したばかり本作は2作目。
サンローラン、ベルトラン・ボネロ 1968- 映画監督・脚本家・作曲家 
1996年より映画監督として活動し、衝撃的な題材の中の現実の可能性を常に描いている。
 

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物語

イヴ・サン・ローラン、レスペール監督はディオールの門を叩くところから始まり若く才能豊かなサンローランの成功の夜明けを表現、そして軍隊に召喚、抑留そして栄光と苦悩、彼の半生を描いている

サンローラン、ボレロ監督は、サンローランが1967年からブランドを立ちあげた10年間の激動期を中心に描いている。

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ピエール・ベルジュと映画製作
イヴ・サン・ローラン、財団の全面協力を受け製作、YSL財団のピエール・ベルジュの作品といっても過言ではなく、映画はベルジュの回想から始まり、映像、衣装、資材において実際にサンローランが使っていたものが登場する。
サンローラン、映画製作企画をベルジュに相談しなかったことから財団の協力は皆無。また物語中のベルジュの在り方に本人が異議を唱えたようだ。
 
ベルジュがボネロの映画製作に追いつこうと同年に完成させ、それぞれの映画はカンヌに出品された。サンローランは10部門最多ノミネートだったが、最優秀衣装デザイン賞のみ。レネールの作品は7部門ノミネートされ最優秀主演男優賞をピエール・ニネが獲得している。審査員がベルジュに気を使ったのではという話もちらほら。
 
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イヴ・サン・ローラン、アルコール、喫煙、ドラッグ、精神衰弱、そしてベルジュ倦怠期に陥るサンローランの日常生活が描かれているが、彼を取巻く人々は相対的。
サンローラン、サンローランの麻薬やアルコールへの荒廃が目立ち、薬物の過量接種やエイズについても強調されている。
 
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同年に公開された映画、それぞれの思惑があって製作されている。個人的にはイヴ・サンローランだけではなく、サンローランも一緒に見た方がバランスが取れる。戦後の有名人を題材にした映画は、主人公に纏わる映像が残りテレビで度々ドキュメンタリーが放映される。演ずる俳優の外見的力量に左右されるので非常に難しい。これはフランス映画に限ったことではない。キャスティングありきで見る事を辞めろと言われても、、、無理。
 
 
 
 

 

 

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個人評価: ♪♪♪♪♪

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製作年/Sortie: 2012
監督/Réalisation: レジス・ロワンサル Régis Roinsard
脚本/Scénario: レジス・ロワンサル等 Régis Roinsard Daniel Presley Romain Compingt
出演/Acteurs: ロマン・デュリス Romain Duris デボラ・フランソワ Déborah François
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あらすじ
1950年代後半フランス。女性の社会進出が目まぐるしい中、人気の職業が「秘書」。
フランス北部田舎の雑貨屋の娘ローズは縁談を迫られていたが、彼女には社会婦人になる夢があった。縁談を断り家を飛び出し、ルイ・エシャールが経営する保険代理店の秘書の面接を受験、タイプの早打ち(一本指打法)を披露し一週間の試採用が決定。
失敗ばかりのローズ、本採用の条件がタイピング大会で優勝する事だった。
一本指打法では優勝は難しく、ブラインドタッチを習得するためにローズはルイの自宅に下宿することに、、、そしてルイが鬼コーチだった事が判明。果たしてローズは恋も仕事も獲得できるのか。
 
 
感想
とにかくローズが健気で可愛らしく、ポップな50年代をフレンチカラーで味付けされていてファッションもインテリアも楽しめる映画。映画もテンポよく110分があっという間のスポ根映画。
何とも面白いのがローズが左右の人差し指一本で最初はタイプをするのだが、なんとも言えない可愛らしさがあり、私が20代の頃お世話になった上司を思い出してしまう始末。
 
物語はスポ根が続く、ローズが5本指を使い分けブラインドタッチを習得、タイピング以外にも体力をつけるためのランニングやピアノも習うようになる。私もピアノを習得していたおかげで、社会人になってからパソコンに苦労したことなど一度もなく、映画を見た後一時期、会社で皆のタイピング速度が気になる様になってしまった。
 
ローズは地方大会からドンドン勝ち進んでいくが、タイピング速度の上昇と同時に加速するのがファッションセンスだ。面接時には田舎のお嬢ちゃんだった服装がどんどん都会的に洗練されていく。遂にフランス大会で優勝し、ローズはルイと離れてジャピー社と契約することに、、、ジャピー社と契約したローズはした雑誌の表紙になったり、テレビCMの撮影があったりと多忙極めるが視聴側として麗しいのはポップなグラフィック。映画のこの場面だけでファッション記事の特集が組めるのではないかと思うくらい本当にキュートな映画。
物語の最後もスカッとしています。
 
地方大会でのタイピスト会場の様子:ローズも未だ田舎娘の頃
 
世界大会のローズ。ジャピー社の最新型のタイプを使って競技出場。
髪型もメイクも洗練され、体にフィットした大人なドレスをまとっています。
 
 
ネタバレ
ローズは国際大会で優勝してルイと結ばれます。
国際大会で優勝した時に使ったタイプ機はジャビー社製ではなく、喧嘩中だった父の雑貨屋においてあったタイプ。そしてルイの鬼コーチは「ローズの才能を見出し自分が果たせなかった成功を」、若い頃スポーツで成し遂げられなかった事や昔の恋愛そして現在の事業での成功と自分が成しえなかったことをローズに託していたのです。故にローズがフランス大会で優勝した時にはルイがジャピー社との契約を後押ししました。
 
ルイにタイムまで図られ、、、こんなスパルタとは一緒に住みたくないなぁ
 
   
   
   
   
   
   
   

 

 


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個人評価: ♪♪
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製作年/Sortie: 2016
監督/Réalisation: ローラン・ティラール Laurent Tirard
脚本/Scénario: エリック・二ボー Éric Neveux
出演/Acteurs: ジャン・デュジャルダン Jean Dujardin ヴァージニー・エフィラ Virginie Efira
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あらすじ


美人女性弁護士ディアーヌは離婚してバツイチ、元夫とは同じ職場で互いに干渉しあう。優しくて知的でユーモアにあふれハンサムで完璧な建築家のアレクサンドルに惹かれるが、彼の身長は1m36cm。
身長1m70cmのディアーヌは、「気にしない」と言いつつも、逆身長差の凸凹カップルは常に社会から好奇の目を向けられる。家族に紹介するも母親は交際に反対、二人の交際に賛成する聴覚障害者の父親は妻に一言、「障害は君の心の中にある」と。


感想

デュジャルダンが劇中で突然小男を演じている、目が慣れるのに時間がかかった。しかしながら、映画のテンポよく、アレクサンドルと息子のやりとりにほっこりし、ディアーヌの元夫の嫉妬に大笑い、あっという間に引き込まれた。疲れなく楽しめる映画だ。

フランスでは女性の身長が高いカップルが日本に比較し多かったので、誰も気にしないと思っていた。が、流石に30cm以上の身長差ではフランス人女性も躊躇するのだと初めて理解。