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個人評価: ♪♪♪♪♪
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製作年/Sortie: 2014
監督/Réalisation: ヴィム・ヴェンダース WIM WENDERS
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感想
邦題は「セバスチャン・サルガド 地球へのラブレター」、原題は「The Salt of Earth」
「The Salt of Earth」は「大地の塩」
マザーテレサも「大地の塩となるべし」という信念を唱えていた話を知るものがどのくらいいるのか。日本人にはピンときにくいが、塩の防腐効果から「保存」清浄性から「浄化」、調理に旨味を与えることから「有益」という様な塩を比喩した表現がが新旧約聖書の中に何度か登場します。キリストは群衆に「地の塩、世の光として生きよ」といいます。我々は地の塩であり、地に塩気が無ければ踏みつけられるだけの大地だと。つまり、塩の様に我々は「世の役に立ち世の中について考えよ」という事だ。
映画の冒頭でヴィンダーは映画のタイトルの意味を間接的に伝える---
写真家の人生の映画?では言葉の意味から始めてみようか
ギリシャ語でフォトは”光”、グラフィンは”書く”、”描く”
”フォトグラファー”とは「光で描く人」を指す、光と陰で世界を描き続ける人の事だ。
そしてサルガドの写真は白黒で世界の光と闇を描き続けている、邦題である「地球へのラブレター」にはサルガドの持つ清浄感は表現しきれていない。
サルガドが「神の目をもつ者/A God's Eye View of The Planet」と呼ばれる事を知っているだろうか。サルガドが被写体と常に穏やかに対話しその強く繊細な内面を撮影する姿やテレビのインタビューを受ける姿は優しく聖母マリアの様にも見え神々しかった。今回の映画で驚いたのは彼が片田舎の農場出身で自給自足の生活をしていた為、都会の学校に進学しても金の使い方がわからなかった事、大学で経済を学び政治の仕組を理解した事、第2子がダウン症だった事。ブラジル軍事独裁反対運動から妻とフランスに移住していたことは知っていたが、写真で大成してから日常生活では他者と相違がないのかと思っていた。以前授賞式の会場で紹介された長男は父親似のハンサムで次男の雰囲気は若干異なっていたが、彼を特別扱いしていないサルガドの行動もあり、ダウン症であった事に気が付かなかった。
私はサルガドから未だ学ぶ事がある。
この映画の概要は彼らのホームページで確認ください。
http://salgado-movie.com/about/
余談
サルガドの写真を見るとブラジルが好きだった一人のイタリア人写真家を思い出す。
「好きな写真家は?」という私の問いに、
「サルガド、知ってる?」とサルバドールのカフェで答えてくれた。
数年前、彼はタイでピストルに当たり亡くなった。



