ジャック・メスリーヌ フランスで社会の敵No.1と呼ばれた男 | 仏映画

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L'Ennemi public n° 1


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個人評価: ♪♪♪♪
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製作年/Sortie: 2008
監督/Réalisation: ジャン=フランソワ・リシェ/Jean-François Richet
脚本/Scénario: アブデル・ラウフ・ダブリ/Abdel Raouf Dafri
出演/Acteurs: 
ヴァンサン・カッセル/Vincent Cassel
セシル・ドゥ・フランス/Cécile de France
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あらすじ
1960年代から1970年代に32回の銀行強盗と4回の脱獄という偉業(⁉)を成し「社会の敵No.1」と呼ばれ、銀行や金持ちからのみ金を奪い、友との絆を大切にし、裏切り者には容赦なく報復、女には手を出さず愛を与えるフランスに実在した犯罪者メスリーヌの実話を基に製作された映画。フランスでは若きメスリーヌによる強盗と逃亡、投獄そして脱獄を描いたノワール編、フランスに戻り、犯罪と投獄、脱獄を繰り返し、警官に取り囲まれ迎えた最期銃弾を受けて死ぬまでを描いたルージュ編、2回に分けて放映された。ルージュ編というタイトルから(ROUGE=赤)既に彼の死までを描くことは視聴者には簡単に想像できる。
彼の人生を知っていても面白いのがこの映画、メスリーヌはフランス、カナダ、アメリカ、中南米、スペインと様々な国で犯罪を起こし、彼のおかれる状況に応じて女も変えるが、一度情をかけた女は最後まで守り抜く。ちょっと日本のアニメ「ルパン三世」みたい?




感想
フランスでの評価は視聴前から2つに分かれていた。「カッセルはメスリーヌに値しない」と。実際映画は非常に巧妙に出来ていてメスリーヌのヒーローぶりが前編では鮮やかに描かれ、上映から一ヶ月で半数以上の視聴者がこの映画を支持した。実際の撮影は前後編等して9か月間で撮影され、後編を先に撮影した。カッセルは年齢に合わせて体重を20KG増やし、前編を撮影する頃には撮影のストレスから痩せていったという。
個人的な意見だが、後編(ルージュ)は少々スピード感に欠け、つまらない印象がある。後編を最後に撮影した方が良かったように思える。刻々と迫る警察の蔭にも楽観的にすら見えるメスリーヌ、、、(カッセル、体重が急増でちょっと俳優筋が衰えたのか、、)もう少し緊張感が欲しかった。

メスリーヌの死は1979年、友人の父はフランスの片田舎に住んでおり、被害にあうことも無いことから、メスリーヌの逃亡を応援していたようだ。鼠小僧の様にヒーロー的存在だったに違いないが、鼠小僧の儀続心とは異なりメスリーヌは金持ちから奪った金を私利私欲のために使う。家族や友情を重んじるが裏切り者には容赦ない。そして究極のナルシストだ。だが、フランス庶民の何パーセントかは警察を欺き続けるメスリーヌを応援し、友人の父の様にその死を惜しむ者もいた。一方メスリーヌがパリに戻ってから、パリ市民の平穏な生活は脅かされ「社会の敵No.1」とし忌み嫌われたのも事実だ。

この映画の上映に先駆けてフランスでは様々な特集が組まれたが、印象に残っている言葉が「メスリーヌの父が第二次世界大戦でナチスに加担していなかったら、父親としての役割を果たしていたのか」と。彼の人生の負い目が、息子への過保護を生んだという話もある。

余談:
カッセルが演じることによって、メスリーヌにセクシーさが追加されたが、実際のメスリーヌは、、、笑 こんな感じ



うーん、抱かれたいタイプではないかなぁ。

こんな詩をもらっても難しいかな、、、