11月5日、厚生労働省の人口動態統計の速報値では2024年の上半期(1月〜6月)の出生数が329,998人(2023年は上半期352,240人で年間は727,277人で前年比6.3%減)となり、70万人割れは必至となりました。国立社会保障・人口問題研究所の推計では出生数の70万人割れは2043年とされていますが、1994年に『エンゼルプラン』が策定され、少子化対策が本格化して以降、2003年に『少子化社会対策基本法』、2012年に『子ども・子育て支援法』、2023年には『こども未来戦略方針』が策定され、2024年に『子ども家庭庁』が発足しましたが、少子化の加速度的な進行は止まっておらず、子育てや教育費の無償化では政策の効果が上がっていないことは明白で、抜本的な見直しと追加的な対策の実施が急務です。島根県も例外ではありません。合計特殊出生率は全国平均よりも高い数値とは言え、2024年の出生数は3,766人で2000年(平成12年)の6,485人から半減しており、令和7年度から始まる第2期島根創生計画には若年世代が結婚・子育てに向かうために必要となる対策の強化が不可欠で、11月25日から始まる県議会での議論は極めて大事です。

 10月30日、東京永田町の参議院議員会館B109会議室で島根県認可保育園理事長会(園山繁会長)の研修会が開催され、島根県内の保育関係者38名が子ども家庭庁成育局の保育政策課と成育基盤企画課の担当者と意見交換を行いました。会議は予め理事長会から提起した「保育士の配置基準」「保育の無償化」「保育人材の養成と確保」「栄養士、看護師および事務員の配置」「小規模保育所への支援」「就学前教育・保育施設整備交付金の予算額確保」の6項目について国の対応を質すかたちで行われ、家庭の保育力低下や支援を要する子どもの増加に伴う保育士の負担増加という保育現場の実情を訴える意見や1歳児と4,5歳児の配置基準改定は不十分、3歳児以上の保育料を無償とする一方で3歳未満児を有償とし、無償とされた児童の給食費が有償とされることは疑問、処遇改善加算などに対する事務量の増加に伴う経費支弁を求める意見などがありました。国の担当者からは、内閣府の「子ども未来戦略」に記載された大綱に沿って保育政策を進めるとし、施設整備補助金については令和6年度の補正予算で対応するとの回答がありましたが、3歳以上を無償とする理由を2歳児以下は6割が在宅となっているエビデンスに基づくとの説明や保育の量の確保を優先する方針には異論もありました。ところで、10月30日に大田市の養鶏場で鳥インフルエンザの罹患が確認され、10月31日早朝から約40万羽の殺処分のため、自衛隊に出動要請がされたとの報道がありました。県内の卵生産の40%近いシェアがある施設での感染発覚は容易ならざる事態であり、県選出で在京の青木、舞立、三浦の各参議院議員に情報提供を行なうとともに、早急な支援と善処方をお願いしました。

 10月27日に投開票された衆議院総選挙で多くの有権者は石破政権に対する期待よりも自民党の政治資金をめぐる対応が不十分とする意思を示しました。10月7日に開催された自民党の全国幹事長会議で「春の島根1区の補欠選挙で自民党支持者を含めた多くの有権者から政治資金問題に対する明確なメッセージの発信が求められており、きちんとした対応をしないままで総選挙に突入すれば、悲惨な結果となることは必至」と申し上げましたが、今回の総選挙におけるNHKの出口調査やマスコミ各社のアンケートを見ると、春の島根1区補欠選挙の期間中に示された民意の内容とほとんど変わっておらず、自民党が改選前から56議席も減らし、自公の連立与党で過半数に満たない215議席という結果となったのは、出直しの総裁選から性急な総選挙に進んだことによって世論の離反を招き、中途半端なけじめと交付金の配分が反発を増幅させたと考えられ、政治への信頼回復を図るためには政治資金問題の決着を図る必要があると思います。

 ところで、今回の総選挙で自民党島根県連は島根1区に高階恵美子、島根2区に高見康裕の前職2名を公認・擁立し、必勝を期しましたが、島根2区では議席を安堵しましたが島根1区では補選に続いて敗北し、議席奪還はなりませんでした。島根県には衆議院の議席が2議席しかなく、少子高齢化や人口減少が進行する中では国の支援が不可欠であり、与党の議席を失う政治的ダメージは計り知れない大きさだけに残念で、捲土重来を期さなくてはなりません。

 与党である自公の議席数が過半数を大きく下回った選挙結果から、国政の流動化は避けられず、減税や無償化を主張する政党の伸張からは生産投資から給付中心の政策展開が予測されるため、インフラ整備や技術革新などへの予算が縮小され、ふたたび経済成長が鈍化する恐れが生じてきました。国際情勢が不安定化しアジアの緊張も高まる中で、日本の平和と独立を堅持するためには国際協調が不可欠であり、政権の安定がなければ国際社会での信頼が得られないだけに、首班指名が行われる特別国会に向けて、政権の枠組みがどうなるのかが注目されるところであり、東京一極集中を是正し、地方の活力を取り戻す「日本創生」の行方が心配です。